浦島草(百日草)の写真

▲父や母はこの花を「浦島」と呼んでいます。

 正式には浦島草。百日草ともよぶようです。

 

 

群生するオクラの写真

▲オクラも大きくなりましたが、ちょっと込み入ってきました。

 

 

オクラの間引き写真

▲間引いて成長しやすくします。

 

 

間引きしたオクラの全体像

▲ずいぶんすっきりしました。

 

庭先に咲いた花があります。

 

「つるは千年

かめは万年

浦島太郎は八千年」

 父がつぶやきます。

 

「うらしまがさいた。

これで、仏さんの花も

きらさんでよか」

 と、母。

 

 しらべてみると

 

「百日草」

または

「浦島草」

というそうです。

 

初夏から晩秋まで

長く咲くので

名づけられたそうです。

 

確かに

母のいうとおり

仏壇にお供えする

花もこれで

安心です。

 

台所横、

菜園の

オクラが

かなり密集しています。

 

「はさみで

茎を切って

間引きせなんね」

 と、母。

 

「両側に杭を打って

紐をはって

たおれんようにすっとよかね」

 と、父。

 

雨の合間をぬって

間引き開始です。

 

「ひもは、これを使って」

 と、母が

これまで使ってきた紐を

もってきます。

 

デイサービスから帰った父が

出来上がった

オクラの生え具合をながめて

満足そうです。

 

庭や菜園には、

季節ごとの

父と母の思いが

織り込まれています。

 

庭や菜園の手入れは

二人の

生きる活力に

つながっているようです。

 

「今度も、

たくさん汗が出たり

3時ごろから体がだるくはなるけど

痛みはなか」

 

 2回目の抗がん剤投与から3日、

母は、

前回との違いを

客観的に

見つめるようになっています。

 

「次も

点滴でせなんとだろか」

 三日後に

難病ANCAの定期診療を

控えた父は、

不安を口にします。

 

血管が老化して

なかなか

針が入りずらくなっています。

 

点滴には抵抗があるようです。

 

「リツキサン(ANCAの治療薬)

を入れるかどうかは

検査の結果次第だけんね。」

 と、私が遠回しに説明します。

 

「せんなんときは、せんなんたい。

1週間

入院して

点滴してくれらすけん

なーん心配いらん」

 母は、ダイレクトに覚悟を促します。

 

穏やかな日常を

続けたい。

 

そのためには、

 

通院、

入院、

治療、

手術

 

これも

 

「日常」

 

として受け入れなければなりません。