▲自宅の畑にはえんどう豆がどんどん増えています。
早めに収穫して湯がくと皮ごと食べられると聞きラーメンに入れてみます。
湯がき方が足りなかったのか、少し筋が残ってしまいましたが、腹ごしらえはできました。
午後2時からの入院患者への荷物渡しに備えます。
洗濯物を許可された時間に合わせて入院中の父に届けます。
今日は、透析がない日ですのでうまくいけば、父に会えるはずです。
いわゆる「コロナ対策検問」を通過して、病室に荷物を届けます。
父は横向きになって眠っています。
かたをたたくと
すっくとおきあがります。
「洗濯物もってきたよ。
ロッカーに入れとこか?」
たずねると
「いや、枕元においてくれ」
しっかり自分で管理しようとする気持ちが
伝わってきます。
時間が限られていますので
弟家族からLINEに送って来た
ビデオメッセージを見てもらいます。
「おっ、元気か?」
まるで電話にでるようにLINE動画に声をかけます。
家でLINEビデオ通話をしていた時と
勘違いしているようです。
「画面はよくみえるが、聞こえん」
そう言いながら画面の片隅を指さします。
自分の顔が映ってないと言いたいようです。
完全にLINE電話と勘違いしていて
自分が声をかけているのに
関係なくしゃべり続ける
弟や弟家族に???です。
この時間帯は弟家族は
それぞれ仕事や学校、施設利用です。
電話という形はとれません。
録画したメッセージ動画を使えば
と、考えたのですが
その違いを理解するのは難しいようです。
時間が限られていますし
他の入院患者さんもいますので
簡単にメッセージの内容を説明します。
きょとんとしながらも
弟家族の表情を見ることができ
嬉しそうです。
「先生の言うことを聞いて
しっかりなおるまで
ここにおろたい(いるようにしよう)」
厳密にいうと腎機能がもどることはありません。
戻ることがないので、透析をとおして、
急な熱発や、嘔吐などの急な体調の変化を
少しでも抑える戦略です。
「そうね、透析が安定してできるようになれば
体調もよくなるからね」
落胆させないように表現を工夫して
当面の目標を透析方法の絞り込みにおきます。
肩から出したカテーテルからの透析で経過を観察中です。
新設した人工血管での透析はまだ始まっていません。
目の前の課題をひとつづつ具体的にクリアしていく
そのことで入院生活へのモチベーションを高めていきます。
「こんど、母ちゃんがこらすなら
携帯ば、もってくるよういってくれ。
公衆電話まで遠いけんね」
と、父。
前回たずねた時
携帯の操作ができず、
自分から持って帰るよう言ったことを忘れています。
ちょっと残酷でしたが
「操作できる?」
確かめます。
「・・・そうだった」
父は、肩を落とします。
「何かあったときは、病院から連絡があるから
心配せんでよかよ。どうしても連絡せんなん時は
看護師さんに相談するようにしようか」
静かになだめます。
おそらく父の主訴は、
たわいのないことでも
それにひっかけて
母の声を聞きたいところにあるようです。
ただそのたびに誤動作で
がんと闘っている母のストレスがたまることは
避けなければなりません。
病院のことは病院に任せて
その中でできることを
入院生活に生かしてもらうほかありません。

