バラナシはシルクの産地らしく、
腐る程シルクショップやら服屋さんがあります。
あの街に存在する客引きの半分以上はシルクショップの関係者なのではないかと思う程、
口を開けばシルクショップ、
毎日毎日シルクショップ、
俺の兄貴のシルクショップ、
俺の家族のシルクショップ、
高確率でほぼ毎日このワードを聞く事が出来ます。
そんなバラナシのシルクショップの中でも特に有名なのが、
大沢たかおボーイであるムケ氏が牛耳るシルクショップとそこの客引き達、
あの日本語ペラペラ大沢たかお軍団なのではないでしょうか。
彼等が有名である事を知ったのは、日本に帰ってからでした。
「バラナシ」で検索をかけるだけで、
出るわ出るわ。
「○○と名乗る子に流暢な日本語で声を掛けられ、話しているうちに『実は俺の兄さんがシルクショップをやってるんだけど』と言って来たのでついて行きました」
「兄さんは昔大沢たかお主演映画『深夜特急』に出た事があるんだ、とその客引き少年は話します」
「シルクショップには、同じように連れて来られた日本人が沢山いて、たまり場のようになっていました」
「行くとすぐに大沢たかおの写真を見せられ、『ほらな、本当だろ』と客引きの少年は言いました」
「好きな時にここに来てくつろいだらいいよ、と言われました」
「ムケはいい奴でした」
どの方のブログの記述も上記のような内容で、ほぼ一緒なのです。
果ては、その客引きの少年とお付き合いをしているという日本人女性のブログもいくつか見かけました。
彼等大沢たかお軍団は、
完全に日本人だけをターゲットにしているのです。
日本人に気を許してもらう為に日本語を学び、
日本の有名人の名前を自分のニックネームだと名乗り、
大沢たかおや「ガンジス川でバタフライ」主演である長澤まさみの名を連呼し、
好みの女性には「好きになっちゃった」と言って色恋作戦に出るのです。
かくいう私も、
他の方々の記述と全く同じ方法でお店に行き、全く同じ展開が待っていました。
私に声をかけてきた客引きの少年は、
「俺はタカトシのトシに似てるからトシって呼んでくれ」
と言い、
「ほら、ここにもトシって書いてあるだろ?」
と言って、自分の左腕を見せてきました。
なんとそこには
「トシ」とカタカナで刺青が掘ってあったのです。
私「・・・・・」
トシよ…
お前やっちまったな…
なんという商売魂だろうか…
なんだか涙がちょちょぎれそうになりました。
そして全然トシに似てない事は、何となく言えませんでした。
「大沢たかおボーイであるムケはいい人だった」
という記述は非常に多いです。
ただ私にとっては、
トシもムケもいい人ではありませんでした。
むしろ彼等に会ったせいで、
踏んだり蹴ったりな展開が待ち受けていたのです。
(続く)
