快青祭り、第二弾(⋈◍>◡<◍)。✧♡

現プラレボ設定で♪

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7566805

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「親・・・父・・。」
ベッドの中で寝返りをうった快斗が呻く様にそう声を上げた。
顔を歪めて苦しそうにきつく瞼を閉じる。
「ゴ・・メン・・・。」
「快斗・・・。」
その呼びかけに快斗は気づかない。
青子は胸の奥が鷲掴みにされる様な・・・そんな想いを感じながら。
快斗に手を伸ばした。

そうして柔らかい癖のある髪をゆっくりと撫でる。
心もちそうする事で、快斗の表情がふっと柔らかくなる気がした。
少しだけ安心した青子は軽く息を吐いてその手を離そうとした。
次の瞬間、眠っているはずの快斗の腕が青子の手首を強い力で捕らえる。
「青子・・・。」
その声に青子は大きく目を開いた。
「快斗?」
呼び掛けには応えない快斗に、それが眠りながらの無意識の行動である事に気づいて青子は目を細める。

「ここにいるよ。」
青子は快斗の掌を握り返すと耳許に顔を寄せて言った。
「大丈夫。青子はどこにもいかないから。」
青子はそう言うと、横になって眠り続ける快斗に頭を預けて瞼を閉じる。
「ここにいるから・・・だから。」
きつく閉じた目の端から涙が零れ落ちた。
「一人で苦しまないで。」
そう言いながら青子は快斗の手首を柔らかく包む様に両手で握った。

組織に望まない盗みをさせられて。
そうしてようやく助け出された快斗が青子のところに戻って来たのがつい数日前の事。

今も快斗の手首と足首には三センチ幅の帯の様な痕がくっきりと残る。
不思議な事に日が経っても一向に消える気配のないそれは拘束具・・・というもので快斗が鉄格子の中に繋がれていた際に刻みつけられたものなのだと青子はコナンに教えられた。
他にも監禁されている間に快斗が振るわれた暴力の痕が今も快斗の体中に残されている事。
そして精神に直接作用を及ぼす危険な薬を投与されていたらしいと聞かされた話も思い出して、青子は快斗の手首を強く握り締めて胸に額を押しつけた。

「青・・・子・・?」
それに気づいた快斗がゆっくりと瞼を開いた。
「大丈夫か?」
ぼんやりとしながらもそう呼び掛けてきた快斗に青子がギュッと強く瞼を閉じると何も言えずに頷く。
そんな青子に切なげに目を細めてから快斗が青子の頭を抱える様に抱いた。
「ゴメン・・・な。」
どこまでも優しい快斗の言葉に青子の目の端から零れ落ちる涙が止まらなくなり、青子はそれを手の甲で乱暴に拭った。
そうして枕元で顔を上げた青子を見つめて快斗が少しだけ苦笑を浮かべる。
「やっぱ泣き虫だな、青子は。」
そう言うと快斗が青子の頭に手を伸ばして自分の胸元に抱き寄せた。
「泣かせてるのはオレなんだけど・・・さ。」
ゴメンな・・・と。
もう一度快斗はそう言うと青子の頬に手を伸ばして静かに唇を重ねる。
優しく伝えられるぬくもりに泣きたいくらいの想いを感じながら、青子はその口づけに応えていると、なぜかほどなくして快斗が青子の体を押し返した。

「やっぱ・・・ゴメン。」
快斗はそう言うと青子から視線を逸らして顔を伏せる。
「そんな資格、ないのに・・・な。」
辛そうに顔を歪めて苦い笑いを零しながら快斗の口から紡がれたその言葉に青子が目を見開く。
「快斗?」
呼び掛けた青子に快斗が唇を噛み締める。
「ないんだ。青子に優しくされて、甘えて縋って・・・こんな事する資格、オレには・・・。」
青子は快斗が口にしたその言葉に再び涙が溢れ出すのを感じながら、快斗を正面から強く抱き締める。

「資格なんて・・・いらないから!!」
青子はそう叫ぶと、快斗を繋ぎ止める様にきつく抱いて肩に顔を埋めた。
「何もいらないから。快斗、お願い・・・ここにいて。」
「青子・・・。」
「どこにもいかないで。お願いだから・・・もう、青子を一人にしないで。」
その言葉に快斗が俯いたまま唇を強く引く。
「イヤだよ、快斗・・・。もう、こんなの・・・。」
そう言って耳許で泣き出した青子の背中に快斗が手を伸ばした。

「ゴメン・・・。」
再びそう口にした快斗に涙で頬を濡らしたまま青子が顔を上げた。
「違うよ、快斗。」
そう言うと青子は今度は正面からを柔らかく快斗を抱き締めて耳許に顔を寄せる。
「青子が快斗にいて欲しいんだよ。」

「青子・・・。」

「快斗、好きだよ。大好きだよ。」

そう告げた青子に快斗が目を瞠った。

「青子・・・。」

戸惑い気味に呼び掛けた快斗に青子が訴える様に言った。

「お願い、快斗。ここにいて。青子のそばに・・・お願いだから。」

静かにもう一度そう伝えた青子に快斗が唇を強く引いて顔を伏せる。

 

「いいのか?本当に・・・後悔しないか?」

俯いたまま念を押す様にたずねた快斗に青子は笑顔で応える。

「うん。快斗・・・。」

「んっ・・・?」

「好きだよ。」

その言葉に快斗は頷く。

「オレも・・・好きだ、青子。」

快斗はそう告げてもう一度青子に口づけをした。

 

それからしばらくして顔を上げた快斗が青子を見つめる。

「ありがと、青子。」
快斗はそう言うと青子の頭を腕の中に抱え込んで瞼を閉じた。
そうして青子を抱き寄せた快斗の腕の中で青子は顔を埋めて頷く。

どうか、快斗を守れる様に・・・と。

そう強く、心から願って。

Fin.