【はじめに】
いやはや、随分間隔開きましたねえ~(他人事)。
色々あって中々書ける気になれなかったのが一番ですが、その間に春の一大事も結成11周年も過ぎてしまいましたとさ。
今回のタイトルはBilly Joelの名曲から拝借しました。
まあショービズを皮肉った内容ですがそれは置いときましょw
さて今回は今更ながらにももいろクローバーZの5thアルバム
『MOMOIRO CLOVER Z』についての感想を書き綴ります。
一通り評価も出て、散々感想や考察が出た後で一体何を書こうというのでしょうか。
…はい、ただの個人的感想を書き留めたいだけです。
キネマ倶楽部の動画も観た事ですし。
さあ、アタシの薄っぺらい知識で何を語れるのかしら。
皆様一切期待など持たぬように。
一応タダの乾燥ですが、一応のお約束。
本ブログは以下三要素で構成されています。
推測・憶測・妄想
それでは書いてみましょう~。
✄------------ キリトリセン -----------✄
2016年に発売された2枚のアルバム、3rd『AMARANTHUS』4th『白金の夜明け』のコンセプト・完成度は非常に素晴らしく、まだ見ぬ5thアルバムは大変な事になると当時から感じていました。
ミュージシャンあるあるで、“3rdが傑作で最盛期だった”なんて話はゴロゴロ転がっています。
いくら過去の自分達を乗り越えてきた彼女達を持ってしても、これを越えて来るのは簡単じゃないと。
それだけ『作品を産み出す』のは難しい事だと一消費者の自分でも理解しています。
前回同様に発売前のプロモーションが始まってからは徹底的に『ネタバレ』を避けてファーストインプレッションを楽しもうと色々我慢する事に。それでも先行された5曲はすでにライブ等で耳にしているワケでしたが。
その鏑矢となった曲「Re:Story」をライブで聴いた時にある確信めいたものは感じていました。
今までと曲の作り方が変わっている、“20代のももクロ”を意識した作品が出てきたと。
向こう10年間歌っていく為の曲を用意し始めていると。
これは受け手もライブのノリ方含めて変わって行かなきゃ、と。
そして手にした新譜…は一切開封せず配信開始になったハイレゾ版を購入して聴く事にw
1:ロードショー
→イントロからしてやられた~の一言。
なんでこの時代にユーロビートをぶっ込んで来たんだよw
100%偏見なんですが、ユーロビートが生まれた80年代前半のまだハイエナジーと呼ばれた頃のサウンドはまだ爽快な展開で好きな曲もあるんですが、90年代に入ってからのサウンドはただただ“下品”に聴こえて好きになれませんでした。
ディスコサウンドの匂いも消えてしまっていたからかも知れませんが。
イントロのインパクトは置いといて、曲が始まってからは毛嫌いしていた“あの空気感”は何処かへと消えていてスーッと耳に入って来るんですね。これは歌詞と4人の歌声がもたらすモノなんでしょうか。
曲自体も古くて新しいんですね。佳きバランスのアレンジだと思います。本アルバムはコンセプトアルバムでは無いんですが、明らかにこの曲がアルバムのコンセプトを歌っています。キネマ倶楽部の映像観ても実感しました。
2:The Diamond Four
本アルバムのリードトラックとして一番あちこちで流れた曲ですね。MV公開時のTLは凄かったなあ。
(上記理由で観てませんでしたけどねw)
今となっては“ほぼ封印曲”になってしまった2ndアルバム収録のトラック『5 The Power』に替わるべき存在として生まれた曲でしょうか。リリックが軽快に畳み込まれるのが心地良いんですよね。
ももクロのLapはクセが無くてとても聴きやすいと思うのです。さて、我々はこの曲にどうやって乗っかっていきましょうかね。
Cメロにある『いじけないって決めたのに~笑顔に戻ったよ』とサビの「ついてこい!」が深くてたまらないです。
歌詞の内容もとことんモノノフに寄り添ってくれてて嬉しい限りです。ご褒美を貰えた気分です。
導夢で観たあの美しい景色がこの曲に詰め込まれています。
Show must go on!
