進学校の行事は3年生の受験勉強に差支えがないよう配慮する為,
2週連続で、
先週末は体育祭と,今週末は文化祭である。
生徒も大変ですが,教員も身体にムチを打ち,怒涛の日々であったことは,ご経験のある方ならお分かりになると思います。
怒涛が続いて,わたくしの義務が一通り終わったので,
ただ今放心状態。
しかし,
ボーっとしてもいられず,
新任校のクラスはやたら高いご褒美を強請るので,
「わたくしは、ハーゲンダッツなんぞは買わない。そんな高いものを公務員の安月給の身に強請るんじゃーない。そもそも、モノを強請るのはいやしい人間がすることだ。教師にものを強請るとはけしからん。」っと述べている。
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前任校の僕たちはそんなことは決して言わなかったよ。
コロッケとか,メロンパンとか,アイスならお徳用の箱入りか,やっすい棒状の何十本も入ったジュースを冷凍庫で固めたものを差し入れただけだ。
しかも,彼らのクラスマッチは優勝したらそのまま県選抜とか全国大会レベルのものなの。それが,どうして急にハーゲンダッツになるわけ?
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なるわけ?
ハーゲンダッツ?それは高級アイスクリーム。
どうしてわたしが君たちにそんな高いものをしなきゃならないんだよ、
誰がするんだよ。っと思っていたら,
過去どなたか別のお金持ちの同僚が差し入れたそうで,
現在もハーゲンダッツで馬に人参のようなことをなさっている模様。
しかし,
この学校の文化の中に,「ハーゲンダッツ」のおねだりがあるのを知り,わたしはとても嫌悪感で一杯。
なもんで,ここに在職している限りは絶対に買わない。
誰が何と言おうと買わない。
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ハーゲンダッツは今年の4月25日に日本の最後の店舗が閉店
したようだ。
君たちはハーゲンダッツの会社がどういう会社が知ってて述べているんだろうねー。そうなんだろーねー。
ハーゲダッツはアメリカの会社だ。
創業者はポーランドからアメリカへ移住してきたユダヤ人であるルーベン・マッタスという人だ。時は1920年。
1940年にはナチスドイツによる,大量殺戮ホロコーストが行われていた。君たちも「アンネの日記」で知っているでしょう?
ユダヤ人に対する迫害は1900年代に公の政策として行われていたのね。そのような中,迫害から逃げるようにアメリカに渡ったのかもしれないレーベンさんご夫婦が,ニューヨークのブロンクスでお店を出し評判になって全世界に広まったわけよ。
世界には3か所しかハーゲンダッツの工場がない。
その一つが群馬県にあるわけ。だから,日本のハーゲンダッツは群馬で製造されているものなのよ。
2011年の原発事故で,群馬にもセシウムやストロンチウムなども放射能汚染が確認されて,当初は群馬の牛の牛乳にも含まれていることが確認された。
原発事故以降,わたしは幸い少し離れた場所に住んでいる関係で,関東から東北にかけての食材は極力口にしていない。特に,我が子には最新の注意を払って食材を選んでいる。それは今も同じ。
セシウムは,体の中に一度入れば,30年間残って体内で被爆し続ける。若い人たちであればあるほど,将来影響が出てくるに違いない。
他に安全が確認されるようなものであれば,そちらを口にした方が絶対賢明である。
せっかくこちらにみんな住んでいるのだから,地元のアイス工場のものを食べるべき,っとわたしは考えている。実際,私の息子に食べさせているアイスは地元のものだ。
ハーゲンダッツの店舗が無くなったのも,原発の影響で日本製のアイスを買わなくなったからよ。輸出しているとしたら,アジアの地域とかが。危険を知らないのは私たちだけ。
まず一つ目に安全性の問題。
そして,二つ目に,お金では買えない心の問題。
お金のかかることを,まず生徒たち自身から教師に要求することは,とても奇妙でおかしい行為だよ。
