島田雅彦「佳人の奇遇」を読んだ。
作中、登場人物がここぞと口にする口説き文句にやられてしまった。過去の自分を振り返ると、その言葉の乏しさに恥ずかしくなる。
ビジュアルが良ければ、言葉に労力を割く必要なんかないんだろう。どっこいこちらは、顔の方は至って人並み。一番よく言われる言葉は「どっかで見た顔」、だ。「居心地」のみを武器に戦ってきた。
それでも、アドバンテージなしで恋愛を楽しめる自分の立場を、それなりに得したなと思えるくらいには大人になった。
小説にはドンファンとか、僕も好きな在原業平なんかの話も出てくる。いわゆる昔のプレイボーイ(ドンファンはそんな生やさしいもんじゃないけど…)は自分からとにかく口説きまくっている。そこで、モテにビジュアルは関係ないとかそういうことが言いたいんじゃなくて、口説き文句は、人が一生のうちに吐く言葉の中でも一番美しいんじゃないかってことだ。
作中で好きだったのは、義父が息子の嫁に贈った口説き文句。引用はできないけど、年をとったら若い女性に是非言ってみたい。
在原業平の「君により 思い習ひぬ 世の中の 人はこれをや 恋といふらむ」(君とのに比べたら、今までの恋なんぞ物の数じゃない)もグッとくる。ただこれは、もとからもてる業平みたいな人限定か。
愛する人の心に一生残る口説き文句が言えたなら、例えふられても、いい負け方ができたって納得できるんじゃなかろうか。それを密かに心の内で、大きな一勝にカウントしてもバチは当たらないだろう。
ただ、この小説を読んでもわかるのは、口説くのには、常に相手への崇拝に近い尊敬が大事だということだ。上から気障にいくのはいけない。
作中、登場人物がここぞと口にする口説き文句にやられてしまった。過去の自分を振り返ると、その言葉の乏しさに恥ずかしくなる。
ビジュアルが良ければ、言葉に労力を割く必要なんかないんだろう。どっこいこちらは、顔の方は至って人並み。一番よく言われる言葉は「どっかで見た顔」、だ。「居心地」のみを武器に戦ってきた。
それでも、アドバンテージなしで恋愛を楽しめる自分の立場を、それなりに得したなと思えるくらいには大人になった。
小説にはドンファンとか、僕も好きな在原業平なんかの話も出てくる。いわゆる昔のプレイボーイ(ドンファンはそんな生やさしいもんじゃないけど…)は自分からとにかく口説きまくっている。そこで、モテにビジュアルは関係ないとかそういうことが言いたいんじゃなくて、口説き文句は、人が一生のうちに吐く言葉の中でも一番美しいんじゃないかってことだ。
作中で好きだったのは、義父が息子の嫁に贈った口説き文句。引用はできないけど、年をとったら若い女性に是非言ってみたい。
在原業平の「君により 思い習ひぬ 世の中の 人はこれをや 恋といふらむ」(君とのに比べたら、今までの恋なんぞ物の数じゃない)もグッとくる。ただこれは、もとからもてる業平みたいな人限定か。
愛する人の心に一生残る口説き文句が言えたなら、例えふられても、いい負け方ができたって納得できるんじゃなかろうか。それを密かに心の内で、大きな一勝にカウントしてもバチは当たらないだろう。
ただ、この小説を読んでもわかるのは、口説くのには、常に相手への崇拝に近い尊敬が大事だということだ。上から気障にいくのはいけない。