がんになった場合に給付金が支払われる保険は、「三大疾病」(がん、急性心筋梗塞、心疾患)をカバーする保険商品のほか、がんに特化した「がん保険」があります。

三大疾病を特約でつけるという人もいるかもしれませんが、実は給付金の支払われている実績を見ますと、がんの場合がほとんどです。

その割に、脳卒中や心疾患も含む三大疾病保険は、保険料が高くなってしまいます。

 

国立がん研究センターが発表している統計(2012年データ)によると、女性の2人に1人(47%)、男性は5人に3人(63%)ががんにかかる可能性があります。

この割合は生涯でがんになる人の罹患率を示しています。

長生きする高齢者が増えるにつれ、がん患者も増えているのが実情です。

 

では何歳になるとがんのリスクが高まってくるのでしょう?

年齢別の罹患リスクも発表されています。

それによると、50歳を過ぎたあたりからがんの罹患率は急激に上がってきます。

30歳の男性が20年後にがんと診断される確率はわずか2%なのに対し、50歳の男性が20年後にがんにかかる確率は20%に跳ね上がります。

 

若者ががんになる可能性は低いとはいえ、子育てや住宅ローンを抱えていれば、家計への負担は重くのしかかってきます。

ですから、家族や親族でがんを患った人がいないからと安心してはいけません。

例えがんの罹患率が低い若い人でも、がん保険については加入を考えてみてください。

 

がん保険のテレビCMなどのイメージで、がんの治療費は高額という印象を持っている方が多くいます。

しかし、安心してください。

がんであっても健康保険が適用される治療でしたら、ほかの病気とまったく同じです。

特別高いということはありません。

 

健康保険の加入者なら自己負担は3割ですし、高額療養費制度を使えば一般的なサラリーマンで月額およそ9万円(所得に応じて金額は変わります)です。

もちろん、健康保険が適用されない先進医療を選択した場合は実費を負担することになります。

 

実際は治療費のことよりも、精神的なショックや仕事と治療の両立などの不安のほうが大きいようです。

入院や治療が長引き働けなくなった場合、その間の生活を支える備えが必要になります。

 

 

がんは、大きく分けて「上皮内新生物」と「悪性新生物」の二つに分かれます。

多くのがんが、「上皮」と呼ばれる粘膜層で発生します。

上皮から血管やリンパ管などへ壁の役割をしている基底膜を破り(浸潤し)、他臓器に転移するという流れです。

 

二つの違いは、上皮にとどまっているか、いないかです。

基底膜を浸潤した場合は「悪性新生物」と呼ばれ、転移の可能性があります。

基底膜を浸潤していない非浸潤がんが「上皮内新生物」です。

いわゆるステージ0(ゼロ)で、転移する可能性は低くなります。

手術も比較的容易に済みます。

 

それゆえ、この「上皮内新生物」「上皮内がん」と診断された場合は、がん保険で給付金が出なかったり、たとえ出たとしても金額が少なかったりすることがあります。

ですが、給付金が出ないからといってガッカリしないでください。

治療費もそれほどかかりませんし、転移の心配もないのですから、むしろラッキーだったと考えた方がいいでしょう。

 

確かに以前は、がんの治療は入院が長期にわたっていました。

しかし、医学や治療法の進歩のおかげで、現在は入院日数が短くなっています。

厚生労働省の発表では、がんの入院日数は平均で18.7日(14年)です。

場合によっては、入院も手術もなく、抗がん剤治療の通院だけという例もあります。

 

こうした治療の実態に合わせ、がん保険も少しずつ変化してきています。

以前は長期間の入院を想定していましたが、最近発売されているものは、診断一時金や治療法(抗がん剤など)に対応した保険などに変わってきました。

 

このほか、通院保障を手厚くした保険、がんのステージ別に異なる保障、休業中の収入を補うタイプなど多様なニーズに応える保険もあります。