英語教育 玖美子ねーさんの話題 with 女医 on board from London | 女王様のブログ

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ある女性教師の日常のこと,悩みや課題を率直に書いた,ぶっちゃけ話。

今年度の初め,LONDONからの帰国便で,

12時間のフライトの中でお隣にご一緒した女医さんのことを,

ちびっと書いておこうと思う。

 

意思と反して,

もうすでに相当のパーセンテージを英語に費やしている今年にあって,

まだ8割方英国一色だったわたくしが,

1月に帰国便でお隣の座席になり,半日以上ご一緒したご婦人のお話をします。

 

ヒースロー空港で,

日本行きの搭乗を待つ間,

上流階級の紳士,淑女の方々や,

搭乗する前にも様々な人間模様があり,

ロンドン在住の方々かしらと思われる私の叔母に似たご婦人が,

私の目の前に座っておられたので,

「今から日本に里帰りなのかしら。」などと思いながら,自身の搭乗許可の案内が流れるまで待っていた。

 

優先案内があり,上流階級のファーストクラスの紳士・淑女の方々が搭乗している間(俳優の岸谷五朗さんとご一緒の便だった。岸谷さんはもちろんファーストクラス),

さきほどの叔母に似たご婦人とは気がついたら同じタイミングで搭乗することになった。

そう,ビジネスです。(いつかはファーストに乗りたい)

 

わたしのクラスの周囲は満員で,一席も空席がなかった。

ロンドン在住の方ばかりではなく,

ヨーロッパ諸国からの経由でロンドンから搭乗した方もいるので,

ユーロ圏になんらかの関係がある方々が一緒だったのは間違いない。

 

荷物を棚に上げて座ると,

お隣にその叔母に似た風貌のご婦人が,お隣に座ってこられた。

とても気さくにお話をして下さり,

結局,6時間程度ずっと話をしていた。

 

自己紹介をされたとき,東京大学の医局所属で某学会の理事も務めておられる女医さんであることが分かり,しかも70歳で,たったお一人でスペインに個人旅行しておられたことに驚いた。私も自身が教師であること以外は全部お話しした。(自身の素性をなんで話せないのか自分でも分からない。)

6時間の中での話には,

今までした旅行のこと(200回以上)。一番よい国はどこかということ。

私の叔母の話(日本語を国際語にしようとロンドンに語学学校を設立したこと)。

安倍政権のこと。経済のこと。医療のこと。ヨーロッパに比べ日本の建物の景観が酷いこと。

言語学のこと。っと。多岐にわたった。

すごく楽しく,有意義な時間となり,

私が今回ロンドンに行った中でも印象に残る出来事だった。

 

彼女(失礼だけど次からこのようにお呼びします)は,

頭が良いだけでなくて,様々な分野に話題豊富で,私も彼女のようにいつまでも物事にアンテナを張って,若々しく意欲的でありたいと思った。

同じ女性のロールモデルのお一人として私の中にずっと残ると思う。

 

彼女との話の中で,

英語教育に関しての話題となり,(もちろん私が英語教師だとは内緒)

日本の有名人のご子息達は皆海外の学校に行っていることを上げられていた。

現地の公立の学校に入れればお金はかからないし,日本でしているような身につくまで何時間もの不毛と思われるような英語の勉強をせねばならないことを子供に強いなくてよい分,子供にとっても負担がかからないと述べていた。英語に費やす時間に別のことが出来ると。

 

彼女には5人のお子さんがいて,長女の方は同じく医師で,以前ロンドンで日本人向けの医師をしていたご経験があるらしい。長女の方もご結婚してお子さんもいることから,子供のためにそのままロンドンに居たら良いと言ったらしいのだけれども,バブル崩壊後日本人駐留者の数も激減して,需要がなくなったため帰国せざるを得なくなったらしい。

 

私の叔母も,バブルの頃は日本語の需要が高かったため,このまま日本語を国際語にしてしまおう!っていう気概で153cmしかない小柄の体でたった一人頑張っていましたが,日本関連は儲かりまっせマジックが,時代の流れと共に下火になって,永住権を持っているにも関わらず叔母は今日本に帰ってきていることを伝えた。

永住権があるのにどうして日本なんかに戻ってくるのかというので,「やはり日本の方が住みよいからではないですか?」っとお応えしたら,

「日本はお年寄りに厳しいところよ。医師をしててもお年寄りがかわいそうになることがあるのよ。」と言っていた。

あまり詳しくは言えないのですが,開業医である彼女は地域医療も担っているため,地域のご高齢の患者さんからとても慕われていて,親身に相談に乗っているそうで,国のサポートが必要な方々が大勢いることを述べ,医療や福祉においては全く先進国とは言えない現状を嘆いておられた。

 

話は英語教育のことに戻り,

私の叔母に現地の公立小学校に日本の子供達を入れるプロジェクトをしたらどうかと勧めるので,叔母は彼女自身と同じくらいの齢であることを伝えたら,同じ年齢位の方でそんな人がいるなんて感動的だわ。できるなら叔母に会いたいとすこし妬けるくらい言われた。

 

彼女はとても博学なので,多分野にわたり相当な知識があり,

常にアンテナを張っているので,

小学校英語のことについても話題となった。

彼女自身は先ほども述べたように子供は小さい頃から英語をさせるべきではないかと思っていて,どっちかと言えば小学校英語は賛成だった。

でもその危うさについての書籍も多く読んでおられて,鳥飼玖美子先生のことが話題となってきたのだ。

彼女は鳥飼先生が小学校から英語を導入することには反対されていることをご存じで,

なぜそのように述べるのかも,私が知る限り正しく理解されていた。

英語だけでなくスペイン語,ドイツ語そしてフランス語も出来るという彼女(女医さん)は,

英語が受験科目に入っている限り,また大学での研究レベルで論文を書くには英語がどうしても外せないのであれば,英語はさせるべきだという考えだった。彼女自身が語学に才能があり,外国語を学ぶことが苦ではなかったのだろうし,外国語をしゃべることでのメリットがとてもあることを体感していた。

しかし,それは医師である彼女の考えあって,ほとんどが彼女のような人でなく職業でもない人々にとっては効力の無い体感なのだ。

 

私のような,最前線にほうりこまれている者としては,「全員一律には無理」としか言えないのが現状だと,言いたい口を押さえて話が終わるまで彼女の考えを聞いていた。

 

私はといえば,

玖美子ねーさんや大津先生の苦労を少し垣間見たお正月だった。

ねーさん達を後押しする後発隊の一部として君臨したい私なのだけれども,

英語屋のイケイケの口調に辟易している事と,

その人たちから,実際嫌な目に遭っているので戦闘力はいつでも100万程度あり,

先生が述べる危険性全てを実感している以外は

知名度なにもない。そしてイコール発言権ない。

 

そういうことをどうにかしたいと思う話。

だったと思う。