3:GODSPEED
以前のエントリーで散々語りましたがまず曲名が最高ですw
1999年の中山大障害は嬉しかったなあ。
早熟の短距離馬が障害の最高峰レースを6歳で勝っちゃうんだもん。
ー閑話休題ー
この曲は確実にライブで映えます。とにかく振付が素敵。
以前も書きましたが、サビで両腕をブンブン振るだけでも楽しい!
とにかく爽快感があるアイドルらしい曲ですな。
4:あんた飛ばしすぎ!!
カバー曲ですが、GARLICBOYSさんの全面協力に加えて、ももクロ×パンクは『Bionic Cherry』という先駆者がおります故、相性の良さは言うまでもなく。
そして恐ろしくライブ向きです。JAPAN JAMで見せつけた破壊力は凄まじいものでした。なんつー武器を手に入れたんでしょうか。別現場ですがこの曲が来た時に全身のアドレナリンが噴出する音が聞こえた気がします。(気のせい)
Overtureが来たようなヤバいテンションになりましたね、これ合法麻薬かなんかじゃないでしょうか。
あとは喉への負担をどう軽減するかですが、この夏のフェス地獄を終えた頃には喉の筋肉がさらに強化されてそうです、あの人達転んでも絶対タダで起きませんからね。
5:魂のたべもの
本アルバム最大の“問題作“ですね。
『境界のペンデュラム』以降ちょっとダークなももクロを垣間見せていましたが、遂にここまで来たかと。
個人的には90年代にこういう感じの女性ボーかリストの曲を嗜んでおりましたので、抵抗感は全く無かったです。
…ただ、これを『アイドル』に歌わせてしまうキング宮本氏のチョイスが末恐ろしい。
結果として、難易度の高い本曲に挑んだ事で各メンバーの成長した表現力を見せつけられた気がします。
キネマ倶楽部ではずっと身体を固定されたままこの曲を歌い続けたメンバーの体幹の強さに驚くばかりでした。
6:Re:Story
冒頭で述べたように“向こう10年間歌っていく”曲だなと。
横ノリで曲に身を任せて楽しめるトラックも素敵です。
サビのラストが「Re:Story of my life」だったのが、最後だけ「The Story of my life」に変わるのがとてもとても愛おしくて好きです。2018年という激動の1年を必死に戦ってきた4人がコレを歌う事で何とも言えない説得力が生まれ、アタシは目から汗が流れ落ちます。
これからの4人が輝き続けますように。
7:リバイバル
曲名だけで中島みゆき嬢の名曲「りばいばる」を予想してたら(なんでだよ)、まさかの大好物なサウンドでした。
イントロが何故かやたら古臭いのが逆に良いぐらいで、でもバックで鳴るベースラインがとにかく気持ち良い軽快なダンスミュージックなんですけど、何気にれにちゃんやあーりんの歌い方が妖艶さを醸し出してるんですよね。
あとね、玉さんのファルセットもすんごく心地良い。
この曲はコールじゃなくて上手にクラップ入れていきたいですね。
ももクロでこういう直球のダンスミュージックは何気に珍しいですよね。いいぞ、もっとやれ。
ラップパートのベースラインでもうアタシ昇天しそうですw(どうでもいい情報)
途中で二胡の音が入る辺りが個人的ツボです。
なんというかKylie MinogueとかSheena Eastonを彷彿させられました。なんでだろうw
上手に表現出来ないんですが、そういう70`sのディスコサウンドのテイストがチラホラと散りばめられてるんですね。
まあ有り体に言えばアタシ向けに釣り針が山ほど仕掛けられてる感じです。(どんな感じだ)
8:華麗なる復讐
はい、曲名だけでもゾクゾクしますね~。
この曲だけで1つのミュージカルが出来そうです。かなりインパクトが強いです。
これまたベースラインがンギンモヂイイッ!って感じでたまらんす。(気持ち悪い表現)
曲調が少しずつ変わっていく感じとか、曲名(アルバム名だけど華麗なるレース、ね)とかテーマとかアレを意識してるのかなあと。ズバリももクロ版「Bohemian Rhapsody」を放り込んで来たなと。
間奏でメロウになる辺りはなんか「Theme From Mahogany」とか「Killing Me Softly With His Song」のメロディーっぽいなあ~とか油断してたら、ラストでゴリゴリのベースをバックに♪華麗なる復讐~でかっけえ!となって、突然インドまで行っちゃうw
最初ビックリしたもん、なんでインドやねんってw
9:MORE WE DO!
