今朝の新聞各紙で、「政府は、強い毒性と感染力を持つ新型インフルエンザの流行に備えた特別措置法を制定する方針を固めた。」との報道がなされました。

 
 新型インフルエンザは、別に冬期に限らず、真夏の沖縄でも流行した過去がありますので、この時期に唐突にこのような法案が俎上するのは大変不思議なことです。

 この法案で重要なのは、「国民への外出自粛」を法律に基づいて求めること、「集会の中止」を命令する権限を与えようとすることです。

 日本国憲法第21条には次のように定められています。

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

 この自由を「感染拡大や社会の混乱防止を『国家の危機管理』と位置づける」ことにより制限しようとしているわけです。

 仮に強毒性のインフルエンザが流行したとして、このような公権力を行使しなくてはならないほど、社会が混乱して収拾がつかなくなるものでしょうか? 

 集会の中止命令を出したところで、感染の流行は確実に抑えられるものなのでしょうか?

 日本人はそんなことで社会に混乱をもたらすのでしょうか?
 
 あの大震災でも原発事故でも略奪などほとんど起こらなかったと世界から賞賛された日本人ですよ!!

 これは、反原発デモや、昨年から米国など世界中に広まった「占拠」運動を、インフルエンザ予防をダシにして押さえ込む手段に使われそうな気もします。

 さらに恐ろしいことに、インフルエンザが発生している時期に大地震や原発事故などが重なってしまうと、「社会の混乱防止」を名目に避難する自由を公権力で押さえ込むことも理屈の上では可能になります。

 今回は「インフルエンザ」でしたが、「集会の中止」を公権力で命じるネタはいくらでもありそうです。

 まさに、戦前の「治安維持法」を彷彿とさせる法案になってしまいそうです。
 


 インフルエンザの蔓延予防だけなら、今の法定伝染病のように、対象を感染した本人だけにとどめるだけで十分と考えます。そして、タミフルやリレンザ、これから開発される新薬の在庫を十分確保すればそれで足りるはずです。

 感染を確認される前から周囲の人の行動を制限するのは、一昨年に宮崎で発生した口蹄疫で家畜を全部殺処分するのと同じ発想と考えます。

インフル特措法、法的拘束力についての各社報道

【読売】

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120109-OYT1T00761.htm

 政府は、感染拡大や混乱を防ぐには法的根拠に基づく強制措置が必要と判断した。

(2012年1月10日03時00分)

【時事】

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012011000429

 藤村長官は「実効性を高めるためには立法措置が必要ということで検討を重ねてきた。経済界や医療関係者から意見を聞きながら法案を準備している最中だ」と説明した。

(2012/01/10-12:29)

【日経】

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3E2E2E09C8DE3E2E2E3E0E2E3E09180E2E2E2E2;at=ALL

 医療や社会機能維持のために法的拘束力が必要かどうか今後詰め、法案のたたき台を今月中にまとめる。

(2012/1/10 12:39)