はじめまして。
新しく会社に入りました、ひよりです。
まだ覚えることばかりで、毎日少し緊張しています。
そんな私が、会社に来て最初に驚いたのは、仕事のことではありませんでした。
なんと、お部屋の中に森があったのです。
大きなパキラの葉っぱ。
背の高い木々。
小さな滝と、水の中を泳ぐ金魚たち。
そして、緑の葉の間には、きれいなお花が咲いていました。
「ここが、100年の森だよ」
英太郎さんが教えてくれました。
私は思わず、しゃがみ込んでしまいました。
ピンクのバラに、白いお花。
淡い緑のカーネーションと、赤とオレンジのマリーゴールド。
「きれい……」
そうつぶやくと、英太郎さんが言いました。
「そのお花はね、ひよりへの歓迎のプレゼントでもあるんだよ」
えっ、私に?
まだ何もできていないのに。
少し恥ずかしくて、でも、とてもうれしくなりました。
私は小さなノートを取り出しました。
最初のページに、こう書きました。
『10月。小さな森で、お花をいただいた。』
すると、後ろからトリニティさんの声がしました。
「ひより、営業で大切なのは、まず相手が何に困っているのかを知ることですよ」
私は慌てて振り向きました。
「あっ、はい! メモします!」
すると、ソラさんが笑いました。
「ふふ、ひよりちゃん。今はお花を楽しんでいていいのよ」
ことはさんも、そっと言いました。
「見つけたものを大切にできることも、ひよりちゃんの良さになると思うわ」
私はもう一度、森を眺めました。
仕事は、まだわからないことばかりです。
人と話すのも少し緊張します。
失敗することも、きっとあると思います。
でも、この森の小さな木も、最初から大きかったわけではないそうです。
何か月もかけて、少しずつ葉を増やしてきたのだと聞きました。
それなら、私も。
昨日より少しだけ、できることを増やしていこう。
誰かが困っていたら、まずそのお話をちゃんと聞いてみよう。
そして、いつか自分の力で、誰かの役に立てるようになりたい。
ふと見ると、大きなパキラの葉の陰から、小さなトトロがこちらを見ていました。
「……よろしくね」
私が小さな声で言うと、トトロは何も答えませんでした。
でも、なんだか笑っているように見えました。
🌱 新入社員ひより。
私の最初の一日は、こんなふうに始まりました。
まだ小さな私の物語。
これから、どうぞよろしくお願いします。
🌸 ひより
FIRST LIGHT COMMUNITY|森の小さな創作物語
