”匂いの記憶”
知られざる欲望の起爆装置装置
【ヤコブソン器官】
ライワル.ワトソン著
この書籍から一部抜粋
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匂いほど記憶にとどまるものは無い。
幼少時代の家や友人を誰かに思い出して
みるといい。
たいがい細かい部分のディテールは
怪しくなっているはずた。
ところが、馴染みのある光景を
ほんのわすが、嗅がせてあげれば
記憶は怒濤のように蘇ってくる。
しかも部分ごとに徐々にもどって
くるのでは無く、全体が丸ごと、
もとの体感の味わい全体が奇跡の
ようにそのままもどってくる。
その効果は爆発的だ。
ダイアン.アッカーマンが
「入り組んだ視覚像の全体が下草の
間から飛び出してくる」と書いたのは
このようなことだ。
実際そんな具合なのだ。
五感の中でスイッチを切ることが
出来ない唯一の感覚が匂いだから
なのかもしれない。
目を閉じることも出来るし
耳を塞ぐことも出来る。
触ったり味わったりするのも
やめることも出来る。
しかし私たちは常時、匂いを
嗅いでいる。ーーー呼吸をするたびに
毎日二万回も。そしてヤコブソン器官に
ついて私の考えていることが正しければ
、その嗅覚情報は全て、どこかにファイル
されて保存されているのだ。
意識的な脳の部分だけで無くーーー
この部分はその時その時の出来事で
忙し過ぎるーーー、長期的な倉庫の部分、
単なる感覚的刺激よりも全体的な感受性に
関連している脳の部分に。
感覚と感受性には大きな違いがある。
これから始まる第六の感覚に関する私の探索はいくつもの異なった種類の嗅覚体験
取り上げることになるため、今のうちに、
匂いというものがどのように機能するもの
なのか、若干のことをはっきりさせて
おきたい。
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~この書籍は想像以上に面白く
ワクワクさせられましたが今は絶版に
なっているとのことでした~