新聞配達先のポスト近くの梅が花を咲かせはじめています。

実家の梅をたしかめると、こちらもきれいに咲いています。

寒い日が続いているとはいえ、確実に春は近づいています。

明日は、母のコロナワクチン3回目の予約開始です。

準備を始めると「えっ!」驚きの変更が・・・

 

 

母は、所有する車の保険を

満期が来るのを機に

知り合いの息子さんが営む保険会社に変更したいと言います。

 

現在、契約変更の代行は認められず

本人が前の保険会社に対して継続をしない旨を

通知しなければなりません。

 

契約書のコールセンターに連絡を取ります。

母は、自分の契約なのに

その場を離れ、

訪問看護による父の入浴支援の準備に席を外します。

 

コールセンターになかなかつながらないことに

疲れて、さっさと自分の役割を済ませたいいようです。

 

スピーカーフォンにして

接続を待ちます。

 

10分ほどしてやっとつながります。

 

「保険の満期の案内が来たのですが

他の保険会社と契約するので

今回は更新しません」

要件を伝えます。

 

「ご本人様ですか?」

 

「いいえ、母にかわって連絡しています。」

 

「ご本人様でないとできない手続きです」

 

母に大声で部屋に戻るよう呼びかけます。

 

「お風呂の準備完了。

契約はことわれたね」

 

「まだ、話し中。

本人でないとだめらしいから、かわって」

 

スピーカーフォンになれない母は、

 

「ここで話すとかい?」

 

「お客様、ご本人様ですか?」

 

ちょっとびっくりしたように

 

「はい、おせわになります」

ちょぴりよそ行きの声色になります。

 

「お名前と、生年月日をいただけますか」

母は、病院でいつも聞かれ続けられているので

的確に落ち着いて答えます。

 

「お客様の契約番号をおしていただけますか」

 

母に緊張が走ります。

「どこにかいてあっとや」

ちょっと怒りがこもった声にかわります。

 

書類の該当個所をペンで指し示します。

 

母は、一文字ずつ確かめるように読み上げます。

 

本人確認ができると

今後の流れの説明と

最終保健期間の確認がなされます。

 

電話を切ると

母は

「あんたが、さっさとしてくれればよかったつに」

と、うらめしそうです。

 

「しかたなかね。

今は、本人の意思をしっかり確認することになっているから。

大事なことです。

なんでん、人まかせにしないようにせんとね」

率直に現状を伝えます。

 

「明日のコロナの予約は、いっしょにしてくれるとだろね」

 

「はいはい」

 

接種券には明日の8時半から受付が開始されることが明記されています。

1回目も2回目も代行でインターネットから予約をしています。

そのこともあって、こちらも丸投げになりかけています。

 

準備のため一応、アクセス先を確認します。

すると、

 

「予約開始日がはやまりました。

予約券発送の時は、土曜日の8時30分から開始するとしていましたが、

予約開始日を早めることとなりました。」

 

と、あります。

何と昨日から予約が可能になっています。

 

あわてて、母が希望する病院の予約を入れます。

今月はすでにいっぱい。

来月の7日が一番近い日で空いています。

 

母に確認します。

 

「よかよね」

逆にたずね返されます。

 

「いいかどうかは、自分で決めんと」

 

「そっでよか。申し込んで」

ちょっと、切れ気味に自分の意思を伝えてきます。

 

「そう、誰の予約かをわすれんようにせんとね。

自分で決めることが大事」

 

実際、一週間前は乳癌の治療でハーセプチンの投与。

時間の間隔もあき、適切な判断か・・・

 

そうおもいをめぐらしていると

 

「車のガソリン入れといてね」

と、母。

 

「なんで、ガソリンが入ってないって、わかた?」

母は、年齢もすすみ、

なるべく車の運転は避ける約束になっています。

 

「ほー」

父の頭を指さして

何かを読み取れと言わんばかりです。

 

父の髪がきれいに散髪されています。

 

「まさか、車で・・・」

私がそう言いかけると、遮るように

 

「家に来てもらっても髭剃りができんけんね」

防衛線をはります。

 

「なーん、

床屋までなら大丈夫。

自分で、わかる。

そんくらい、自分で決めんと」

 

「・・・」

 

高齢者の自立

これまでできていたこと

できにくくなっていくこと

安全の基準は

本人とその家族では異なります。

 

しかし、

手間でも合意形成の

話し合いは省かないようにしないと・・・

 

言いかけたところに

 

「おはようございます。訪問看護です」

 

「はーい」

 

しめたとばかりに

席を立つ母です。