怒鳴って教えるのが当たり前だと思っていた? | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

こんにちは。

広島でインクルーシブ教育と発達障害への正しい認識

普及活動をしている中谷美佐子です。

 

さて、私にも子どもがおりまして…

同級生たちはもう孫がいたりするのですが…笑

私には(遅くに生まれた子どもで)中2の息子がおりまして…

その息子が「友達と一緒に塾に通ってみたいな~」と言い始めました。

 

私は「あら、そんな無理して塾行かなくていいんじゃない?」と言いますと、

息子が「いや、僕は友達と一緒に塾に行ってみたいんだ」と言うのです。

 

それで、まずは塾体験に申込むために、

息子が行ってみたいと言う某塾へ電話をしてみました。

 

ーーーーーリーンリーンーーーーー

 

私「息子がそちらの塾へ通ってみたいと言っている中谷と申します。

  まずは体験をさせて頂くことはできますか?」

 

塾「よろしいですよ。じゃ、まずは体験の前に宿題を取りに来てください。

  体験までに宿題をやってきてくださいね」

 

私「それで、そちらの塾は子ども達を怒鳴ったり叱ったりされますか?」

 

塾「当たり前ですよ。悪いことをすれば怒るのは当たり前です。しょっちゅう怒ってますよ」

 

私「しょっちゅう怒っていらっしゃるのですね。

  ではそちらの塾ではどんなことが悪いことになりますか?」

 

塾「居眠りをするとか、宿題をしてこないとか、無断欠席をするとか」

 

私「居眠りって、疲れていたり、授業が面白くないと誰でも眠くなりますよね?」

 

塾「授業中寝ないというのは礼儀ですから」

 

私「面白くない授業に礼儀なので必死で起きていろ!と言うよりも

  子どもが楽しくて起きていたいと思うような授業づくりにしようと思いませんか?」

 

塾「あっ、そうですね」

 

私「じゃ、宿題をしてこなかった子に怒鳴ったりもよくされるのですか?」

 

塾「結構怒りますし、怒鳴ります。しょっちゅう怒られている子もいます。

  あっ、でも叩いたりはしませんよ。無断欠席した子にはかなり怒鳴って指導します」

 

私「宿題をしてこないというのは体調が良くなかったりしてできないこともあるでしょうし、

  その子がもし学習障害の1つディスレクシア等があれば字がひっくり返って見えたり

  グルグル回って見えたりして、なかなか上手く読めなくて時間がかかってしまうために

  宿題ができなかったということもあるかもしれませんよね。

  子どもができないということにはどんなことにも背景や理由があるわけで

  それを何のサポートもせずにただ怒鳴るだけというのは

  そちらの塾では子どもの脳の発達について勉強していらっしゃらないということですね?」

 

塾「あ~そうです。勉強してないです」

 

私「こんなデータが出ているのをご存知ですか?

  肉体的虐待よりも言葉の虐待の方が子ども達の脳の損傷が大きいって。

  そちらの塾では子どもの脳や身体の発達について脳科学や医学的な視点をもって

  指導されていないのですね」

 

塾「はい。していないです」

 

私「では、度々怒鳴られている子どもは塾に来なくなりますね」

 

塾「はい、そうなんです。怒鳴っても通じない子もいるんですよね~」

 

私「そうですね。通じない子に怒鳴り続けても仕方ないですね。

  だから違う方法を考えないといけませんね。

  子ども一人一人みんな違いますし、その子その子に合わせた対応が必要ですね。

  子どもの教育には世間一般で信じられている(本当か嘘か分からない)ことよりも

  脳科学や医学の視点が必要であることをひとまずお伝えしておきます。

  今の話を息子に伝えて体験をしたいと言った場合は折り返しお電話します」

 

ーーーーーこの電話のあとーーーーー

 

私が息子に上記の会話の内容を伝えたところ

なんと息子がこんなことを言うではありませんか・驚

 

「オレ、そんなに怒られて育ってきていないじゃん。

だから、ここで一般的な怒鳴られ方を体験してみてもいいんじゃないかな?」

 

【母の心】→おいおい、何を言っているんだ!

 

ーーーーーーしぶしぶ次の日、体験申込電話をする母(私)ーーーーー

 

私「度々申し訳ありません。昨日お電話した中谷です。お世話になります。

  息子に聞きましたら体験に行きたいと言っておりますので来週よろしくお願いします」

 

塾「えっ?いや~、いらっしゃらない方がいいと思いますよ。

  昨日、お母さんとお話をして、あれから色々考えまして自信がないのです。

  私、60過ぎてるんですよ。ずっと、このやり方でやってきていて

  今から変えようと思っても、どう変えていいか分からないし…

  お子さんを傷つけてしまうかもしれないので。

  本当に自信がないんですよ」

 

私「とりあえず息子は体験に行く気になっておりますので

  今までのやり方で怒鳴ったり怒ったりやって頂いて結構ですから

  それを息子が気に入れば、続けて通うと思いますし、

  こりゃ~ダメだ!俺には合わないと思えば通わないでしょうし…

  それよりも何よりも息子が先生が怒る以外の方法を

  どうしたらよいかを具体的に伝えてくれると思いますよ。

  息子は私が育てたので、子ども達一人一人が何に困っているかも分かりますから

  色々教えてくれると思いますからご安心を。

  どうぞ気にせず今まで通りの怒鳴ったりで(笑)やってください」

 

塾「あ~、お母さんといろいろお話して、本当に自信がないんですよ」

 

私「私は広島で子どもの多様性や発達の違いについての普及活動をしている者なので

  そういった面では専門性があるので、いろいろお伺いしたくなってしまうのです。

  すみません。では来週どうぞよろしくお願いします」

 

塾「はあ~。来られるんですか~」

 

ーーーーー電話を切るーーーーー

 

この会話ですが、この塾の先生だけではなく、よくあることで、、、

こういった話の流れから、これまでの子どもへの関わり方が

間違っていたことに気づかれた先生方が多くいらっしゃるのです。

 

だから、この気づきがとても大切なのです。

 

きっと、この塾の先生もこれから一歩一歩進んでいかれることでしょう。

そして行きつく先がインクルーシブ教育ということになるわけです。

 

私の息子が通う中学校もこの流れで今年度からインクルーシブ教育推進校になっています。

 

私達大人が子ども達の多様性を認められるようになるには

蟻の歩幅くらいしか進まないけれど、

子ども達が多様であることをみんなが理解して

少しずつ広島に「互いの違いを学び合おうとする」

インクルーシブ教育が広がっていくといいな~と思っています。

 

さて、息子はこの塾に「通いたい」と言うのだろうか?

結果は来週!

 

子どもとの関わりに専門性が必要だとお気づきになられた方は

ぜひこちらをご覧ください↓

NPO日本インクルーシブ教育研究所  学習・発達支援員養成講座 説明会