キャシャーンsins 12話「生きた時間を色にして」感想 | 思考回路はニート寸前!

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「愛って、一体なんなんだろう……」「私だ」「お前だったのか」

「僕に滅びを止める力はない。けどね、歴史の終わりに僕色を残すことはできるんだよ」

今回は、7話「高い塔の女」を少し踏み込んでリライトしたような話だったように思います。


・色が塗り変わる街

大きな街を前にして、オージが言います。

「この街は、歴史を塗り変える。国王が替われば歴史が変わり、街は新しい国王の色に塗り変えられる。かつてここはそんな街だった」


そんな街にやってきたキャシャーン。

かつては色鮮やかだった街も、今では風化したか砂にまみれたかで、味気ない茶色です。

もうロボットもほとんど残っていない様子。

そこで彼が出会ったのは、「滅びを受け入れた」ロボットの集団と、

そして街の壁に色を塗りたくっている男でした。


・芸術家マルゴー

彼は芸術家を名乗るロボット。

脚が完全に壊れているので、今はタイヤに付け替えてガンタンクみたいな姿になってますが、それでもまだ絶望していないようです。

彼は、これまで王が塗り変えてきたこの街を、滅びる前に今度は自分の色に塗り変えたいのだと言います。


・暗黒の時代

キャシャーンの美しい姿を気に入ったマルゴーは、キャシャーンを気に入っている場所に案内します。

そこには、壁の削られた跡がありました。

亀裂の部分から、これまでに街の壁に塗られてきた色の層を見ることができます。


オレンジ、赤、白、緑、青……虹のように色とりどりなその層は、ある部分から大きく黒一色に塗りつぶされています。

「ブライキングボス様の時代の色だ……!」

あの時代は圧政が敷かれていて恐ろしかったけれども、それはそれで秩序があって美しかったと言うマルゴー。


これまで過去のロボット繁栄期についてはほとんど描かれていませんでしたが、こういう風に、間接的に色で視覚化するというのは面白い演出だと思います。


・ルナの言葉

そんな繁栄期も終わり、今は砂という自然そのものの色が街を塗り変えている。

かつて、ルナはこの街は自然のままの色であってほしいと言った。

その望み通りになったのだと言うマルゴー。


ルナがロボットの繁栄、作られた秩序、偽りの色を望んでいなかったのだとしたら……。

ルナがどんな人物だったのかはまだほとんど語られていませんが。

ルナが今生きているかもしれないのに滅びが止まらないのは、ルナ自身が滅びを望んでそうしているからなのかもしれませんね。


・見守るキャシャーン

マルゴーの塗り変え作業を見守るキャシャーン。

「不思議だよフレンダー。僕はルナを探してすぐにでも旅立たないといけないのに。

どうしても、あの人が塗り変える町を見てみたい」


私も最近こんなことをよく言ってました。

「不思議だよフレンダー。僕は卒業を目指してすぐにでも卒論にとりかからないといけないのに。

どうしても、ニコニコ動画を見てみたい」


キャシャーンとは気が合うかもしれませんね、私。


・滅びを受け入れた者達

滅びを受け入れたという団体のロボット達が、マルゴーを襲います。

必死に生き続けようとするマルゴーの姿を見ると、心がかき乱されるとのこと。

"死を受け入れた"という者を肯定的にでなく、ここまで荒々しく描くというのは新鮮です。

2話の死を受け入れたコミュニティともまた違う。

かと言って生き延びるためにキャシャーンを襲わなかったあたり、死を受け入れようとしているのは本当のようです。


・形に残らなかった生

キャシャーンに倒されるロボット達ですが、マルゴーの塗り替えた壁は滅茶苦茶にされてしまいました。

さらに、滅びが最後まで進行して体が崩れていくマルゴー。

最後に、せめて僕を僕色に染めてくれと、刷毛を差し出すマルゴーでしたが、キャシャーンは受け取りません。


街に、雪が降り出します。

結局、生きた証を何も形に残せなかったマルゴー。

せめて、自分のことを忘れないでくれと言い残して彼は死んでいきます。


今、ルナの望んだように自然の雪が街を染め上げている。

それは、マルゴーの染めようとしていた色にも似ていた。

記憶もまた降り積もる雪と同じ。街の色は残らなかったけれども、マルゴーはキャシャーンの記憶に残った。

無理に形を残そうとしなくても、自然に任せれば人が生きた証は残るのだということでしょうか。


滅びを受け入れて、自然に任せるべきなのか。

それとも生に執着し、周囲を自分の色に染め続けるべきなのか。

あえてどちらとも結論は出さなかった回だったように思います。


キャシャーンがルナと会ったとき、果たしてこのアニメの結論は滅びへと向かうのか。それとも生へ向かうのでしょうか。