ちょうど三ヶ月くらい前、百貨店の催事でTHE PAGES(ザ・ペイジーズ)というユニークな商品に出会った。

その日は別の催事を覗くつもりで出掛けたのだが、生活雑貨のフロアでいかにも寛いだ雰囲気の、愉しそうな品々の並んだコーナーがある。目にとまった独創的なフォルムの陶製品を眺めていると、感じの良い女性がさり気なくその作品と作り手の物語を語って下さる。すっかり魅了されて、期間中何度かお邪魔した。堅苦しくなく、生活者目線で、それでいて安っぽくない(値段の問題ではなく)素敵な催事だった。

イベントを企画していたのは関西の収納グッズの開発や販売を手掛けている会社で、タイトルにあげたザ・ペイジーズという商品は、この会社のオリジナル商品である。

元は開観本函(ひらきみほんばこ)という何とも感じのあるネーミングで展開していた商品だそうで、文庫本サイズや画集サイズなど種類があるが作りは同じで、透明感のあるアクリルの真ん中を刳り抜き真鍮の持ち手をつけたシンプルでありながらセンス満点のデザインである。

私は箱入りのCDを飾ろうと思い一番小さな文庫本サイズを求めた。値段は2万円ほどで大きさを考えると少々値は張るが、たとえば画集サイズのザ・ペイジーズ(価格は3万円ほどだったと思う)とお気に入りの画集が1,2冊あれば、そこそこの値段で売られている贋物の複製画などを飾る必要もないので考えようによっては割安かもしれない。場所も選ばず、書架がアートの積極的担い手に躍り出る発想も斬新。こういう愉しみ方、眺め方は私の知る限りこの商品が初めてだった。

今日Amazonから届いたオードリー・ヘプバーンの写真集(文庫版)を試しに収めてみると、これも又なかなかいい感じである(本来はこういう使い方をするのだから、いい感じに収まってくれないと困るわけだが)。頁を捲り日替わりで美しいヘプバーンを愛でるのもなかなか乙なものだと思う。