うつ病の典型的な症状として、

「死にたくなる」というのが有名である。


私が精神科に初めて行った時、

そういう症状はなかった。

「失踪してどこかへ消えてしまいたい」

という願望はあった。

あとは「違う誰かになりたい」。

完全な自己否定状態が長く長く続いていた。

言葉にすると、とても平易な表現になってしまうが

それは心底悲しく、自分はもう生きている価値なんてない、

と思えてしまう絶望感なのだ。


誰でも、そんな気分になることが

たまにはあるかも知れない。

でも、長く2週間以上その状態が続く時は

やはり病気を疑ってもいいかも知れない。

早く発見して早く手を打てば

長引かないですむからだ。

うつ病と診断されて1年が過ぎたが

その1年は本当に長かったし

人生の遠回りをしているような気がして

言いようのない焦燥感を感じることが今でもある。


あと、うつ病は治療していても

気分の良し悪しの波がある。

それも規則的なわけじゃない。

ある時ドーンと落ちたり、

ある日は丸一日動けなかったり・・・

外傷があるわけではないので

家族や他の人は分かってくれないことも

しばしばあるかも知れないけれど

「自分だけは」

分かっておいたほうが良い。

それで落ち込んだ気分が消えるわけじゃないけど

「今は、悪い波が来てるな」

分かっているだけで、ずいぶん楽に構えられるから。

家族や知人の方で、うつ病の人がいるという人も

良い時と悪い時の波がある、ということを知っていて欲しいと思う。