前回のつづき。手術当日。
17:00 アテンダーさんが寝ているウチを起こしに来る。
どうやらとうとう手術らしい。
「眠たいなら、もう少し寝ていいよ」と言われるが、さっさと手術を終えたかったので、ベットからおりて車いすで手術室に向かう。
中に入ると、テレビで見たようなまがまがしい機械や道具が……。
Oh! ついに手術か! テンションあがるねぇ!
とか思ってると、ナースに
「服脱いで、全部」
と言われる。まさかこんな所で身ぐるみを全部はがされるとは。
※ウチの場合、性別適合手術と豊胸手術を同時にするので全裸にされますが、性別適合手術のみの場合は、下の手術着だけを脱ぐみたいです
でも、さすがにスッポンポンだとさすがウチも恥ずかしいので、毛布的なものかけてもらえる。
この毛布がウチの「恥じらい」の境界線。
よく医療ドラマとかで見る、あの口にしてるヤツをする。
おぉ、本格的だなぁ……とか思ってると気付いたら気を失っていた。
どうやらいつの間にか麻酔かけられたらしい。
個人的には「今から麻酔を打ちますねぇ、…1…2…3…」のあとに気を失うのを期待していただけに、物足りなくて少しショック(笑)
そしてウチが眠ってる間に、性別適合手術と豊胸手術と言うコンボ手術を繰り広げます。
次に目を覚ました時は、時間は分からないけど後で聞いたら、23:30くらいだと言われた。
自分から目を覚ましたワケではなく、ナースに起こされ「クリアー(成功したよ)」と言われた。
おぉ、生きてる。すげぇ。死んでたら大問題だけど(笑)
てか、いつの間に寝ちゃったんだとマジで思った。
恐るべし、麻酔。
暗い手術室横の覚醒ベットで、一晩過ごす。
他にも手術をしたであろう人が2人くらいいた。
痛みはない。
まだ麻酔が効いてるんだと思う。
恐るべし、麻酔。
手術をしたという実感もないけど、本当に手術って寝てる間に終わっちゃうんだという、客観的な感想は出てきた。
どんだけ能天気なんだろう。
まだ眠気はあったので、もう少し寝ることにする。
しばらく寝ていると、突然寒気が。
寒い。寒すぎる。
ウチの身体がガタガタと震えてる!
ヤバい!このままでは凍え死ぬ!
手術は成功したのに、ここで死ぬなんて、バカみたいじゃん!
そう思って近くにいたナースに声をかけた。
「えくすきゅーずみー」
手術後で体力も落ちてる上に寒くて声が上手く出ない。
何度も「えくすきゅーずみー、えくすきゅーずみー」と声をかけ、ようやく気付いてもらえたと思ったら、ナースが2人がかりで
「フィニーッシュ!ノープログレーム!」
と強い口調で言ってきた。
どうも手術後で錯乱してると思われたらしい。
たまにあるんだって、そういうこと。
まぁ、寒くて震えてるし、痙攣してると思われてもおかしくないし、、ウチも英語力がなさすぎるから「えくすきゅーずみー(発音力ゼロ)」が通じなかったんだろう(笑)
ウチがようやく下手な英語で「こーるど(寒いです)」と伝えると、ナースたちも
「あ、なんだ。寒いの?」みたいな表情をして、もう1枚毛布をくれた。
後で考えたら、手術室横のこの部屋はあえて寒くしてあるうえに、ウチ、胸と股間部の手術をしたから、ほぼスッポンポンなんだよね。
そりゃ寒いワケだ。
こんな感じで、手術をしたという実感もなく、手術日当日は終了。
*通じる日本語*
ウチが手術をしたガモンクリニックでは日本人の患者さんも多いから、ナースたちも通じる日本語もいくつかあります。
●褒め言葉系
「かわいい」「きれい」
顔や持ち物(アクセサリーやファッションなど)にはやたら「かわいい」や「きれい」を言ってきます。
ただし、男性への褒め言葉である「かっこいい」や「イケメン」はなく、すべて「ハンサム」と言うみたいです。
ハンサムなんて今どき言わないけどね(笑)
●あいさつ系
「おはようございます」「こんにちは」
タイではハワイの「アロハ」のように、朝のあいさつと昼のあいさつの区別がありません。
なので、昼でも「おはようございます」と言ってくることもある。
それでも、知ってる人は「おはようございます」と「こんにちは」をちゃんと使い分けてますね☆
「おやすみなさい」「またね」
入院中や通院中、ほぼ毎日顔を合わせるので、寝るときや病院を出るときにはには「おやすみなさい」や「またね」と言ってくれます。
ただ、日本語の「さようなら」はそれに代わる「バイバイ」があるので、あまり使ってるのを見たことないですね。
その他「ありがとうございます」や「ごめんなさい」も通じます。
●感覚系
「暑い」「寒い」
室温はクーラーで管理してますが、タイのナースたちは、屋外の気温が高く暑いため、部屋を寒くするのがサービスだと思ってる節があります。
なので、寒いと思ったら「さむい」、暑いと思ったら「あつい」と言えば通じて、室温を調整してくれます。
「痛い」
これは便利。「痛い」と言えば、診てもらったり、痛め止めを処方してくれます。
●その他
「大丈夫」「がんばって」
ダイレーションやマッサージをするときに「がんばって」とか「がんばる」とか言われます。
施術中に「イタイ?」と聞いてくることもあって、痛くないとはときは「大丈夫」と言えば伝わります。
「少し」
日本人特有の曖昧な表現ですが、タイの人もある程度、理解してくれるみたいです。
「イタイ?」と聞かれて「少し」と答えたりすます。
ただし、この「少し」は、「ある」か「ない」かで判断するときは、「ある」と判断されます。
例えば、マッサージをしていて「ちょっと圧迫感ある程度だなぁ」と思っていると、
「イタイ?」と聞かれたから「少し」と返した。すると何か炎症があるんじゃないかと判断されたりします。
「かゆい」「おもしろい」「美味しい」とか通じませんが、あとは表情でなんとかなります(笑)
嬉しい時は嬉しそうな顔、違和感があるときは不快そうな顔、みたいな感じで(笑)
日本語が通じるアテンダーさんもいますが、ずっと一緒にいるわけではないので、通じる日本語があると助かります。
ちなみにこれはウチが滞在していた時期の日本語力なのですが、ナースたちは勉強熱心で、昨日まで知らなかった日本語をいつの間にか覚えてたり、
中には「○○って日本語でなんて言うの?」みたいなニュアンスで聞いてくるナースもいます。
ただし、あくまでも入院病棟のナースに限られます。
日本人入院者と接点の少ないナース(外来専門やオペ室専門など)は通じる日本語は少ないです。
まぁ日本語が通じなくても、簡単な英単語やジェスチャー、表情でも、伝えたいことは伝わります☆
また聞いた話ではプーケットの病院は日本語力が低くて、ヤンヒー病院はもっと日本語が使える人がいるとか。
いずれにしても多少の英語力は必要みたいです
(´Д`)
ではでは( ´艸`)