辛くなる事 | 憂さ憂さうさぎ

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

 初めに、『専業主婦』に嫌悪感を感じている方は退出をお願いします。

 

 ネット上では専業主婦というだけでやたら叩かれる時代になってしまった。

例えば、年金・子育て・ワーキングママ・介護・主婦等のワードが躍る記事に対するコメント欄。

専業主婦に対する否定と肯定がぶつかり合い、ともすると罵り合ってすらいる。

否定派は『専業主婦など社会のゴミ、存在する価値もない』と言わんばかりである。

そして現在、私はその専業主婦である。

 

はたして専業主婦は悪者なのか?

 

 以前私は、世の男性達と同じような働き方をしていた。

朝8:30には家を出て会社に行き、夜12時過ぎまで残業。

時には朝方家に帰ってシャワーして、すぐに出張に出る。

という事もあった。

土日も、最低でも土曜日は休日出勤である。

もちろん家の中はちらかり放題で、コンビニ弁当やカップラーメンそしてペットボトルがテーブルの上を占拠し床にはみ出していく。

よくドラマやアニメで、仕事に忙殺された独身者のとっ散らかりまくった部屋が映し出されるが、・・・まさにアレだ。

アニメならば荒み切った生活の果てに異世界行きになる。

しかし、そんな家にもし家の中のアレコレをやってくれる誰かがいたならば、異世界に行かなくても済むのではないか。

 結婚していても、二人とも過酷な労働状況であったならば、二人仲良く異世界行きになってしまう可能性もある。

 

 家の中を整え、多少なりとも栄養に配慮された温かい食事を用意してくれる誰かがいたならば、異世界に行かなくても済むケースが増えるのではないか。

「家政婦雇えばすむ」という声が聞こえてきそうだが、それをお金に関係なくやっているのが専業主婦なのだ。

ここでまた「仕事をしながら家の事も頑張っている女性もいる」という声が聞こえてきそうだが、仕事をしながら家事もしっかりやるとなると、健康面と体力面に恵まれていないかぎり異世界行きが迫ってくるかもしれない。

 

 ここに子育てを加えてみよう。

共働き世帯の場合、近くにどちらかの親でもいれば子供をお願いするという選択肢もあるが、近くに頼れる身内がいなければ大抵はお金を払って保育園を利用するだろう。

 一方、専業主婦がいる家庭は、何かしらの事情がなければ主婦が子供の事を全てやるだろう。

もちろんそこにお金は発生しない。

保育園がやっている事を、『自分の子供だから』とか『愛おしいから』という“気持ち”だけで報酬が無くてもやるのだ。

 

 この先には、介護や人それぞれのいろいろな何かが加わっていくだろう。

そのとき私たちはどんな選択が出来るだろう。

施設に空きが無かったり金銭的に無理だという事も十分あり得る。

家庭で解決の道を模索するしかなくなった場合、家のあれこれをやってくれる存在は貴重になってくるかもしれない。

もちろん、専業主婦も人間だから限界があり、全て負担出来るわけではない。

 

 専業主婦を否定し敵視する前に、世の中に専業主婦がいるメリットをもっと評価出来る世の中になってほしい。

そのような社会にならないかぎり、少子化は進み続けるだろう。

その先には、ファンタジーとは程遠い異世界が待っているかもしれない。