君たちが頑張っているから,じゃぁ差し入れでもするかと,教師の側が君たちの頑張りに心動かされてするものだと思う。
君たちは差し入れをされて当たり前ではない。学校現場はサービス業ではない。そういうことで君達の調子を取る気は私には全くないし,「○○先生は差し入れしてくれたのに先生はしない。だから,僕たち(私たち)は先生が嫌い。」などと述べるのであれば,どうぞ嫌ってくださいっと私は思っている。
何か見返りがなければできないのであれば,君たちは本当には学べないし,学んでいない。
だから,私はそういうスタンスで進んできたし,これからもそうする。
・・・・・・・っと,厳しく前置きをしておいて,やっと本題に入る。
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まず,
体育祭のムカデ競争で一番になったことについて,
最初はみんなバラバラだった。
忙しい合間を縫って練習し,仲間の歩調に合わせて,出来るだけ速く転倒せずに走るにはどうしたらいいか,何度も練習した。
前日までの練習では,最下位。
体育祭の本番では,最初のチームは一番早かったのだけれども転倒してしまって最下位になり,2組目以降のチームが他のチームを1組ずつ追い抜かして行った。
最後のチームは,優勝間違いないと思われた一位のチームを最後の最後で追い抜き,優勝。
あの時誰も君たちが優勝できるなんて思っていなかったけれども,君たちは優勝できた。ハプニングで,ビリからのスタートだったにもかかわらずよくやった。
全体として優勝できたのも,本当に嬉しかった。
優勝旗を持ってみんなで撮影した写真を見て,今も思い出している。
それから,先日の文化祭。
準備に入った8月からのこの一か月間。いろんなことがありました。シナリオは割と早く上がった割に,皆が一同に集まれる日があまりなくて,なかなか練習ができなかった。本格的に練習できたのは,実際体育祭が終わってからの一週間だった。
前日のリハーサルはグダグダで,細かい裏方の仕事などまだまだな部分があって,ハッキリ言って絶望的だった。リハーサル後,クラスの一部の君たちは,残ってそれぞれのシーンを詰めていったようで,最後まであきらめない君にうたれて,わたしもそのあと少し君たちと一緒に練習したのは覚えていますか?
当日は,賞こそもらえなかったけれども,生き生きとした演技と,観客のみんなが喜んでくれていたことに嬉しさがこみ上げてきたとともに,改めて君たちの能力の高さを実感しました。
ということで,
感動をくれた君たちに対して,わたしは心を込めた何かをしたいと考えた。
そこで,
本日朝8時から仕込みをはじめ,午後1時半までかけて,
君たちにするあるものを作りました。
ハーゲダッツがいいと言い張る君。
ここで,値段を検証しよう。
ハーゲンダッツは一つ283円(中途半端です)
メルティーキャラメルは295Kcal (高カロリー)
これを私がコンビニで買いに行き帰っててきたとしても,往復15分程度。
先ほど述べたとおり,本日の君たちに対するこれの労働時間は5時間半。
材料を買いに行く時間を入れたらプラス50分。そしてこれを君たちまで運ぶことを考えたら,プラス40分。計約7時間の時間がかかったことになる。
わたしは,みんなもご存じのとおり神奈川県の人間。
神奈川の人の最低賃金は,一時間849円。つまり,賃金は5,493円になる。
こちらの最低賃金は約660円程度(明確に言えばばれるのでだいだいで)なので,場所で考えれば,4,620円。最低でもこの賃金だとする。
それに,材料費○○○○円等を考えれば,ゆうにハーゲンダッツを超える。
金額だけでもこの通り。
今回の,これは,金額では測れない相当な気持ちが入っているうえに,今回の一人一人の活躍を思い出しながら袋詰めしたゆえ,相当なプレミアムが付いている。しかも,こんなことをしたのは,教職始まって以来はじめて。
だから,プレミアムも2乗にかかっているわけ。
ハーゲンダッツは人数分買えば一万円超え。
わたしのこれは,金額では測れない。
では,明日!