昨年の今頃の僕(50)は、こんなんでした…。


人差し指の肉を、グラインダーで吹っ飛ばして、それでもなお、こんな格好しながら、新型コロナウイルス感染後のヘロヘロの状態のまま、意地になって一日中働いてたなぁ。

あん時、所詮、独りなんだ…と、半ば投げやりになっていたのを思い出します。精神って、大事ですね。








マスコミのことを、よく、マスゴミと呼ぶ人がおります。


許可なしでの盗撮、裏付けをとらない憶測記事、人の人生にズカズカと土足で入り込む暴挙に近い、その“ゴミ”の如き姿勢を揶揄して、そう称されます。


称される側は、「表現の自由!」と鼻の穴を膨らまして盾にし、それが阻害されると「言論弾圧!」などとわめき散らすその様は、僕から見ても、「嗚呼、ゴミだ…。」と言ってしまうこともあります。



厳然たる事実を報じ、それが大きな力によって制圧されたりした時に、それは言うべきであって…。


そういった意味で。


現在のその姿は、尊さからはかけ離れた、非常に心卑き暴漢にしか映らないと言っても過言ではないケースが、多々あるように思うんです。



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昨日。


2023年度初日の送迎業務に就きました。



僕は、基本的に安全運転で、法定速度を上回るどころか、常にマイナス10kmで走行します。


つまり、制限速度50kmの所は40km余り。


30kmの所は、自転車よりもゆっくりと。



まぁ、人様の大事なお子様を乗せてますから、当然と言えば当然。


世間では、例えば40km制限の道路は、最低40kmで走らなければならない。

40kmを下回ると、煽られる。


そう考えている人が、大半のような気がします。



僕の場合は、幼児送迎バスという、ある意味“印籠”を携えて「控え居ろう!」って走ってますから、煽られることは、ほぼ無いのですが、たまに、ごくたまに、煽って来て、抜かしざまに睨んで来るお馬鹿さんがおりますが…。


岩石イワオのような頭のデカい風貌に、グラサンかけている姿を見た瞬間!


車だから大男に見えるのでしょうね。

急に態度を変える(笑)。


それが殆どです。



その日も、初日ということで、車内は童謡を流し、余裕をもって出発し、ノロノロと直線を走っておりましたら…。


丁字路で直線路にはみ出し赤信号停車している車を発見。

よく見ると、助手席の女性にもたれかかっている。


「朝っぱらから、チッ!」て感じで苛立つ心を鎮めつつ、我らは第一車線を走ってたので、第二車線に膨らみながら、ゆっくり避けましたら。


その車はスーっと僕の走路に侵入して来まして、僕も避け切れず、我々のバスの土手っ腹に突っ込んで来ました。



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それでもなお、まだ動いて土手っ腹を突き続ける。


完全にキレた僕は、車を停車した刹那、飛び降りて相手の方に走って行きましたら…。


まだ助手席の女性にもたれかかってる。


しかし、何か様子がおかし。


白目、ヨダレ、硬直と痙攣、女性が泣き狂って電話している…。



瞬間的に、ただ事ではないことを悟り、そこからは一気に救命行動。


先ずは、相手の車のエンジンを切り、救急に電話し、呼吸の乱れ、意識喪失、硬直などを報告して、たまたま通りがかった看護師とみられる女性の助けも得て、脈や、麻痺の疑いありとの報告。


あとは、警察と救急が来るのを待ちながら交通整理。



みるみる内に大渋滞。


朝の仙台です。

もう、混乱の極み。


もはや、地獄絵図以外の何物でもない状況…。



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慣れちゃいけないのですが…。


高校講師時代や、自分の柔道塾内で起きた、熱生痙攣やテンカン発作の対処の経験が、こんな時に生きるものです。


看板(園送迎車)背負ってる手前、一刻も早くその場からバスを移動したかったのですが、相手車が食い込んでいることと、相手が意識喪失状態だったことからそれもかなわず。

増える野次馬を尻目に、夢中で処理に奔走した次第。



ただし、歩きながらさりげなく携帯で写真を撮られるのは、当事者となると、苛々がつのるものです。


手助けを申し出てくれたのは、先程の看護師さんらしき女性と、高校生?と思われる男子、たった2人だけ。

あとは、半笑いで通り過ぎるか、間抜けた顔(撮ってませんよ的な顔)して写真を撮っている。


クソッ!

こいつら、家庭でどんな教育を受けてやがる!


