陽光溢れるバルセロナの青空に向かって屹立する煙突群。
徹底して直線を排除した造形。
グエル公園やサグラダ・ファミリアとは別次元の異空間がまたここに存在していた。

2つと同じものがない造形の煙突が並び、うねるように上下を繰り返す屋上フロアには、
遊園地のようなユニークかつポップな世界が広がる。

直線の排除されたカサ・ミラは、イメージスケッチがそのまま実体となったような建物だ。それだけに施工は苦難に苦難を重ねただろう。

窓にかけられたアイアンの柵も海藻のような有機的な形態である。
壁の色も海の中のようである。

集合住宅部分をぐるぐる回る。

こんな個性的な住宅に住む経験、日常とはどんなものなのだろう?
バルセロナという街はそんな日常をも飲み込む器量までも持ちあわせているのか。

光が降りてくる中庭空間

階段や手すりのディティールまで丸みが強調されている。

絵本に出てくるような窓枠や壁の色使い。

そんな非現実的な造形は、自然の緑と絡み合うと急に別次元のリアリティに溢れる建造物となる。


ガウディが一つ一つの建築で作り上げる他にない空間。
カサ・ミラにしかない空間―
それは造形の特徴とともに、
光や緑といった環境媒質とどのように対話させるのかに係っているように思う。

そんな対話が前提として作られた生きた建築なのであるから、
作者が同じとも、二つと同じものはできない。

生きて、さまざまなものを飲み込んで、代謝して成長し続ける街・バルセロナの一端が見えたような気がした。