内田先生の「学ぶ力」 | 女王様のブログ

女王様のブログ

ある女性教師の日常のこと,悩みや課題を率直に書いた,ぶっちゃけ話。

内田先生が中学生の国語の教科書に載せるための文章をブログで紹介して下さっている。一昨年,先生がこちらに講演しに来られた際に,直にお話を聞く機会があり,その時におっしゃられていたことをさらに分かりやすく述べられている。


今の若者の学力が低くなったと,メディアも世間も述べているけれども,実際,学力低下の本質って何かということを文字化できる人はいなかった。

学力低下とは,決して数字の高低云々でない。学ぼうとする力が無くなってきていることだと先生は述べる。私もこの点は先生と共感する。


内田先生の書籍,講演・・・多分日常会話も,どこを切っても同じ持論が出てくるだろう。書籍も講演も今までずっと実際そうだったのだ。

どこから見ても同じように映るのは,先生の核の部分がブレていないからなのだと思う。どこを切っても金太郎飴のように持論を変えないことは,やはり凄い。そしてそこに一般読者の安心感と信頼感があるのだと思う。

自分の外に金太郎飴を強いる人間でなく,自分の中に金太郎飴を構築していくこと。これが,信頼を得る言動を構築されるためのキーだと私は内田先生を見ていて思う。


先生の言われることは,本当に一つの方向性がある。どの分野のことも全て同じ。


http://blog.tatsuru.com/2011/09/02_1151.php


(以下抜粋)


「学ぶ(ことができる)力」に必要なのは、この三つです。繰り返します。
 

第一に、「自分は学ばなければならない」という己の無知についての痛切な自覚があること。


 第二に、「あ、この人が私の師だ」と直感できること。


 第三に、その「師」を教える気にさせるひろびろとした開放性。


 この三つの条件をひとことで言い表すと、「わたしは学びたいのです。先生、どうか教えてください」というセンテンスになります


数値で表せる成績や点数などの問題ではなく、たったこれだけの言葉。これがわたしの考える「学力」です。このセンテンスを素直に、はっきりと口に出せる人は、もうその段階で「学力のある人」です。
 逆に、どれほど知識があろうと、技術があろうと、このひとことを口にできない人は「学力がない人」です。それは英語ができないとか、数式を知らないとか、そういうことではありません。「学びたいのです。先生、教えてください。」という簡単な言葉を口にしようとしない。その言葉を口にすると、とても「損をした」ような気分になるので、できることなら、一生そんな台詞は言わずに済ませたい。だれかにものを頼むなんて「借り」ができるみたいで嫌だ。そういうふうに思う自分を「プライドが高い」とか「気骨がある」と思っている。それが「学力低下」という事態の本質だろうとわたしは思っています。

(内田 樹 研究室より)


(私のコメント)

 私は,若者たちに「学ぼうとする力」がないのは,内田先生が述べているプライドだけではなく,元々何も知らないことに悩んでいない,もしくは悩めないことにも起因しているのかもしれないとも思っている。学ぶ力は悩む力でもあり,自らが足りない部分を補いたい欲求なのではないだろうか。何気ない人の話に耳を傾ける。その人の言っていることは,どうなのか,正しいのか正しくないのか,共感できるのか,出来ないのかと感じて考える力でもある。その際,何を基準にするのか。それは,「善悪」の判断の基準でもあると思う。

 若者だけでなく,大人の世代,そのまた上の世代ですら,内田先生が言われるように学ぶことに貪欲であったかどうかは非常に怪しい。大人がしていないことを子供に強いるのはどうかと思うのと,大人自身も子供に自信を持ってアドバイスする力が失われてことにも原因があるのかもしれない。

しかし,自分の周りの限られた環境の下での人ばかりがそのヒントをくれると言うわけではないから,よく見極めて,誰が自分にとって最良の道しるべを示してくれるのかを知ることは大事だし,それが書籍の中で出会う人でもいい。

 

 社会に出ていくための知恵を手に入れるには,身近な生活に沢山のヒントがあるのだけれども,それを見落としてしまう傾向があるのも学ぶ力が弱くなったことでもあるのかもしれない。

  

 私なんかも,この歳になって本当に恥ずかしいことなんだけど,正直「迷う」よ。分らないことで,手探りで物事を進めないといけない状況があったりする。でもその時は最善の方法だと信じるものを選択してきた。だから,悔いはないわけ。そして,幸せよ。


何が最善なのかを知るためのきっかけを得るか得ないかは,人生を大きく変えてしまう。誰に出会うかとかも。


私が考えるのは,君たちの生涯にわたる幸せ。それだけ。


━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─

(余談)

体育祭まで一週間を切って,夏休み中も皆が忙しく,準備が全然出来ていない状況なのだけど,全員で協力して,最高のものを作り上げよう!私もこれから学校に向かうよ。街ブラ(街でぶらぶら)するなら来て手伝ってちゃぶだい(ギャグが古いです)。


組対抗のために,私も今日から走っていくつもり。当日心臓まひを起こしたらシャレにならないので。


パネルの絵も,最初の案は「女王様」をイメージしてのあれだったのだろうけど,可愛く変更してくれたことどうもありがとう。

最初見た時はドキッとしたわよ。私はスタジオジブリ関係のキャラクターで可愛くしてもらいたいと,出来ればアリエッテイーとか妖精みたいなのにと申し出たら,原案ものを可愛く描いてくれて重ねてどうもありがとうね。(*注 ジブリのはパクってません。)

おっと,いけないもう行かないと,それでは学校でね!


後一つ大事なことを言い忘れた。


受験前の大事な身体だがら,怪我だけはしないように気をつけなさいね。入社試験で,松葉杖なんかを持っていったらシャレにならないのと,今までの夏休みの苦労が水の泡だよ。(特に私のね) 絶対に怪我をしないように,約束して欲しい。