そう、心で叫びながらも、あれこれ奔走して警察と消防の到着を待ちました。



救急隊が到着して暫くしてから、相手が目を覚まし、しかし状況が飲み込めないらしく、真っ白い顔で呆然としてましたので、そこからは隊員さんたちにお任せし、僕らは聴取を受けました。


幸い、上司である事務長も駆け付けてくださり、信号が青だ赤だと、ちょっとした相手との話の滞りはあったものの、ウチがすぐにドライブレコーダーを提出。

後ろにいた車の車種と色も覚えていたので、万が一の時はそれも映っているからと伝え、あとはようやく車を動かして、事故お決まりの作業に入ったのですが…。



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ふと、遠巻きに、テレビカメラ発見。


何やら、職場にもテレビ局数社が取材?申し込みの電話を掛けて来たらしく、状況をのめない職員がそれを断ると、「園長が来たら折り返し電話をかけてほしい」などと要求してきたようで。


何故、かけなければならない?


誰がどんな通報したか知りませんが、完全にウチが悪いと思われている。


日本全国で起こっている園バス関連の不祥事も、局側の高圧的な態度を増長させる要因のひとつに間違いない、と推察しつつ…。


カメラはカメラで、いろいろな角度から映しておりまして。


それでも黙って、その動向を観察しておりましたら…。


あろうことか、ズカズカとウチのバスに寄って来て、近くで普通の顔して撮り始めたではありませんか!



「何?なんで許可もなしに勝手に撮ってんの⁉︎」

「意識喪失者の車に追突されて被害を受けてんだよ?」

「看板(露出)だけで園児募集に大ダメージなの知ってる?勝手に放送しないでもらいたい。」


との抗議の意を示しました。


女性カメラマンも、キョトンとして困ってるので、荒れる心を落ち着かせながら、我々はそのままバスを移動。


ったく、よくもまあ一言もなく、あんなに近付いて撮りやがったもんだ、と呆れた次第。



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それから2時間後くらいして…。


なんと、昼のニュースで、ウチのバスの映像が殆どの報道が流された!と知り。


僕や上司、添乗員の姿まで放送し、バスの園名まで映して、何故か相手の怪我が無い事(ぶつけられたのはこちら)を報じ、最後に少しだけ「軽自動車が意識が無いまま侵入したとみて調べてます」って…。



当然ですが、そのつもりがあろうがなかろうが、これは印象操作に近いものがあります。


あれを観て、何を連想するか?ってことですよ。



あのお姉ちゃん(カメラマン)に映像選択の決定権がないことくらい、知ってます。恐らく、上からの命令に従ったまででしょう。


要は。


それに放映のゴーサイン出した人間、それから園にイカレた電話してきたテレビ局の人間。


加えて。

アホヅラさげて、道端で携帯向けてきた多数の人間。


更に、もう削除されてたけれど、すぐにYouTubeに動画投稿した人間。


多分、何の罪にもならないし、何かしらのお咎めを受けることもないだろうけど…。



世の中 何かおかしくないですか?



ってこと。


あーたたちが親なら、子へ。

若者なら、恋人へ。

後輩たちへ。


胸張って生きてます!って言える生き様、示してみたらどうか?


周囲も、似たもの同士なのかな(笑)?



名も名乗らず、意識を取り戻した運転手の無事を確認して、そのまま去って行った2人の協力者に、心から謝意を。


そして、そのまま入院した若い運転手君、そして現場で取り乱していた相方さんに、心からお見舞いを。


何より、怖い思いをさせてしまったであろう、バスの添乗員女性を守れなかった自分の判断力不足を猛省しつつ、とりあえず大怪我に至らなかった(と思われる)ことに、少しだけ胸を撫で下ろしました。


報道の人間!

本来ならば、ウチの添乗員女性の無事を真っ先に“報じる”のが筋だぞ。


何が「ニュースです」だよ、馬鹿面さげて。



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最後に。


職場の名誉の為に明記しておきます。


こちらも走行中ではございましたが、保険会社の出した過失割合は100対0でした。


ウチは、すぐに現場へ上司が駆け付けてくれる、素晴らしい職場です。 


自家用車が廃車になったり、自宅の玄関が壊れて開かなくなったり、居間のマッサージチェアが壊れたり、右の目ん玉がダメになったり…。


最近、悪い事ばかり…と考えがちですが。


園児を乗せる前だったというのが、最大の幸運・・・とプラス思考。


これ以上のラッキー、あるか(笑)?