昨年の11月に逮捕されたのは東大の法学部の生徒であったらしいのだ。私が彼の文章から彼が伝えたかった事を読み取ってみる。
まずは,その内容から,
文部科学省の局長らを1週間以内に殺害すると書いて逮捕された25才の元東大生
http://s03.megalodon.jp/2008-1120-0956-16/d.hatena.ne.jp/realiste0/20081120
(以下は彼が書いた内容のコピーだ)
注:私が書いたのではないので要注意
(黒字は彼が書き込んだコピーで,赤字は女王様の独断と偏見の意見。携帯用にそれぞれ「25歳」と「女王」と書きます。)
「25歳」
先日から2chねるに文部科学省官僚の殺害予告を書き込み、毎日新聞に記事にされたのはこの私です。2chねるでは、発狂した基地外扱いされていますが、私は極めて正常なのであります。なぜ私がこのように堂々と犯罪予告をするかというと、この国の法律や情報がはったりのまやかしであり、何も実がないことを熟知しているからです。
(女王様が思ったこと*以下「女王」と書きます。)
この書き出しはテロを起こす人間と同じ心理状況。極めて冷静で,殺人予告することを正義だと疑わない姿勢は危険。
殺人予告は絶対に駄目なことであり,法に触れること。
しかし,
彼の主張したかったことに耳を傾けてみたい。
なぜなら,きっと彼が怒りを覚えた対象はいったい何なのか,何が彼の理想なのかを知ることは,あらゆる分野で非常に参考になるであろうからだ。
彼のいう正義とは何だったのかを理解したい。
「25歳」
また、殺害予告の動機は、真に知的なことがらであり、要は、子どもにどうでもいいことや嘘ばかり教えたり、子どもを欺くことで子どもを操作し、最終的にはシステムに食わせようとしている狡猾な政府役人に対して、天誅を食らわせるということであり、通俗的な政治的経済的意図を持つものではありません。このような非論理的な支配体制は、結局、子どもを欺いて大人の都合の良いように操作するためのものであり、理想を真面目に信じた子どもに対する裏切りであり、醜悪極まりないものであります。実質的には、体制側には何も正当性がなく、屁理屈や強弁をするしか能がないのです。連中の考えていることは、子どもとは政治をする必要がない、の一点だけです。クズ中のクズであり、これを殺害しないでおくべきではありません。
「女王」
私は,この人は真剣に世の中のシステムを考え,ある意味真実を見抜いていると思う。このように言ったからといって,決して彼の殺人予告を容認しているのではない。それ以外での彼の言葉は,システムの中で教育されて手なずけられていた自分自身に気づき,自身がそれまで信じていたものが崩れ去った状況なのでしょうね。
それでもあまりイメージができない方は,ある宗教団体の熱心な信者が,その教義の意味をよくわからずに信仰していて,実際の教義や実態を知って,実は自身が思っていたようなものでないということが分かった状況か,もしくは戦後に人々が,それまでの価値観が180度変わった状況の中で,何を信じていけばよいか分からなくなってしまった人の気持ちと同じなのではないかしらと想像したらよい。教祖が信じるに値しない人物であったとかが分かった状況。信じていた彼氏や彼女に裏切られるとか,そういった絶対的に思えていたものが実は信じるに値しないものだということが判明した状況。
彼は,きっと正義感も強く優秀な人であったに違いない。誰か,彼にアドバイスをできるような人がいたら,きっともっと違う方法で,正義を貫くことができたのにと感じ,残念でならない。
チョムスキーが「教育論」の中で,教育というものはどのようなものかを書いているが,彼の言ったようなことを書いている。
彼が述べていることは,今まで子供たちに知らされない大事な部分だとも言える。
優秀な人間だからこそ,そのように感じたし,自分と同じような気持ちを子供たちに味合わせたくなかったのだろう。
「25歳」
私も受験においてきちんとまじめに教材を勉強し、大変素晴らしい知識体系を頭に入れてきたのだが、大学入学後、いわば部屋が変わると、現実はまったく教科書どおりにはなっておらず、別の糞みたいな醜悪な論理で動いていた。特にネットの2ちゃんねるなどは悪質なもので、学校で習うあらゆるものを破壊するような性質のものである。いったいこの国はなんだろうか。教育で一応素晴らしい知識を教えておきながら、社会にはその論理がなく、学校のリアリティを一気に叩き壊すのであれば、別の論理があるということであり、何も正義はないではないか。実態をいうならば、要するに学校にいる間は、学者が書いた教科書で虚構を見せておき、子どもが社会に理想を持つように仕向け、大学でも同様にしておいて学生が実態を知って暴動を起こさないように呪縛しておき、社会に出してから現実を知らせていくというペテンの論理なのである。これほど子どもや若者の人権を侵害する醜悪な詐術もなかろう。日本の大人は総出でこのような悪質な詐欺行為を行っているのである。彼らは、その虚構をまじめに信じた者にどう言い訳するつもりだろうか。ロマンチックな嘘をみせておいて、大人が安心して働けるような社会さえ実現しえれば、それでいいのだろうか。id:kouteikaなどは、「一体どんな社会だと思ったんですか(笑)」などと嘲笑する醜悪で老獪な人間であるし、ネットを見ても、最近ではほとんど腐り果てたような日本人しか見当たらない。また、最近では公務員さえも腐敗していると聞く。まったくこの国は、やっていることに何も責任を取るつもりがない。どこまで腐り果てているのだろうか。
「女王」
私はこの部分を読んで,非常に胸が苦しく感じた。
全部ではないが,中には共感する部分もあるからである。
世の中には同じようなことを言っていたり考えていたりする人は多くいて,そういう人たちは殺人予告をしなかったから,日本では牢屋に入れられないだけであったほしい。
言論の自由というものは絶対に保障してほしい。子供だと侮ってはいけない。
アメリカでは,このような著書も出版されている。
日本が本当に民主主義なら,
今まで,ベールにかかっていた部分もすべて曝け出して,皆で考え論じていくべきだ。
民衆が賢くなるということはそういうことでないかしら?
「25歳」
文部科学省職員なんて殺害予告されても逃げる手段はいくらでも持ってるんだから予告による実害はないんだよ。奴らが予告されて心配なのは悪の所在が国民にばれることだ。警察に依頼するのは、それを弾圧するためでしかない。つまり別目的で業務妨害罪を利用する悪人。
「女王」
実際に権力に言論の自由を奪われた経験のある私は,彼の見た真実を鵜呑みにできないし,
殺人予告をしてしまった事実は追求されても,彼の言葉自体は耳を傾ける価値があると思っている。
言い逃れてトンヅラする術を持っている権力者は多くいるからだ。
それは,個人の幸せのためでなく,全体の幸福を追求するがためのこと。
民主主義を皆で守らねば。
そう思った記事でした。