セシウム:水溶性
(⇒体外代謝、比較的「易」
/原則:「生物学的半減期」の想定内
セシウムボール:不溶性
(⇒体外代謝、比較的「難」/
例外:「生物学的半減期」の想定外)
 
(日本経済新聞 2017年6月11日)
 
東京電力福島第1原子力発電所事故の際、
放射性セシウムを含む未知の微粒子(セシウムボール)が
原子炉から放出され、
遠く関東地方まで飛んできた
ことが 最近の研究で分かった。
 
従来知られてきたセシウム放出物
とは体内に取り込んだ場合の
健康への影響も異なる
と考えられる。
 
事故の進展を推測する手がかりとし ても注目される。
 
セシウムボールを最初に見つけたのは
茨城県つくば市にある気象研究所の研究チームだ。
 
大気汚染の観測装置のフィルターから
直径2.6マイクロ(マイクロ は百万分の1)メートルの
セシウムを含む球形粒子を発見した。
 
装置に粒子が採取されたのは
2011年3月14日から15日の間。
 
福島第1原発で炉心溶融 (メルトダウン)が
次いで起きていたと考えられているころだ。

研究チームが解析を終え発表したのは2013年夏だ。
 
この発見は、
事故で広がった放射性物質の影響を調べている
科学者らの間に懸念を呼び起こした。
セシウムボールは水に溶けない微粒子だったからだ。
(⇒本来は、放射性セシウムやヨウ素は、「水溶性」核種として知られている。

2017年5月には
東京理科大学などが、
セシウムボールが
関東地方の広い範囲に飛んできたことを学会で発表した。

炉心が溶融した原子炉から出る
放射性セシウムは、
大気中の成分と結合し
化合物(水酸化物や硫化物など)の微粒子となり広がる。
 
これらは可溶性で地面に落ちるとセシウムは水に溶けた後、
土壌粒子と固く結びつく。
 
表土をはがせばセシウムは除去できる。
 
体に取り込んだ場合、
1~3カ月程度で半分が体外に排出される。
(⇒いわゆる「生物学的半減期」
 
セシウムを含む食物をとらないよう
心がければ内部被曝(ひばく)は減らせる。

一方、
セシウムボールは地面に落ちてもセシウムは溶け出さず、
土壌に固定されない。
微粒子は再飛散の恐れがある。
 
体内に入ると肺の中などに長くとどまり やすい。
 
大きさが大気汚染の原因となる微小粒子状物質PM2.5と同程度で、
吸い込むと出にくい。
 
森口祐一東京大学教授は
「健康影響を知るうえで
従来の考え方が適用できない」
と話す。

現在、複数のチームが謎の粒子を追いかけている。
小暮敏博東大教授らはセシウムボールの構造や成分を詳しく調べた。
 
ケイ酸塩ガラス(窓ガラスの主要成 分)の中に
セシウムや鉄、亜鉛などが閉じ込められていた。
原発に近い場所では
10マイクロメートルを超える大きさで丸くないものも見つかった。
 
健康影響を把握するうえで何より知りたいのは、
放出量と放出のタイミングだ。
 
東大や東京理科大などの研究者らは
東北、関東地方にある
大気中の浮遊粉じん観測装置のフィルターを集めて調べ、
セシウムボールがいつ、
どれくらい飛んでいたかを割り出そうとしている。

2011年3月12日ころに北に流れた
1回目のプルーム(放射性物質を運んだ空気の流れ)では
セシウムボールは見つからず、
 
2011年3月15日に関東に到達した
プルームに多く含まれていたことがこれまでに判明。
 
九州大学などの分析では、
2011年3月15日に
東京都内でとらえた放射性セシウムの8~9割が不溶性だった。
 
つくば市より南の関東地方南部でも
2011年3月15日に飛来したと考えられる
セシウムボールが見つかった。

中島映至東大名誉教授らは
福島第1原発からは9回のプルームが出たと推測する。
 
このうち
福島第1原発2号機から出たと考えられる
2回目のプルームが2011年3月15 日に関東に来た。
 
2号機は
2011年3月14日夜から冷却ができなくなり
2011年3月15日にかけて炉心溶融が進んだと考えられている。
 
粒子が2号機のものだということは
放射性物質 の構成比から推定できる。

2号機では
2017年2月、
東京電力などが格納容器内にロボットを入れたところ、
原子炉本体(圧力容器)の外側で非常に高い放射線を検出した。
 
その正体は不明だが、
炉心溶融で発生した様々な放射性物質が
相当な量、原子炉の外側に広がることを示唆する。

セシウムボールの主成分のケイ素はコンクリートや断熱材に含まれる。
 
溶けた核燃料がコンクリートなどを蒸発させ、
それが大気中で急冷しガラス状に固まる際に
セシウムなどを取り込んだというシナリオが想定されている。

東京理科大チームは、
直径約1マイクロメートルのセシウムボール1個に含まれる
放射性セシウムの量は1ベクレル以下と報告する。
 
飛散地域の空間放射線量 を上げるほどではなく
外部被曝を心配する必要は小さい。
 
ただ帰宅困難地域の住宅内のホコリの中に
セシウムボールがあったと東大が報告している。
 
掃除や除染のために立ち入る際には
吸い込まないようマスク着用などの注意が必須だ。
 
事故の進展過程を知り、
健康影響の全体像を把握するためには
セシウムボールについてさらに詳しい研究が必要だ。
 

■関連記事
http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/applchem/info/20160524.html

