~参考~
 
~参考~
(2017年9月12日)
 
 
 
~主な天然の安定同位体(非放射性)~
 
放射能汚染の原因となる典型核種
ヨウ素131、
セシウム134、セシウム137、
ストロンチウム90等の
「不安定同位体(放射性)」
と180度異なり、
天然の「安定同位体(非放射性)」は、
基本的には、
近代以前の古代から
普通に存在する天然成分。
基本的には、
必須ミネラル成分に準じ、
人体に無害or比較的有益作用。
 
ヨウ素系:ヨウ素127
ex)
海中では、海藻類に多く含まれる。
 
セシウム系:セシウム133
 
ストロンチウム系:
ストロンチウム84(0.56%)、
ストロンチウム86(9.86%)、
ストロンチウム87(7.0%)、
ストロンチウム88(82.58%)
ex)
特に沖縄方面が産地の市販の海塩にも、
天然のストロンチウムが
100gあたり
ストロンチウム 0.8mg
と比較的豊富に含まれている。なお、
類似同族元素のカルシウムに混在している
天然ストロンチウムの割合が突出している
事から、特に古代ローマ人(特に剣闘士)
にとっては、
(骨折時の治療内服薬的側面はもとより)
骨を強化する肉体改造サプリのような
存在と位置づけられていた模様。
漢方薬に準じ、特に貝類の殻やサンゴを
石臼等ですりつぶしたものと思われる。
 
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ヨウ素(I)の同位体は、

37種類が知られるものの、

127Iのみが安定同位体(非放射性)であり、

他は全て放射性同位体である。

したがって、

ヨウ素はモノアイソトピック元素の1つとして数えられる。

しかし、宇宙線の影響や、

地球上に存在するウランなどが自発核分裂を起こすことにより、

半減期約1570万年の129Iが生成され続けている関係で、

ごく微量ながら129Iも天然に存在する。

また、近年はヒトが人工的に核分裂を起こしている関係で、

放射性物質によって汚染された場所では、より高濃度に129Iが存在する。

ヨウ素の他の同位体は半減期が短いため、通常は環境中に見られない。

このため、標準原子量は126.90447uと、事実上127Iの質量と一致する。

129I

詳細は「ヨウ素129」を参照

129Iは、

ウランなどの核分裂の結果生成される同位体の1つとして知られている。

129Iは、半減期約1570万年でβ崩壊して129Xeとなって安定する。

ところで、

129Iには、36Clと類似点が見られる。

36Clと比べると反応性に乏しいものの、

129Iと36Clは、

共に可溶性のハロゲンであり、

主に吸着性のアニオンとして存在し、

宇宙線と地球表面との相互作用によって生じることである。

一方、36Clと異なる点もある。

塩素全体の中の36Clの割合と比べて、

ヨウ素全体の中の129Iの割合は極めて小さいこと。

36Clの半減期が約30万1000年であるのに対して、

129Iの半減期は約1570万年と長いこと。

36Clと比べて129Iは生体親和性が高いこと。

36ClがCl-となっていることが多いのに対して、

129IはI-やIO3-など様々な形のイオンとなって存在することである。

このことから、

129Iは植物土壌乳汁動物組織などの生物圏に組み込まれている。

131I

詳細は「ヨウ素131」を参照

131Iは、

半減期約8日の放射性同位体であり、β崩壊して131Xeとなって安定する。

131Iは、

ウランなどの核分裂の結果生成される同位体の1つとして知られている。

半減期はわずか8日程度に過ず、

129Iとは違って通常は環境中で見られることはない。

 

