(2017年10月3日)
~主な天然の安定同位体(非放射性)~
放射能汚染の原因となる典型核種
ヨウ素131、
セシウム134、セシウム137、
ストロンチウム90等の
「不安定同位体(放射性)」
と180度異なり、
天然の「安定同位体(非放射性)」は、
基本的には、
近代以前の古代から
普通に存在する天然成分。
基本的には、
必須ミネラル成分に準じ、
人体に無害or比較的有益作用。
ヨウ素系:ヨウ素127
ex)
海中では、海藻類に多く含まれる。
セシウム系:セシウム133
ストロンチウム系:
ストロンチウム84(0.56%)、
ストロンチウム86(9.86%)、
ストロンチウム87(7.0%)、
ストロンチウム88(82.58%)
ex)
特に沖縄方面が産地の市販の海塩にも、
天然のストロンチウムが
100gあたり
と比較的豊富に含まれている。なお、
類似同族元素のカルシウムに混在している
天然ストロンチウムの割合が突出している
事から、特に古代ローマ人(特に剣闘士)
にとっては、
(骨折時の治療内服薬的側面はもとより)
骨を強化する肉体改造サプリのような
存在と位置づけられていた模様。
漢方薬に準じ、特に貝類の殻やサンゴを
石臼等ですりつぶしたものと思われる。
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37種類が知られるものの、 127Iのみが安定同位体(非放射性)であり、 他は全て放射性同位体である。 したがって、 ヨウ素はモノアイソトピック元素の1つとして数えられる。 しかし、宇宙線の影響や、 ごく微量ながら129Iも天然に存在する。 また、近年はヒトが人工的に核分裂を起こしている関係で、 放射性物質によって汚染された場所では、より高濃度に129Iが存在する。 ヨウ素の他の同位体は半減期が短いため、通常は環境中に見られない。 このため、標準原子量は126.90447uと、事実上127Iの質量と一致する。 129I詳細は「ヨウ素129」を参照
129Iは、 ウランなどの核分裂の結果生成される同位体の1つとして知られている。 129Iは、半減期約1570万年でβ崩壊して129Xeとなって安定する。 ところで、 129Iには、36Clと類似点が見られる。 36Clと比べると反応性に乏しいものの、 129Iと36Clは、 共に可溶性のハロゲンであり、 主に吸着性のアニオンとして存在し、 宇宙線と地球表面との相互作用によって生じることである。 一方、36Clと異なる点もある。 塩素全体の中の36Clの割合と比べて、 ヨウ素全体の中の129Iの割合は極めて小さいこと。 36Clの半減期が約30万1000年であるのに対して、 129Iの半減期は約1570万年と長いこと。 36Clと比べて129Iは生体親和性が高いこと。 36ClがCl-となっていることが多いのに対して、 129IはI-やIO3-など様々な形のイオンとなって存在することである。 このことから、 129Iは植物、土壌、乳汁、動物組織などの生物圏に組み込まれている。 131I詳細は「ヨウ素131」を参照
131Iは、 半減期約8日の放射性同位体であり、β崩壊して131Xeとなって安定する。 131Iは、 ウランなどの核分裂の結果生成される同位体の1つとして知られている。 半減期はわずか8日程度に過ず、 129Iとは違って通常は環境中で見られることはない。
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セシウム (Cs) は、 少なくとも39種類の同位体を持つ。 これはフランシウムに次ぐ数である。 原子量は112から151に分布する。
核分裂により生成するほぼ全てのセシウムは、 より中性子の多い原子から、 ヨウ素の同位体かキセノンの同位体を経由して、ベータ崩壊により生成される。 これらの元素は揮発性で核燃料中や大気中に分散するので、 セシウムはしばしば遠く離れた場所でも観測される。 核実験が始まった1945年初頭から、 セシウムの同位体は大気中に放出され、 液体に溶けたり、放射性降下物として湖底や地層に積もったりするようになった。 この地層中に堆積したセシウムなどを検出し 堆積速度の計算に用いられることがある。