ドラムのサウンド的にパンクっぽいな~と思ってたんですが、違いました。これはアレだ、The Banglesだ。
もしメンバーがバンド組んだらこの曲を真っ先に歌って欲しい。
ラストのコーラスとかめっちゃそんな感じしません?(同意の強要)
本アルバム全体に言えるのですが、れにちゃんの成長無しにこのアルバムは成り立ちません。彼女の著しい成長があるからこういう曲も歌えるようになった。
4th収録の『希望の向こうへ』はれにちゃん曲ですが、まだ従来のれにちゃんのウィスパーボイスを活かした曲でした。
しかし彼女は気付けば誰より力強く歌う事が出来るようになっていました。表現の幅が一気に広がった気がします…そう欠けたパーツを埋める代わりに彼女が新しい魅力をももクロの歌に生み出した。
だから本アルバムの落ちサビとか大事なパートの担当が明らかに増えていますね。
10:レディ・メイ
もうね、曲名からビンビン来てましたよ。
これは紛れもなくFunkだ。古き佳きFunkだ。
間奏のブラスとかもうたまりませんよ、コレ。
生バンドで聴いたらきっとひっくり返るな。
アレだ、Tower Of PowerとかPHENIX HORNSを今すぐ連れてきて一緒にやろうよ(妄想の暴走)。
夏菜子やあーりんの歌声がギラギラしててたまらなくカッコいい。
この路線もっともっと頂戴w
でもこの曲何気に玉さん曲だよね。映像観てたらそうとしか思えん。
11:Sweet Wanderer
MV良いですよね~。20代のももクロちゃんの魅力を余すところなく表現してます。
フォロワーさんに教えて頂きました。こういうジャンルのサウンドは『チルアウト』って言うんですね。
これもまた20代になったからこそ歌える曲ですよね。今後はこの手のサウンドも増えてきそうです。
なんというかアリーナで聴くっていうより、ビルボードのような箱で聴く方が向いてると思います。
いずれそういう時期が来た時にこういう引き出しがあるのは絶対強みになります。
やっぱ、『横ノリ』重要じゃないっすかね。
何気に曲のラストに川のせせらぎ等の自然音が入ってる辺りにMinnie Ripertonの名曲「Lovin' you」を思い出しました。
12:天国のでたらめ
ミュージカル「ドゥ・ユー・ワナ・ダンス?」と共に生まれた1曲。
散々語られていますが、歌詞の組み立てが本当に天才的ですね。
これを作った志磨遼平という人に興味が湧きました。
彼のユニット、ドレスコーズも新アルバム「ジャズ」を出したばかりなので、今度じっくり聴いてみよう。
2番の後に入るピアノソロが大好物過ぎてたまりません。それに合わせて踊るメンバーも本当に素敵。
13:The Show
2008年にリリースされたLenkaのヒット曲のカヴァーが本アルバムの幕引きを務めます。
(2008年リリースってのは敢えて狙ったのかしら)
後から調べたのですが、元曲の歌詞は中々に痛烈です。
中途半端な人生を歩んでると自覚のあるアタシにはザクザク刺さります。
コレをももクロ流にソフトに仕上げています。
和訳で分かりやすいサイトがありました。
オーストラリア出身で女優から歌手へ…なんかKylie Minogueみたいだなあ。
これがオーラスを飾る事で“Show Time”が終わっちゃうんですよね。
しかも元曲がそうであるから当然なんですが、ももクロちゃんに「金返せ」「金返せ」と連呼させながら…。
歌詞の内容といい、よく練られた選曲と配置だと思います。
もしかして宮本純乃介というプロデューサーって天才なんじゃないだろうか。
ももクロとしてのフォーク村卒業に合わせてそのラストに4人がこの曲を弾き語りしたのが素晴らし過ぎました。
弾き語りでこんな曲を歌えるようにもなったんですよね。4人の努力が昇華された瞬間だったと思っています。
Bonus Track:ももクロの令和ニッポン万歳!