セシウム (Cs) は、

少なくとも39種類の同位体を持つ。

これはフランシウムに次ぐ数である。

原子量は112から151に分布する。

核分裂により生成するほぼ全てのセシウムは、

より中性子の多い原子から、

ヨウ素の同位体キセノンの同位体を経由して、ベータ崩壊により生成される。

これらの元素は揮発性で核燃料中や大気中に分散するので、

セシウムはしばしば遠く離れた場所でも観測される。

核実験が始まった1945年初頭から、

セシウムの同位体は大気中に放出され、

液体に溶けたり、放射性降下物として湖底や地層に積もったりするようになった。

この地層中に堆積したセシウムなどを検出し

堆積速度の計算に用いられることがある。

標準原子量は132.9054519(2) uである。

 

ストロンチウム(Sr)の同位体のうち天然に存在するものは、

84Sr(0.56%)、

86Sr(9.86%)、

87Sr(7.0%)

88Sr(82.58%)

の4種類がある。

何れも、安定同位体(非放射性)である。

標準原子量は87.62(1) uである。

このうち87Srは、

天然放射性同位体である半減期4.88×1010年の87Rbの崩壊により生成する場合と、84Sr、86Sr、88Srとともに宇宙の元素合成の際にできたものと

2つの起源がある。

そのため、87Sr/86Srの比は、

地質学の論文ではしばしば報告されるパラメータであり、

鉱物岩石での値はおおよそ0.7から4.0以上をとる。

ストロンチウムはカルシウムと似た電子配置であるため、

鉱物の中でカルシウムの代わりに入ることがある。

 

〔天然放射能と人工放射能は違う!〕
 2011/9/11

 

 
市川定夫埼玉大学教授(現・名誉教授。'11年死去
埼玉大学名誉教授・市川定夫氏
1935年大阪府生まれ。
京都大学農学部卒・同大学院修了。農学博士。
米国ブ­ルックヘブン国立研究所研究員、
メキシコ国立チャピンゴ農科大学大学院客員教授、
埼玉­大学理学部教授等を経て、現在、埼玉大学名誉教授。
その間、伊方原発訴訟や原爆症認定­訴訟などの原告側証人として
放射線と遺伝の関係を証言。
また、ムラサキツユクサの研究­は有名で、
ごく低線量でも生物に影響があることを証明。
1995年から原水禁国民会議­副議長を務め、
2011年4月に議長に就任。
2011年下期に亡くなられた模様。
             
ナレーション
推進派は
輸入食品に含まれる放射能や原発が
日常的に放出する放射能を、
ことさら自然放射能と比較して見せる。
このような比較に意味はあるのだろうか?


埼玉大学名誉教授・市川定夫氏
カリウム40というのは、
地球上に存在するカリウムのうちのほぼ10000分の1です。
10000分の9999は放射能の無いカリウム
なんですが、
10000分の1の割でカリウム40(放射性)
というのがわいてきているんです。

ただそれでも、
10000分の1なんだけれども、
皆さんが天然の放射能から受ける被ばくの殆ど大部分は
これ(カリウム40)なんです。
この次に多いのがラドンです。
時々ラジウム温泉とかラドン温泉なんかに行かれると
そのラドンの被ばくがちょっと加わる。

カリウムというのはいたずら者も混じっていますから
生物は、地球上に出た生物はカリウムに適応しています。
いたずら者があるカリウムに。
カリウムは
どんどん我々の身体に入ってくるけれど、
どんどん出ていくんです。
入るスピードと出るスピードが同じになっているんです。

我々の体の中に
カリウムを蓄える器官とか組織は全くない。
植物にも無い、動物にも無い微生物にもありません。

カリウムは
皆さんご存知のように
窒素、リン酸、カリという3大肥料の一つで、
絶対に必要なんですが、
どんどん取り込んでどんどん出して、循環させて利用するんです。
それは何故かというと、
こういういたずら者(カリウム40)が混じっていたから。

カリウムをどんどん蓄える生物が進化の途中で現れたとしたら、
その生物は被ばくが大きくなりますから、
そういう生物は不利でしたから栄えなかった。

つまり、現在まで生き伸びているという事は
この地球上で不利な性質をもたなかったから、
今生き延びている訳ですから、
現在の生物が全てカリウムを蓄えないのはそういうことなのです。
 
