「さくら」その4 | Incestuous

「さくら」その4


「大丈夫?」
私は擦り傷と土ぼこりで汚れた女の子へ声をかけた。
しかし、状況がまだ把握できてないのか、女の子は無言でうなずく。
「(さて・・どうしたものか・・)」


女の子はボロボロの格好だ。
成りゆきを知らない人が見たら、誤解されまくるだろう。
とは、いえこのままこの場所にいる訳にもいかないし

とりあえず上着のシャツを女の子に羽織らせて
「まずは公園を出よう。家は近くかい?」
女の子は少し考え、首を横に振り「少し離れてる」と小さく答えた。
「そのボロボロのままじゃな・・怪我もしてるし」
「あの・・大丈夫です・・」
「とにかく・・付いてきて。怪我の手当てもしないと・・」
「本当に・・大丈夫です・・から」
「いいから、いいから(笑顔)」
「・・はい・・(少し笑顔を見せた)」


自分の家に戻るのに、商店街と繁華街をもう一度戻らなければならない。
虐められた時に怪我をしたのか、女の子の足取りが重そうだったので
背にハラ代えれぬと思い、流していたタクシーを止めて、家路に向う。
タクシーの運転手は女の子の状況をバックミラー越しに見て怪訝そうにしたのと
あまりに近い距離の依頼に拒否しそうになったが、5千円冊を掴ませて
「とにかく頼みます」と頭を下げると、納得してないようだが車を出してくれた。



「どうぞ、中に入って」
女の子は玄関で立ち尽くしていたのを、なんとか即して部屋へ入れる。
入った後もどこにいればと悩み立ちすくむ女の子にベットの上に座ってと
促した。

濡らしたタオルを渡して、「とりあえず血を拭きな」と促す。
包帯になるものがないので、バンドエードに綺麗めなハンカチを包帯変わりに
用意をする。
よく見たら、スカートも上着もボロボロだ。
こりゃ着替えもいるな・・って、女物は何もないし・・・
そんなこんなで慌ただしく狭い部屋をいったりきたりしている私を
無言で見詰めていた。

「こんなので悪いけど、あとで着替えなよ」
私は綺麗めなジャージとTシャツを彼女の横に置く。
「その膝の傷、処置しないと・・」
「だ・・大丈夫です・・本当に・・」
「そうもいかんだろ。」
私は女の子の前に膝付き、濡らしたタオルを当てがおうとすると少し逃げる。
「じっとしてて」と言い、汚れと血を拭き取る。
ビクッっと震えたので「しみたかな?」と訪ねると小声で「大丈夫です・・」と
答えたので、手早く薬とバンドエードで処理をした。

女の子の顔を見ると、困惑してるような・・恥じらいのような表情に
はじめて「(・・デリカシーのない事しちゃったかな)」と反省した。
「・・はい、これでよし。じゃあこれに着替えなよ。俺は少し出てるから」
女の子はまた無言でうなずいたので、コンビニへ飲み物でも買いに
時間を潰す為に外出する事にした。


コンビニまで歩く中、ふと先程の女の子の表情を思い出して
「おいおい・・相手は子供じゃないか・・何、動揺してるんだ俺・・」
埃と血を拭き取る際に触れた太ももの感触が手の中で蘇るのを
必死に忘却すべく頭を振るが・・意識の中にどんどんと溢れ出してくるのを
抑えられない自分に・・困惑しながら・・歩みを早めた。