「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。」
僕には思い返せば多くの友人がいたと思う。
6歳の僕には6歳の、12歳の僕には12歳の。
友人というものは移り変わる。
あのころにあんなにも一緒にいたと思えば、今僕は彼が何をしているのかも知らない。
13歳のころにはじめて親友と呼べる関係をもてたとき以来、友人というものが僕にもたらす全ての影響や現象への捉え方は色や形を変えた。
そして僕自身が友人に求めているもの、友人関係に求めるものも変化してきた。
難しく言うつもりはないのだけれど、すべては変化していくと思う。
全ては変化するからこそ普遍的なものの儚い影を僕は追い、そして失いたくないものを守るために変化するのである。
人があらゆることにおいて考えを変え、日々その理念や哲学に何かしらの変化が起きていくことは誰にも止めることはできない。
そう、それは僕自身にさえ止められるものではないのである。
僕の人生に多くの影響をもたらした友人があるとき僕に教えてくれた言葉がある。
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。」
彼とはほとんど会うことはない、しかし僕は今この文章を書いているときに彼の精神にとても強く近づいた気がしている。
友人とはつまりそういうことなのかもしれない。
彼はいつも僕の精神性を尊重してくれていたのだけれど、僕はとても遅くなってしまったな。
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