文部科学省が大学を職業訓練校化しようとしていることが発覚して,
ネット上で大炎上しているのが,アカデミックなことや教育に従事する人たちや学生も含めて,今週末の話題になった。
L型大学って何?(ツイッター上のまとめ)
http://matome.naver.jp/odai/2141414404057677501
この炎上のソース元はどれかというと,
文部科学省の
実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議(第1回)の配付資料の中に提出されたもので,
委員会の冨山和彦さんの提出したものだ。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/10/23/1352719_4.pdf
6ページあたりからは,、
職業訓練の高度化を専門学校、専修学校の看板の架け替えに矮小化すべきではない。(この文言は専門学校を馬鹿にしているように聞こえるのは私だけかしら?)
極一部のTop Tier校・学部以外はL型大学と位置づけ、職業訓練校化する議論も射程に!
ほとんどの大学に、
これからの雇用の圧倒的多数を占めるジョブ型雇用のおける職業訓練機能を果たさせることがこの資料の中で提案したものの中心。
冨山さんがいう,グローバル(G) の世界とローカル(L)の世界に、大学をこう分けるとこういうこと。
Lの世界:その他の大学・学部「新たな高等教育機関」に吸収されるべき 生産性向上に資するスキル保持者の排出(職業訓練)
Gの世界:極一部のTop Tier校学部に限定 グローバルで通用する極めて高度なプロフェッショナル人材の排出
そして,大学にいる先生方に関しては,このようなことを改善しろと申し出ている。大学以前の小中高のにもすでに大阪とか一部の地域では導入されているようなことを,最終の学府である大学にその論理を持ってきているわけ。
今まで大学にはその論理は当てはまらないとか,その制度は大学以下の教育機関のみのことと傍観していた人々が,自分の足下にこのようなものがきたことで,逆上しているとのこと。
簡単に言えば,
・ 教員の選定方法・民間企業の「実務経験者」から選抜。
・ 民間企業との協働プログラムを中心化。・ 社会に出てからの実践力を身に着けさせるため、現場力を基礎とした実践的な教育を行う。
・ 文系のアカデミックライン(Lの大学には、従来の文系学部はほとんど不要)の教授には、辞めてもらうか、職業訓練教員としての訓練、再教育を受けてもらう
・ 理系のアカデミックラインでGの世界で通用する見込みのなくなった教授も同様
つまり大学の先生方の食いぶちが侵されそうになってきているわけ。
多くの学生が占める中間層で,
アカデミックな内容を学びたい生徒は,日本の大学では無理だと言うことを自ら制度化しようとしているようにしか思えない。
成績の悪い馬鹿な生徒はそれなりのことしか出来ないのだから,
せいぜい英語の資格試験とか大型免許とか目に見える資格を取らせて,下働きとして最大に利用できるようなことをさせましょうとしている。
悲しいけど,ペーパーで計る能力,得体の知れない能力主義を全面に出している。なんらかの理由でそれに乗れなかった人は,Lとして培養され,本物の馬鹿はLの中で横暴に振る舞いかねない。
いつか変わる可能性があるという教育の過程を全て否定するものにしか思えないのよね。
一番の理由は,一部の官僚の天下り先として,大学での雇用を確保したいからなのではないかという考察をする人もいるくらい。
これが制度化した日には,
自分たちの頭で考えることをしてこなかったような人たちが,教育現場に従事していたら,そのまま現場にこの論理を当てはめようとするんだよね。
英語教育のあり方がコロコロと変わってきたのに合わせて,自身の信念もなくコロコロと言動を変えて,自身は出来ないししてもないことを,平気で弱い立場の人間には強いるのと同じように。
基本的な構造はどれも同じで,
権力者と弱者と,
弱者達の中の権力者におべっかを使う盲目な弱者の中の馬鹿者たち。
ヒエラルキーの頂点にいるか下位層にいるかのこと。
危険な思考思想は,案外善人の中にあることもある。皆で監視しないと,大変なことになる。