若く多感な頃。


とても尊敬し、信頼していた人に裏切られた(と感じた)ことがある。


その事を、取引先の社長に愚痴ると

その社長から次のように諭(さと)された。




「料理の素材で言うと、出汁(だし)がでる素材ほど、灰汁(あく)もでるんや。」


「人間もいっしょ。クセ(灰汁)の少ない人は、やはり魅力(出汁)も少ないもんやで。」と。




私は納得し、前出の方と仲直りをした。





この冬は寒い。

鍋の灰汁を取りながら、そんなエピソードをふと思い出していた。