まずスタンダード系・肝胃腸系のドリンクですが、グラフの(1)の部分を見ていただけるとわかるように、冬になると肝胃腸系の商品が売上上位にランクインする傾向が強まります。

これは、我々の消費行動パターンを考えれば理解しやすく、いわゆる「忘年会」需要です。

「飲む前に飲む」ということでしょう。

 

上記以外のシーズンは、スタンダード系が手堅い人気です。

具体的な商品名を挙げると、最近ではキレートレモンの売上が伸びて来ており、女性向け健康ドリンクにおいて定番化・売れ筋化してきています。

今年6月から始まった、篠原涼子さん出演のTVCMの影響でしょうか。

 

さて、エナジードリンクに目を向けると、グラフの(2)の部分を見るとわかるように、売れ筋順位に若干の変化が発生してきています。

これまで圧倒的な強さを誇っていたレッドブル系の売上が大きく変化せず23アイテムがランクインする状態のまま推移しているのに対し、モンスター系の売上が徐々にですが伸びて来ているのです。

 

これはどうやら、容量の違いによる消費者のニーズ変化が起こっていることが原因のようです。

どういうことかというと、レッドブルの好調を支えてきた売れ筋トップ商品「レッドブルエナジードリンク185ml」「同250ml」に対して、ターゲットとなる若者から「容量が少ない」「高価」というイメージが持たれているようなのです。

 

栄養補給を主目的とした他の健康ドリンクと比較して、清涼飲料水寄りの飲用ニーズが色濃いエナジードリンク。

その為、水分を多く摂りたくなる気温上昇シーズンには、需要が伸びてしかるべきなのですが、上記の理由からレッドブルの商品は少々物足りなさを感じられているようなのです。

 

それに対して、モンスターシリーズは355mlと容量が大きい点が特徴で、販売価格もレッドブル185mlと同じ200ということもあり、特にこの春以降、売上が伸びてきています。

そんなニーズの変化に対応するかのように、レッドブルは今夏「レッドブル・エナジードリンク330mlアルミボトル」という新商品を発売しました。

 

これはボトルタイプの商品で、容量は従来より多い330ml

リキャップ式なので、プルタブの飲みきりタイプとは違ってチョイ飲みが可能です。

また見た目も、スタイリッシュでカッコイイのです。

価格のほうはやや高いのですが、それでも売れ筋ベスト10にランクインしています。

 

これまでレッドブルは「サマーエディション」「ブルーエディション」「スプリングディション」といった、季節限定のフレーバー新商品を発売してきました。

ただこれらの商品は、発売2週目ぐらいまでは売れ筋になるのですが、定番化できないまま売れ筋ランク外に落ちていました。

 

そこで今回は、ターゲットである若者のニーズを再定義し、「カッコイイ」「大容量」を前面に押してくるようにしたのではないでしょうか。

そして販売動向を見る限り、それは成功しているようです。

ちなみに個人的には、海外で発売されているモンスターよりも大容量の缶タイプのレッドブルが、すごくカッコイイなと思いますが。(日比谷 新太)