小さい人との暮らしが始まりました。
その人は、よく泣きました。
涙をたくさんこぼして泣きました。
お腹が空くと泣きました。
おむつが汚れると泣きました。
眠れない時も泣きました。
どうやら背中にレーダーがついていて、
抱いてあやしていても、
私がソファに座ると泣きました。
きっと床からの距離を探知していたのだと
おもわれます。
仕方ないので、背中に負ぶって
その人のおむつを洗いました。
一日に何度もお召し物をお着替えに
なられ、お着替えになられたその瞬間に
粗相されることも、いつもの事でした。
真夜中に目をランランと輝かせるその人と
2人で朝を迎える事もしばしばありました。
たまらなくて
2人で声を上げて泣いた日も
2人で外をほっつき歩いた日も
ありましたね。
朝自身の小さな爪で引っ掻いたその傷も
夕方には完治していましたね。
ある日突然寝返りをし
戻れなくて泣いていましたね。
いつの間にかずり這いをするようになり
私がトイレにいくのにも
ついてきてくれましたね。
今まで自由気ままなファッションを
楽しんできた私は、ある日
化粧もしていない自分の顔を鏡でみて
おしゃれや、ハイヒールが懐かしくなり
少し疲れも出てきましたよ。
それでも、そのあなたの寝顔をみると
頬をくっつけて
お化粧あったらこんなにスリスリできないわ
なんて思ったものです。
ハイヒールだって、
こんなに重たいあなたを背負ったら
ヒールが折れてしまいそうよ。
そんなこんなで1年が過ぎようとする頃
小さい人はいつの日か立ち上がり
得意そうに私をみて笑いました。
あの日の事は忘れないよ。
そして、その頃、私のお腹には
新しい命が宿っていました。
小さな人と私は
2人でよくお散歩に行きました。
この背中たまらんな♡
それから17年と半年が経って
小さい人はいつの間にか
私を見下ろす程に大きくなって
今日の弁当の唐揚げ美味しかった
言いうのです。
それを聞いて私はちょっとドヤ顔するのです。
あとこうして一緒に居られるのも
どのくらいなのでしょう。
駆け抜けてきたこの歳月
こうして振り返ってみるだけで
今度は私の涙が止まらない。
こんな私をお母さんにしてくれて
ありがとう♡
(その頃、会社の社宅に住んでいました。エレベーターのない建物の4階でした。ある日、小さな人は、私が残りの荷物を取りに階下に降りた隙に、内側から鍵をかけてしまい、私達はどうする事も出来なくなってしまいました。結局、隣の奥様に、ベランダの白い壁を破って家の中に入ってもらい、ーーベランダの窓の鍵は開いていたのでした。ーー助けてもらいました。それ以来、私はペンダントを鍵にして暮らしていました。今となっては懐かしい思い出。お隣だった◯◯様、あの時は本当にありがとうございました♡ 先輩ママとしていつも、可愛がってくださりありがとうございました♡またいつの日かお会いしたいです。)




