郁文館夢学園で,英語教育講演会があった。
今回の最大の目的はこの会に出席することだった。
会場が東京大学の本郷キャンパスの近くである関係で,
早めに到着したので,東大の中を見学してみた。
野球場で試合が行われていたので観に行こうとしたら,
野球場への道が分からず,そうこうしているうちに時間が無くなり,今度は出口が分からなくなり結構迷った。
本郷キャンパスは広くて迷路のようだ。
賢そうなイケメンとイケてる彼女が横を通り過ぎいていく。
私の今勤務する高校(進学校)の生徒も,こちらにお世話になるかもしれないので(ssが70を超える生徒もいる),
シンガポール大学の図書館は24時間空いていたので,
東大は閉門時間があるのだなぁーとちょっと意外だった。
こんなことを言っている私も,もちろん大学時代にそんな遅くまでキャンパスにいたことがなかったのですけど。
閉門時間が午前を回るのも管理が結構大変かもね。
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郁文館夢学園中学高校は,伝統ある男子校で,
今話題のワタミの社長の渡邉美樹さんが理事長を務める。
とても綺麗に清掃され清潔な校舎と,洒落た感じの建物で,とても雰囲気の良い学校だった。生徒さんたちも機敏で礼儀正しく好印象だった。
だから故に,もっと良い評判で渡邉理事はこの学園をアピールすべきだと思う。歴史もある学園だから故に,大変もったいない。
会場の向かいの建物には,「郁文館夢学園は一人ひとりの子どもたちの幸せのためだけにある」と大きく書かれた文字とともに,渡邉理事の肖像画がある。
しかし,ワタミがブラック企業だと世間では言われ,様々な物議をかもしだしている渡邉社長だからゆえに,世間では以下のような記事も書かれているのだ。
週刊文春には,http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2827
渡辺美樹理事長の学校法人生徒に反省文100枚書かせるなどして退学者続出
「一人一人の子供たちの幸せのためだけにある」という言葉は,学生や保護者にとっては安心感を与える理念に思われる。
しかし,渡邉理事が,「私たちの学校経営は先生が生徒のために死ねる経営です。その経営についてこられない人はどうぞやめてください」と全教職員に話し、教員に携帯電話番号を生徒に教えさせ、「365日24時間電話していい」と伝えるよう求め,この2年の間に30人もの教員が辞めている現状からすると,ワタミとあまり変わらない企業戦略,理念の下,ビジネスマインドで教育を推し進める危険な感じは拭い去れない。
私たちには労働する義務があるとともに権利も有することを,子供達にはしっかり教えていかねばならないと思う。
そうでなくては,命を落としてまでも企業に忠誠を誓うような人物を作り,
本人も家族も決して喜ばない状況,つまり,幸せとは程遠い人生を送る可能性だってある。
「一人一人の幸せのため」と述べておきながら,最終的には不幸にしかならないようなことを教えてはならないと私は思う。
命を落としてまでもお国のために尽くした軍国主義の再来を招く気配がする。
自然と教師側から生まれる生徒への思いは,制度で縛るものでは決してない。
そのような学校だからこそ,
今いる教員の先生がたや,生徒たちのことを私は考える。
頑張りすぎるくらい頑張っているのではないだろうかと思ってしまう。
会場があの話題の郁文館だとお聞きして,
いろいろと考えさせられながら,ちょっと違った眼で会場を訪れた私の説明はこれでおしまい。

