あなたの心を静かに見つめてください。


あなたが池のほとりでその池を覗き込むように。


水が澄んでいれば水底まで綺麗に見えるでしょう。


そこにひとつの石を投げ込んでみてください。


石は水面を波立たせ、水底の土も舞い上がらせます。

石が落ちることによって水底から舞い上がった土を見つめてください。



そこには様々なものが混ざっています。



かつてその池で生きていたもの、誰かが池に投げ込んだもの、池の中を漂っていたもの、、


やがて舞い上がった土は再び水底へと戻っていきます。



あなたは人から言われた何かや起こった現象がきっかけで様々な感情を感じるでしょう。


あることを言われて怒りを感じたり、悲しみがこみ上げてきたり。


現象は池に投げ入れた石です。


そして、感情は水底の土です。


あなたはその感情が一時のもので時間が経てば治まることを知っています。


もし感情に呑まれてどうしようもなくなったとき、このことを思い出してください。


そして、舞い上がった土が水底に沈んでいくのを静かに見つめてください。


もし冷静に見られるなら、その舞い上がった土をさらによく見つめてください。


そこにはあなたの様々な過去があります。


もし怒りを感じたなら、同じように怒りを感じた経験がいくつも舞い上がる土に含まれています。


ひとつひとつを感じ、見つめてください。


あなたはかつて怒りを感じました。


そして、同じような言葉、同じような現象が引き金となってまた怒りを感じます。


その怒りは、今この瞬間のものだけとは限りません。


過去を紐解いて、その怒りの元となった体験をいくつも思い出してください。


"怒りを感じる自分"がいけないのではありません。


それよりも"かつて怒りを感じさせた何か"に焦点を当ててください。


そして、裁くことも責めることもせず、ただ感じ、見つめて、理解してください。



そうして見つめていると舞い上がった土は水に溶けて消えていきます。



澄んだ水の中できらきらと輝きながら消えていきます。



それを何度も続けていくと、少しのことで怒りを感じなくなっていきます。



誰かが池に石を投げ入れても、水底にある土がなければ、舞い上がってくることはないからです。


その時は水面に広がる波紋だけを、


今感じている感情だけを感じてください。



怒りなどの感情は悪いものではありません。


あなたの心に溜まった癒されていない経験を思い出させてくれるきっかけになるものです。


どうか、感じることを嫌がらないでください。


その先にある澄みきった心を手にするために。