最近は一日中ほぼ寝ていて、食事も1日1食が普通になった同居人。
年齢的にはまだそんなに年寄りではないので、老衰には少し早い。
認知症の影響と思われるが、この認知症、いったいいつ始まったのか・・・
私がおかしいと思い始めたのは今から約15年くらい前で60を超えた頃。
物忘れが少し変で、集合場所や時間など決めたことが分からなくなってしまう。
頻度は低いけど、一緒にいると「あれっ?」と思うことが何度も重なり、これはおかしいと思い始める。
それでも、性格的なこともあり、自分の非を認めたくないのかも、というレベルだった。
数年後、やはりおかしいと思い、同居人の同い年の仲間に「おかしいと思うけどどうでしょう?」と聞くと、しばらくして「おかしいと思う」という返事が。
しかし、日常生活に困ることはなく、10年くらい前にやっと病院受診を勧めるが本人は拒否。
ただ、本人もおかしいと思っていたらしく、メモをとったり貼り紙をしたりと工夫していた。
そして、8年前、病院受診、認知症の診断が下りる。
長谷川式かSSMRかはわからないが、結果は19点だった。
脳の画像診断でも海馬の萎縮が見られて確定診断となった。
「財布とったでしょ」「ごはん食べてない」や徘徊が出てから認知症を疑う人も少なくなく、それに比べたらずいぶん早い診断だったと思っていた。
しかし、今になって思い出すと、今から20年以上前、まだ別々に住んでいたころ、一緒に夕飯を食べる約束をしていた。
ところが、午後6時を過ぎても何の連絡もない。
おかしいと思い、電話してみると、「ごはんはもう食べた」という。
約束していたのにどういうこと???と頭にきて、「なんかおかしい」と気が付く余裕が私にはなかった。
その時、約束をすっぽかしたにもかかわらず、同居人からは一言の謝罪もなかった。
それどころか慌てた様子もなかった。
「なんて自分勝手な人なの」とその時は思ったし、「この人はまた同じことをするかもしれない」と疑うようになった。
だが、その後、認知症の診断が下りるまでそんなことは一度もなかった。
今から思うと、すでにその時、認知症の兆候が表れていたのかもしれない。
本人には約束したという記憶がすっぽり抜け落ちていて、なんで文句を言われているのかわからない、だとしたら謝らないだろうし当然慌てることもない。
それ以外にも、一緒に食事に行って「好きなのを頼んでいい」と言われ、注文すると「それはいらない」と取り消されたり、まだ小学生だった甥っ子が遊びに来た時に突然怒り出したり・・・女こどもには無条件で優しい昭和の男の代表のような性格ゆえ、普段ではありえない行動がごくまれにあった。
まだ50をいくつも過ぎてない頃だったので、さすがに認知症を疑うことは考えすらしなかった。
しかし、こんな些細なことが、あとになってみると、認知症の兆候だったように思える。
認知症は食生活だったり運動だったり社会とのつながりだったりが原因と言われることが良くある。
しかし同居人は、加工食品はほぼ食べない、タバコ吸わない、野菜大好き、運動大好き、体型長身細身、血圧正常、血糖値正常、早寝早起きで睡眠たっぷり、社交性バッチリ!!とどこにも問題が見つからない。
にもかかわらず、認知症を発症した。
いつ、だれが発症してもおかしくないと思える。
早期発見で投薬により改善が期待されるといわれているが、少なくとも同居人には薬の効果は副作用しかなく、ほとんど飲まなかったが6年間はほとんど日常生活に問題は出なかった。
同じものを何回も買ってしまったり、同じことを何度も聞いたりということはあったが大して困ることではなかった。
しかし、早期発見は重要だと思う。
理由は、投薬ではなく、早くわかれば、対処のしようが違うから。
正常だと思うから「何でこんなことするの」「何でそんなこと言うの」と腹が立つが、病気が原因であれば仕方ないと怒らずに対処方法を考えられる。
怒ってもケンカしても何の解決にもならない。
出来るだけ相手のいうことに耳を傾け、納得する着地点を探す方がお互いのストレスが少なくて済む。
その分認知症の進行も遅くなるのではないかと思う。
それでも進行を止めることはできない。
ただ、これからの人生を少しでもストレスなく過ごしてほしい。
