快斗。

覚えてる?
初めて出会った時の事。

青子は新しい街に引っ越ししてきたばかりで。
すごくドキドキしてたんだよ。

青子のお母さんは青子が小さい頃に亡くなってたから。
青子はものごころついた頃から、ずっとお父さんと二人きりだった。

そんな中、お父さんとお出かけする為に、あの時計台の前で一人で待ってた。
お父さんはなかなかこなくて。
仕事が忙しくていけないかも・・・って。
そう、いわれていたお父さんの言葉も思い出して。

ひとりぼっちの青子はさみしくなってきちゃったんだ。
とても。
泣きそうなくらいに心細くて悲しくて。

そんな時に、いつの間にか快斗が青子の隣にいて。

「オメーも誰か待ってんのか?」
青子を心配して声を掛けてくれたね。

あの頃から、快斗の言葉は飾らない。
少しぶっきらぼうな言葉だけど。
いつも優しかった。

それで・・・。

「オレ、黒羽快斗ってんだ!よろしくな!」
ポンッと音を立てて突然快斗の手の中にあらわれたバラの花と。
そして、その時の快斗の笑顔に。

青子はきっと。

あの瞬間。
恋に落ちてた。

青子はお子様だから、そんな自分の気持ちに気づくのに、少し時間が掛かっちゃったけど。

ずっと好きだったよ、快斗。
すごく大好きだよ。

とてもとても、大好きだよ。
いつまでも、大好きだよ。

だから、どこにもいかないで。
離れていかないでね、青子から。

青子は絶対に、快斗のそばを離れたりしない。
何があっても。

青子はずっと。
快斗のそばにいるから。

だから。
指切りげんまん。

約束だよ。