鉄のお話 その④ 炎症と鉄 | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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その③はこちら

 

 

はじめに鉄の性質として、非常に反応性が高いということです。

鉄の表面にメッキなど何もしていなければ、すぐに錆びてしまいます。

これは鉄が空気中の酸素と結びついて、酸化鉄になった状態です。

 

 

では吸収されない鉄はどうなるのか。

 

 

その鉄は遊離鉄となってさまよいます。

そしてフェントン反応によって、

ヒドロキシラジカル(活性酸素)を作り出してしまいます。

フェントン反応は、身体の中の電子のやり取りで、

電子をうまく酸素に与えられずに余った電子によって引き起こされます。

それが遊離鉄と反応を起こします。

 

ヒドロキシラジカルはとても酸化力が強く、

細胞やミトコンドリアを傷つけたり、

細胞のアポトーシスを招いたり、

多価不飽和脂肪酸を酸化させたりします。

それらがゴミとなり、リンパ球たちがゴミ掃除をするために炎症を起こします。

これが鉄によって炎症が起こるメカニズムです。

 

 

対応する酵素もありますが、酵素も材料とエネルギーがあって作られるし、

身体は他の仕事もしています。

都合よくその酵素がいつもたくさんある訳ではありません。

ですので、場合によっては状態がひどくなることがあります。

還元を謳う商品についても、細胞内を還元状態にする恐れがあるため、注意が必要です。

 

 

問題はサプリなどで摂った過剰な鉄。

そして、赤身肉などから摂った過剰な鉄。

鉄が過剰になり過ぎた分、遊離鉄が増えることに。

 

 

そして鉄は前回お伝えしたとおり、人間が利用していますが、

細菌たちが増殖しやすい環境まで作り出してしまいます。

細菌たちが増殖すると、細菌たちが出すエンドトキシン(内毒素)が多くなります。

このエンドトキシンは、ヘモグロビンの鉄に結合し、その鉄が酸化してしまいます。

すると2価鉄が3価鉄となり、ヘモグロビンに酸素がくっつかなくなって、酸欠状態に。

これをサイアノーシスまたは、チアノーゼともいいます。

顔色が悪くなったり、唇が紫色になったりします。

 

 

もし鉄を摂りすぎたと感じたら、食後に鉄の吸収を阻害するコーヒーや緑茶を、

糖と一緒に飲みましょう。

 

 

さて、赤血球は約120日で役目を終えます。

 

 

役目を終えた赤血球は、脾臓でマクロファージに貪食され、

鉄を骨髄へと運びます。

これが1日に20〜25mg回収されて、リサイクルされるためにフェリチンとなって肝臓へ貯蔵されます。身体が不足と判断したら、それを血中へ補充します。

この時も、

マクロファージに仕事が出来るだけのエネルギーが無いと、

マクロファージが運べなかった鉄が遊離鉄になります。

よほどの大量な出血ではない限り、

生理中の女性であっても身体から外に排泄される鉄は1〜2mg程度と言われています。

 

 

この減った分の鉄さえ補えらればいいし、回収されてリサイクルされる分が多いのに、

なぜ貧血という状態が起こるのでしょうか。

それには貧血は結果であって、鉄不足は原因ではないと考えられます。

 

 

次で最後ですが、それを見ていきましょう。

 

 

つづく