
震災から2週間が経過し、報道の方もやや落ち着いてきた(原発は別)ように思うが、そんな中、連日のように災害支援に従事されておられる、自衛隊・消防・警察・海保の方々には本当に頭が下がります。
そして様々な場で展開される募金や支援活動。
高校選抜野球大会における、歴史に残るような選手宣誓。
例え政府や役人が無能でも、日本人には国難に立ち向かう底力があるのだと思う。
今回の震災が日本人の眠っていた何かを覚醒させたような気がしてならない。
さて、『今週の一枚』である。
本コーナーにおいて頻繁に(比較上)取り上げながら作品を取り上げた事のないバンドがある。
それがCorduroyだ。
アシッド・ジャズ・ムーヴメントで脚光を浴び、特に日本では渋谷系に祭り上げられた。
これが良くも悪くも彼らを迷走させる事になった(と自分は確信している)。
別にイギリスのクラブ・シーンに詳しい訳じゃないが、少なくとも日本ではバンドとオーディエンスとの間に凄まじいギャップが生じていたのは事実なんである。
(過去のブログを見てね)
では自分はCorduroyを否定しているのかと言うと、さにあらず。
彼らは非常に幅広い音楽性とセンスを持った、とってもファンキーな『ポップ』バンドなのだ。
彼らをJTQの亜流扱いにしたのはアシッド・ジャズ・レーベルの完全なミス・リードだったと断言してやる。
先週のNMSの項でも触れたのだが、Corduroyは多分にロック・オリエンティッドな要素を持ったバンドである。
だが、ジャズやR&B、ラテン等の要素をふんだんに取り込んだ、ごった煮的なサウンドを聴かせる。
そこが彼らの魅力なんである。
そして常にB級スパイ映画をイメージしたようなアルバム作りが彼らを特徴づけている。
Armando Trovajoli的(つまり『黄金の七人』的な)といって良い『おちゃめ』感も随所に聴かれるため、これが渋谷系に祭り上げられるキッカケにもなったのだが。
ただ、確かにこれは間違いなく彼らならではの魅力である。
Corduroyは1991年に結成された。
前身はブリット・ポップ・バンドのBoys Wonderである。
オルガン、ギター、ベース、ドラムの4ピース・バンドで、この点ではJTQと一緒だ。
メンバーのうちBen AddisonとScott Addisonは双子の兄弟である。
結成後、発足間もないアシッド・ジャズ・レーベルと契約した。
今回取り上げたのはCroduroyの2ndアルバムで93年に発表された。
92年発表の『Dat Man Cat』と併せて、彼らの魅力が詰まった快作と言って良いだろう。
まずジャケ。
このアホ丸出し感。
B級スパイ映画っぽさがクールである。
内容はコンセプト・アルバムのスタイルを取っており、ホーンやストリングも導入し、インストがメインながらヴォーカル(そしてスキャット)も自ら行い、ジャズやラテンも聴かせるヴァラエティ溢れる構成となっている。
『Frighteners』『Something In My Eyes』がシングル・カットされ、英国ではチャートインしたようだ。
技術的には特別に上手いという印象はないのだが、とにかくセンスが光る。
単純にファンクとして最高なのは高速オルガン・ファンクの『Corduroy Orgasm Club』だが、他の曲も一聴の価値あり。
冒頭の『High Havoc』はレーベル的にも狙いズバリの楽曲。ホーン投入。
『London England』はちょっとダサ気味なとこがポイント。
『You're A Great Way To Fly』はヨーロッパな雰囲気たっぷりのインスト。
『Something In My Eyes』は渋谷系がお好きな感じのお洒落なラテン・ナンバー(別ヴァージョンが『Dat Man Cat』日本盤に収録)。
『Breakfast In Love』はテンポの良い3拍子ジャズ調の曲でビッグバンドとスキャットが印象的。
『One Born Every Minute』はバラード調の渋い曲。
…と全部書いちゃいそうなので、ここでやめとこう。
今は中古でしか手に入らないが、安く買えるのは好都合って事で在庫のあるうちに買ってくださいませ。