ヒャダイン氏なんとかこの曲でアルバム皆勤賞です。
当時は東北への応援歌の意味合いが強かったですが、今回は全国ツアーを終えた後でもあって改めて見えてきた景色がこの曲に反映されていますね。
元曲では“手を抜いたなコノヤロー”的な扱いのあった一部都道府県も手直しされてて一安心ですw
そして飛行機だけじゃなくて車と新幹線に出番が来ました。新幹線派としては嬉しいです。
と、いう事でこれまでサビで入れていたコールも変わります。
1番は「Drive! Drive! Drive!」、2番は「Train! Train! Train!」、ラストは従来通り「Fly! Fly! Fly!」ですね。
慣れて行かなきゃです。
最後の全国パートはヤバいですね、音源でもなんか涙が出てきました。
やりやがったなヒャダイン、コノヤローw
でもこの曲はボーナストラック扱いで大正解ですね。明らかにアルバムのコンセプトから浮いてますw
この曲で終わる事で1stアルバムをちょっと思い出します。
【最後に】
総括:コレすげえ、『音楽の坩堝』だ。
kwkmさんの「何でも出来るからアイドルが最強」理論をアルバム製作でもやっちゃった感じですよね。
1枚のアルバムでこんだけ多様なサウンドが楽しめるアルバムはそうそう無いと思います。
そして全体からビンビンに漂う『洋楽感』が個人的ツボなんですよ。
これまでももクロの曲は比較的長めの曲が多かった印象が強いんですが、アメリカのラジオ全盛期を思わせる程に曲がいい感じに短いんですよ。(大袈裟な表現)
それが目まぐるしく展開していくから「アレ? もう全曲聴き終わった?」ってなっちゃうんです。
あと何気に『ダンス』に重きを置いた感じも強いです。
実際、キネマ倶楽部でのライブではほぼ全曲に振付がありました。(それを全部こなす4人が怪物にしか思えないですが)
過去のももクロのライブでもこれだけダンスに注力したライブありましたかね?
それぐらいダンスのインパクトが大きかったです。振りコピ勢にとっては教科書みたいなライブだったじゃないでしょうか。
『これからの10年』のある意味指針となるべくして生まれたアルバム、それがこの『MOMOIRO CLOVER Z』ではないかと。
メンバーの歌唱力がさらに向上した事もあって、“リスニング”に耐えうるアルバムになったと確信しています。
どうしても古いアルバムは声が幼かったり、まあ下手くそだったり、ライブで毎回歌唱力を更新してくるので「ライブで聴くからまあいっか」と正直、熱心に聴く程では無かったのですが。(例外は『AMARANTHUS』ぐらいで)
個人的には5枚目の中で最高傑作を更新したな、と思ってます。
3年前は『AMARANTHUS』はそんな簡単に越えられんぞ、と思ってたんですがねえ。
5人が4人に減ったのはパワーダウンだなと1年前は思ってました。いや、一時的には確かにダウンしたのに、
気付いたら過去の自分達を遥かに越えて来てるんですよね。アレか、アンタら仙豆食った瀕死のサイヤ人かwww
目の前に壁が高ければ高い程、この人達はそれを乗り越えて来ちゃう。アレか、強敵を目前にして「オラ、ワクワクしてきたぞ」の人かアンタらはw
まあ…言葉にするのは簡単ですが、どんだけ努力したんだろう。それを想うと頭を垂れる事しか出来ません。
こんなに応援の仕甲斐がある人もそうそう居ませんよ。
アレか、みんなの元気を力に変えて強敵倒しちゃう人か、アンタらはw(3回目やぞ)
という事で音楽ファンにも胸を張ってオススメしたいアルバムが「MOMOIRO CLOVER Z」だという事です。
そして声を大にして言おう。
「キネマ倶楽部のライブはすぐに円盤にすべき!!(すべきノフ)」
最後にキネマ倶楽部を見終わった直後の感想ツイートを再掲載しておきます。成功も失敗も人生において無駄なモノなどない(いや実際あるけどさ)と教えてくれた素晴らしいライブでした。