中井研究室のページ
研究室のページ:http://www.rs.kagu.tus.ac.jp/nakaiken/
大学公式ページ:http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?1f32
阿部講師のページ:http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?6673

 
 

 ~参考

 

〔第11回 「飲食セーフティネットワーク」第2部

川根眞也 氏

(内部被ばくを考える市民研究会/埼玉中学理科教諭)

「ホットパーティクル」〕

(2015年1月20日)

 

 

 

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参考

 

(福島民報 2016年7月9日)
 
東京電力福島第一原発事故後に
福島県内の森林に沈着した
放射性セシウムについて、
日本原子力研究開発機構(JAEA)は
河川水系や森林地下深部に
移る傾向が極めて少なく、
表層部に長期間とどまる可能性が高い
とする研究結果をまとめた。
*
このため、生態系への影響を長期的に調査し、
生活圏に土壌が流出しないよう対策を取るべきとした。
*
調査の結果、
森林から河川水系への放射性セシウム流入量は
年間で総沈着量の0.1%程度にとどまっていた。
一方、
森林に沈着した放射性セシウムは
約90%が地表から10センチ以内にあったという。
*
JAEAの飯島和毅・福島環境安全センター環境動態研究
グループリーダーが
8日、福島市の
とうほう・みんなの文化センター(県文化センター)で
開かれた国際シンポジウムで示した。
*
シンポジウムは環境放射能除染協会の主催で、
国内外の研究者や環境省の担当者らが
放射性廃棄物の処理技術や中間貯蔵施設の現状などを報告した。
*
米国ワシントン州立大非常勤教授で
国際原子力機関(IAEA)アドバイザーの大西康夫氏は
災害や気象変動などを踏まえた上で
放射性セシウムの環境中の動きを予測する
「モデリング」の考え方を紹介した。
 
~参考~
 
〔東京都に降下&残留した放射性セシウムの89%はガラス粒子〕
(中日新聞 2016年6月27日)      
東京電力福島第1原発事故の発生から
4日後に東京に降下した放射性セシウム
の89%は、
ガラス状の微粒子に溶け込んだ状態だった

との研究結果を、
九州大の宇都宮聡准教授らが27日までにまとめた。
セシウムは
雨などで洗い流されると考えられていたが、
直接的に除去する方法でなければ
環境に存在し続ける可能性がある
という。
チームは
「健康への影響について考え直す必要がある」
としている。

チームは、事故発生後の2011年3月15日、
原発から約230キロ離れた
東京都内で採取された放射性降下物を分析した。
 

【放出された放射性物質、1年で地表30cm程度まで浸透の可能性】

チェルノブイリ:

(事故から約7年後に)地表下20cm地点に堆積

福島:

(事故から約1年後に)地表下30cm地点に堆積

 
 

 

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 【酷く放射能まみれの東京の空気(ウラニウム約3,000ベクレル/kg等)の恐怖】

 

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〔福島第一原発、各原子炉等で起きた主な事象〕
◎1号機(2011年3月12日午後3時36分『水素爆発』)
2号機(2011年3月15日午前6時20分『爆発(水素爆発?)』)

←大気汚染の8割を占める
◎3号機(2011年3月14日午前11時1分『爆発(水素爆発?)』)★
◎4号機(2011年3月15日午前6時10分『水素爆発?&大火災』)

 

東日本汚染地帯から避難せよとECCRの勧告

~英ウェールズとラトビアのリガで放射性物質の観測開始

 

