「あら、お久しぶりじゃないの!こんなところにいたのね」
「おお…、元気にしてたか」
「今日は朝からこき使われてるわ。もうクタクタよ」
「そうか、オレなんか午前中出番が一度あったきりだよ。退屈で昼寝してた」
「おやまあ、お気楽なことで。わたしなんか今大変だったのよ。ゴリゴリしてるし、動きは細かいし、おまけに時間は長いし」
「そりゃ御苦労さま。まあ、いろんな人がいるから」
「最近は手ごわい人が増えてきてるわね。社会状況を反映しているのかしら。あーつかれたぁ」
「オレはたっぷり昼寝したし、話し相手もできて調子が良くなったぞ。テイラー・スウィフトの歌でも口ずさみたい気分だ」
「やめてよ、気色悪いから…あっ、静かに!誰か来るわ!」
会話が止むと同時に部屋のドアが開いて、エステティシャンが入ってきた。彼女は台の上に置いてあったコニカルをつかむと、「こんなところにあったのね…」とつぶやきながら、すぐに部屋を出て行った。つかんだ時、コニカルが「ふーっ」と小さくため息をついたことなど気づくこともなく。
あとには80㎜のエレクトロードが一つ残されたが、彼はもう、テイラー・スウィフトを口ずさむ気分ではすっかりなくなっていた。またひとりぼっちの退屈な時間が訪れたのだ。
キャパエレクトロード コニカル 定価 16,500円(税抜き)
キャパエレクトロード 80㎜ 定価 30,140円(税抜き)
本日の担当は広報・宮川でした。