友よ | ALS,kawatetsuのブログ

友よ

耳が聞こえないスカイダイバー関さん。

もう8年も前のこと、
私より少し早くスクールに入っていた。

だが、
スクールオフは私よりはるかに遅かった。

難聴がゆえに空中無線が使えず、
地上へのアプローチを何度もタンデムで練習していた。

お金も時間も皆の倍はかかっていたと思う。
誰よりも努力してハンデを乗り越えようとしていた。

そんな関さんのスクールオフの時、
偶然にも私は地上にいた。

地上に降り立った
インストラクターの甲斐さんと関さん。

甲斐さんは言った。
「合格!スクールオフおめでとうー(^^)」

最高のランディングだった。

ハンデを乗り越えた瞬間だった。
日本初のサイレントジャンパーの誕生だった。

関さんの気持ちに応えた甲斐さん、
ハンデを克服した関さん。

私は感動して、
心の底から甲斐さんと関さんを尊敬した。


関さんは、
私がALSと知った時ひどく落込んでいた。

車椅子に移乗する時など肩をかしてくれた。

坂道が危ないからとおんぶをしてくれた。

なぜかいつも傍にいてくれて、
真っ先に手を差し伸べてくれた。

そんな優しい人だった。


私は言った。
「結婚式に来て欲しい」

関さんは言った。
『やめとくよ』

「手話通訳をつけるからどうしても来て欲しい」

『わかったよ(^^)』


私はどうしても関さんに来て欲しかった。

あの時のジャンプみたく、
感動したかったし感動して欲しかった。



そして式の最後に握手をした。

後日、関さんは言った。
『大工のあんちゃん、ありがとよ』

そして約束を交わした。

iPS細胞で、
私は神経と筋肉の再生を!

関さんは聴力と毛根の再生を!

『「もう一度、
一緒にジャンプしよう!」』


2015年5月23日
山が大好きな関さんは入山した。

少しでも高く、

少しでも空に近く、

はるか大空へ、

天国へと
スカイダイブした。

パラシュートを忘れた関さん、
もう二度と地上には降り立たない。

永遠に。


でも、
きっと、
天国のどこかに、
あの時のスクールオフのように、
最高のランディングをしてるはずだ。


最高で、
最強の、
スカイダイバーだ。



このブログ、
きっと見るきっと届く。

関さん、
ありがとう。

そして、
さようなら。

あの時の約束は来世で果たそう。




スカイビング関西
    河田哲郎