*相互理解への道* どっちが迷惑?編 | 誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

誰もが違うということを前提とした教育にしていこう!

主に特別支援教育、インクルーシブ教育、ASD、ADHD、LD等について書いていましたが、社会全体が大きく変わってきており、特定した話だけでは答えのない答えを導き出せない時代がやってきたと感じています。そのため何でも思いつくままに書いています。

これからお話する内容は、
発達障害のある人と平均的な発達をしている人との間で
よく起こる事例です。
※人物が特定されないように、一部、内容を変えて書きます。

少し認知症になっている89歳のおばあさんが骨折で入院されていました。
そこへ、おばあさんのご友人のMさんがお菓子を持って
入院先へお見舞いに行きました。

「今日はひな祭りだから、かわいいお菓子を持って来たよ」と言って
そっと、ベッドの横に置いて帰られました。

次の日、Mさんのところへ電話がかかってきました。
89歳のおばあさんの娘さん(65歳)からでした。
Mさんとおばあさんの娘さんは、ほとんど面識がありません。

しかし、電話の内容は「うちのおばあちゃんは糖尿病なので
お菓子を持ってこられると困るんです。
病院にお菓子を持ってくるのはやめてください!」でした。

おばあさんのご友人のMさんは娘さん(65歳)の電話に
たいそうご立腹でした。

おばあさんの娘さんは自分の母親が糖尿病であることを
心配していて、できるだけ母親に長生きしてもらいたいと思っています。
また、母親はお菓子を食べることができないのだから
お菓子を買うことは無駄遣いになってしまうと思っているわけです。
だから、娘さんにしてみれば、親切でMさんに電話しているのです。
ただ、言い方がストレートでぶっきらぼうなので誤解をよく受けるようです。

一方、Mさんからすると、こちらがよかれと思ってしたことに
そんな言い方はないではないか!
「【お見舞いにきてくださってありがとうございます】と言ってから、
【実は糖尿病なんです】という言い方もあるだろうに、、、
もしくは、【ありがとうございます】とだけ言って
どうせ食べないんだったら、お菓子を捨てたっていいじゃないか!
私はおばあさんに食べてもらおうと思ってお菓子を持って行ったんじゃなくて、
家族に食べてもらおうと思って持って行ったんだよ
いちいち、こちらのしたことにケチをつけるなんて
何考えてるんだ!」と怒ってしまったわけです。

どちらの気持ちも、いいも悪いもありません。

ただ、一般的には相手がよかれと思ってしている行為に対して
それも知らない人に電話をして
「お菓子を病院に持ってくるのはやめてください!」と言うのは
社会性の発達に何らかの課題があるのでしょう。

平均的な発達をしている人達は周りから社会性を
自然と学んでいくことができるのですが、
社会性の発達に課題のある人は、
教えられていないことは学んでいない(知らない)ので
一般的なやり方を実行できないのですね。

だから、子どものうちから丁寧に教えて育てることが大切です。

彼らが自然に身につけることができにくい社会性を
いかに私達大人が「どうしたら人との関係づくりを
うまくできるか」を具体的に教えて育てていかないといけないのです。

こういったケースは、
たいてい一般的な人達が相手に
よりよい人間関係づくりの仕方を伝えないまま、
社会性の発達に課題のある人達との距離を置いてしまいますから、
どうしても学ぶ機会を失ってしまいます。

そのため、繰り返し、他人を怒らせてしまうことになっていくため
自己肯定感の低下につながっていくのです。