人工放射能は蓄積するーセシウムの場合ー
さて、このセシウムというのには
天然のセシウムには放射能があるやつはないですが、
残念なことながら
セシウムを原子炉の中で作りますと
カリウムと化学的性質が同族ですから、
(挙動が)よく似ているんです。

よく似ていますから、
セシウムはどんどん入ってきます。
で、やはりカリウムと同じでどんどん出ていきます。

しかし、問題なんです。
我々の腎臓、物を排出する腎臓は、
セシウムに対しては排出する能力がちょっと劣るんです。
胃壁とか腸壁を通って入ってくる速さは
カリウムと同じなんですが、
出ていく速さが少し遅いんです

殆ど出ていくんですが、
例えば100入るたびに1個は残る、
100入るたびに1個は残るとやっていって
だんだんだんだん溜まっていくのがセシウムですから、
じわじわと時間をかけて増えていきます。

ナレーション
ラップランド

(スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・ロシアの

4ヶ国にまたがるスカンジナビア半島北部からコラ半島に至る地域)

の人達は
(チェルノブイリ原発)事故から
1年も経って体内のセシウム量が急激に上昇した。
 
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埼玉大学名誉教授・市川定夫氏
原発を推進される方々は
いつも「人工放射線と自然放射線」の比較。
絶対にごまかされないでください。

「人工放射線と自然放射線」の比較をして
原発を推進する人はやるわけです。
 
私達が本当に比較しなければならないのはこっちなんです。
「人工放射性核種と自然放射性核種」
 

さっき言ったカリウム40といったものが、天然に昔からあったのです。
そういう危険なものがあったら全生物は蓄えない、
という形で適応しているわけです。

生物の進化と適応の過程で遭遇してきたものに対しては、
それをくぐり抜けてきたものしか
生き残っていないという形で、
結果としてね。
だから、こういうもの(自然放射性核種)は
蓄えないという形で適応していて、
自然の放射性核種を濃縮して蓄えるという生物は
一つもいません。

ところが
ヨウ素。
ヨウ素はさっき言ったように、
天然のヨウ素は全部非放射性でしょ。
放射能の無いヨウ素だから、
われわれ生物は
安心して植物も安心して何百万倍も濃縮したし、
人間は安心して甲状腺に集めて利用しているわけです。
安全だったから
そういう性質は貴重な優れた性質になり得たわけです。
 
ところが、
その安全だった元素に
放射性の核種をつくったらダメなんです。

濃縮するものを考えてみますと、
いままでその元素には放射性がなかった、
そういう元素に放射性のものを作ったときに濃縮する。

セシウムも、
天然のものはカリウムと一緒に入ってきても
非放射性ですから、
何も怖いことはない。勝手に入りなさい。
ところが、
放射性のセシウムを原子炉が作り出すものだから、
これも今言ったようにジワジワ蓄えられてしまう。

ストロンチウム90もそうです。
天然のストロンチウムは
非放射性でカルシウムに性質が似ていて
カルシウムのあるところ(骨)に
ストロンチウムは全部いつでも入って来ます。
天然のストロンチウムが入ってきてもいっこうに構わないんです、
非放射性ですから。

ところが
原子炉の中で、
ストロンチウム90とか、
放射性のストロンチウムを作ると、
それが骨の中に入ってしまう。
ストロンチウム90の半減期は28年ですから、
0歳のときに骨の中に入っちゃう。

ストロンチウム90がね、骨の中に入っちゃったら、
その人は28歳になっても半分残っているんです、
骨の中に。放射能はまだ半分残っていることになる。
中から被曝を与えいるんです。