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84Sr(0.56%)、 86Sr(9.86%)、 87Sr(7.0%)、 88Sr(82.58%) の4種類がある。 何れも、安定同位体(非放射性)である。 このうち87Srは、 天然放射性同位体である半減期4.88×1010年の87Rbの崩壊により生成する場合と、84Sr、86Sr、88Srとともに宇宙の元素合成の際にできたものと 2つの起源がある。 そのため、87Sr/86Srの比は、 地質学の論文ではしばしば報告されるパラメータであり、 鉱物の中でカルシウムの代わりに入ることがある。
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市川定夫・埼玉大学教授(現・名誉教授。'11年死去)
埼玉大学名誉教授・市川定夫氏
1935年大阪府生まれ。
京都大学農学部卒・同大学院修了。農学博士。
米国ブルックヘブン国立研究所研究員、
メキシコ国立チャピンゴ農科大学大学院客員教授、
埼玉大学理学部教授等を経て、現在、埼玉大学名誉教授。
その間、伊方原発訴訟や原爆症認定訴訟などの原告側証人として
放射線と遺伝の関係を証言。
また、ムラサキツユクサの研究は有名で、
ごく低線量でも生物に影響があることを証明。
1995年から原水禁国民会議副議長を務め、
2011年4月に議長に就任。
2011年下期に亡くなられた模様。 |
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推進派は
このような比較に意味はあるのだろうか?
埼玉大学名誉教授・市川定夫氏:
カリウム40というのは、
ただそれでも、
カリウムというのはいたずら者も混じっていますから
我々の体の中に
カリウムは
カリウムをどんどん蓄える生物が進化の途中で現れたとしたら、
つまり、現在まで生き伸びているという事は
よく似ていますから、
しかし、問題なんです。
殆ど出ていくんですが、
ナレーション:
(スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・ロシアの
4ヶ国にまたがるスカンジナビア半島北部からコラ半島に至る地域)
「人工放射線と自然放射線」の比較をして
「人工放射性核種と自然放射性核種」
さっき言ったカリウム40といったものが、天然に昔からあったのです。
生物の進化と適応の過程で遭遇してきたものに対しては、
ところが
安全だったから
濃縮するものを考えてみますと、
セシウムも、
ストロンチウム90もそうです。
ところが
ストロンチウム90がね、骨の中に入っちゃったら、
ストロンチウムが入ると、
これまでその元素に放射性がなかったものに、
いままで、
なぜなら、
ウランの分裂の結果できるものも。天然にある物も。
ところがそれは間違っている。
人工の放射線でも
放射線を取り上げたら差はありません。
ナレーション:
人工放射能は体内に濃縮・蓄積する
自然放射能は体内に濃縮・蓄積しない
ヨウ素131やセシウム137、
~参考~
ストロンチウム90の生体に対する影響~家畜への蓄積~1960年代から1970年代に北海道のウシやウマの骨に蓄積されていた 放射性ストロンチウム (90Sr) は2,000-4,000 mBq/gを記録していたが、 現在では100 mBq以下程度まで減少している。 *但し、福島第一原発事故後は別論。 また、ウシとウマではウマの方がより高濃度で蓄積をしていて 加齢と蓄積量には相関関係があるとしている。 屋外の牧草を直接食べるウシとウマは、 放射能汚染をトレースするための良い生物指標となる。
~放射性ストロンチウムの体外排泄~ 1960年代、米ソを中心に大気圏内の核実験が盛んに行われた。 これに伴い、 体内に取り込まれた放射性物質の除去剤や排泄促進法に関する研究も 数多く行われている。 放射性ストロンチウムは生体内ではカルシウムと同じような挙動をとる。 IAEA(国際原子力機関)は放射性ストロンチウムを大量に摂取した場合、 アルギン酸の投与を考慮するように勧告している。 カルシウムよりもストロンチウムに対する親和性が高いことが知られている。 ヒトにアルギン酸を経口投与してから 放射性ストロンチウムを投与すると、 投与していない場合と比べて体内残留量が約1/8になることが報告されている。 また動物実験でも同様の効果があることが確かめられている。 |
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