2011年3月15日深夜には,

(日本時間14日午前11時1分)に3号炉の爆発が起きたことから,

放射線量の観測が重要になるとして、

LLRCは英ウェールズのアバリストウィスと

北ヨーロッパはバルト海に面するラトビアのリガにあるモニタリング・ステーション、

そしてボランティアから送られる放射線量の記録を集めはじめたとするメールがあった。

また,LLRCのホームページでは,MOX燃料を装荷した3号炉の猛烈な爆発は,

格納容器は無事だと言う当局の言い分は疑わしく,

核燃料の一部が大気中に放出されたという懸念を示していた。

2011年3月15日未明に
福島第一原発から
100km離れた茨城県の東海村で5μSv/h
250km離れた東京の本郷で0.5μSv/h
平常より約100倍~10倍高い放射線が観測され,
福島第一原発から放射能が漏れ広がっているとする報道が伝え始められていた。
当時、世田谷区の自宅のベランダにおいた放射線測定器が、
16日には,1日分の積算線量で通常よりほぼ1μSv多くなっていることがわかった。
テレビ報道で各地の放射線量の測定値が報道されるようになり,
16日の新宿区で0.16μSv/hを観測した。
(その後の報道によると関東地方北部に最初の放射性プルーム(原子雲)が
広がってきたのは、3月14日深夜~15日にかけてのことだった。
〔→「フクイチ⇔東京への飛来時間は約12時間」。〕
また,世田谷区では15日の終日にわたって高い空間線量を観測したという報告もある)。
 
PS
 
〔2011年3月12日~20日フォールアウト~拡散状況〕

首都圏のフォールアウト(降下)状況。
下にスクロールしていけば連続的に確認可。

 
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人生最後の舞台

最期の生き様~死に際シュミレーションの重要性

   特に、混沌とした文明崩壊期において

   「如何に生き、そして、如何に死ぬか」

 

【今後、20年間の間に約2150万人が被曝関連死するというのに・・】

従前の高齢化に伴う

老人性疾患の急増のみならず、

特に今後(特に2016年~)、

日本国内でも、東日本を中心に、

被曝関連死の爆増が懸念されるだけに、

世代問わず、

常に「死と隣り合わせ」という認識は

各自、頭の片隅に留めるべき。

 

【ウクライナ犠牲(だけでも)150万人か~チェルノブイリ原発事故】

(2005/04/24 【共同通信】)
「【モスクワ24日共同】(2005年4月)23日のタス通信によると、
1986年に旧ソ連ウクライナ共和国で起きたチェルノブイリ原発事故の被害者で
つくるウクライナの「チェルノブイリ身体障害者同盟」は、
事故に関連する同国内の死者が150万人以上に上った
との調査結果をまとめた。事故発生から19周年となる
2005年4月26日を前に公表した。
調査によると、事故で被ばくした人はウクライナ国内で約350万人で、
うち120万人が子供だという。
ロシア政府によると、同事故による隣国ロシアでの被ばく者は
145万人に上っている。」

~旧ソ連ウクライナ共和国だけの2005年度データ(⇒ベラルーシ、ロシア除く)~


被曝者:約350万人

(⇒うち120万人が子供)

被曝関連死:150万人以上

(被曝者の約43%)
 

 

【約6500万人~第二次大戦以後、放射線被曝により命を奪われた人の数】

 

原爆が投下された広島・長崎においても、

劣化ウラン弾が多用されたイラクにおいても、

それら核兵器の開発・実験現場においても、

あるいは深刻な事故が多発し、微量放射性物質が

漏洩し続ける世界中の原発においても、

核の使い手たちは“叡智”を結集して放射線被曝の

実相を隠し続けてきた。そしていま、福島においても・・・
 

2003年、

ヨーロッパの科学者グループ

ECRR(欧州放射線防護委員会)は、

第二次大戦以後、

放射線被曝(爆)により命を奪われた人の数を、

6500万人と見積もった。

 

この数字こそが、放射線被曝の被害の実態に

もっとも近いものと思われる

 


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A・アイヒマン
 
福島第一原発事故に起因して

2011年~2016年までに、

既に、最低でも、

年間約15万人×6年=約90万人、

2017年現在までに

東日本を中心として日本全国で

「被曝関連死」が

既に約100万人を突破か!~

 

◎福島第一原発事故に起因して

2011年~2016年までに、

既に、

最低でも、

年間約15万人×6年=約90万人

の方が、

被曝疾患で亡くなっており、

最低でも、

日本人の約10%(約1200万人)に、

被曝疾患が

様々な形で顕在化してきている◎

 

矢ヶ崎克馬・琉球大学名誉教授

(専攻は物性物理学で、
内部被曝の危険性についても
研究発表。)
 

 

 

 

 

⇒今後、(戦前同様)自虐的な

不作為の「殺人行政国家」の下、

終局的には、日本民族滅亡に至るまで、

被曝疾患が

永久的に爆増を続けることは、

特にチェルノブイリの経験則から、

言うまでもない。

 

PS

 

【 2019年の日本(特に、東日本)、健康人の割合が20%に? 】

以下は、

日本(特に東日本の300km圏内)の未来予想図。
〔「健康とみなされる人」=「被曝疾患・非顕在化」の割合,%〕


2012 「80%」
2013 「75%」
2014 「65%」
2015 「60%」
2016 「45%」
2017 「35%」
2018 「25%」
2019 「20%」

 
 
~「健康被害」状況~

 

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~参考~
 
 


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