ストロンチウムが入ると、
白血病や骨髄癌にかかりやすいというのは、それなんです。
骨に入って
至近距離から骨髄とかに放射線を照射しているわけですから。

これまでその元素に放射性がなかったものに、
放射性のものを作ったときに、濃縮する。
それが人工放射能の濃縮。

いままで、
天然の放射能に濃縮するものはないというのは
適応の結果なんです。
ところが、
我々が進化と適応の過程で一回も遭遇したことがない、
原子力が始まってから初めて出来たものに対して、
我々はそういった適応を持っていないんです。
 
 
昔は、
人工放射能と自然放射能は同じようなものだと考えられていた時が
一時期あったんです。私もそう習ってきたしそう思っていた。

なぜなら、
ウランの核分裂の結果できる人工放射性核種も出す放射線は
α線かβ線かγ線なんです。
天然にある放射線もα線かβ線かγ線なんです。
出す放射線は同じなんです。

ウランの分裂の結果できるものも。天然にある物も。
出す放射線は同じなんです。
放射能というのは放射線を出す能力で、
最終的に我々生物の細胞に傷をつけるのは放射線ですから、
放射線が同じなら
人工でも自然でも同じじゃないかと昔は考えていた。

ところがそれは間違っている。
挙動の違いがあったわけです。
濃縮するかしないかという。
 
それがわかった後なのに、
推進派は今度「人工放射性核種と自然放射性核種」がダメとなって、
わざと「人工放射線と自然放射線」へ持っていく…放射線の問題にしていく。

人工の放射線でも
例えば医療の放射線を出してきたり、
天然に宇宙から飛んできている放射線も、
放射線は放射線で皆さん傷つけているんですよ、
人工にも自然にも差はありませんよ、と。

放射線を取り上げたら差はありません。
ここには差はないんです。
だけど
放射線が同じか違うか
ではなかったんです。
放射線を出す能力を持った放射性核種が、
我々の中で蓄積するかしないか
の違いなんです。

ナレーション
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特発性大腿骨頭壊死症,ゴールデンウィーク,カタストロフ,何秒,MusicVoice,目の当たり,堀ちえみ

人工放射能は体内に濃縮・蓄積する
自然放射能は体内に濃縮・蓄積しない
 


ヨウ素131やセシウム137、
ストロンチウム90といった
人工放射能(人工放射性核種)は、
生体内に濃縮・蓄積し、
生物がこれまで適応してきた自然放射能
とは比較できない影響を人体に及ぼす。 
 
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~参考~

ストロンチウム90の生体に対する影響

~家畜への蓄積~

1957年から北海道で行われた調査では、

1960年代から1970年代に北海道のウシウマの骨に蓄積されていた

放射性ストロンチウム (90Sr) は2,000-4,000 mBq/gを記録していたが、

大気圏核実験の禁止後は次第に減少し、

現在では100 mBq以下程度まで減少している。

*但し、福島第一原発事故後は別論。

また、ウシとウマではウマの方がより高濃度で蓄積をしていて

加齢と蓄積量には相関関係があるとしている。

屋外の牧草を直接食べるウシとウマは、

放射能汚染をトレースするための良い生物指標となる。

 

~放射性ストロンチウムの体外排泄~

1960年代、米ソを中心に大気圏内の核実験が盛んに行われた。

これに伴い、

体内に取り込まれた放射性物質の除去剤や排泄促進法に関する研究も

数多く行われている。

放射性ストロンチウムは生体内ではカルシウムと同じような挙動をとる。

IAEA(国際原子力機関)は放射性ストロンチウムを大量に摂取した場合、

アルギン酸の投与を考慮するように勧告している。

アルギン酸褐藻類の細胞間を充填する粘質多糖で、

カルシウムよりもストロンチウムに対する親和性が高いことが知られている。

ヒトにアルギン酸を経口投与してから

放射性ストロンチウムを投与すると、

投与していない場合と比べて体内残留量が約1/8になることが報告されている。

また動物実験でも同様の効果があることが確かめられている。

 
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