GWも中盤になりました。

 

先日、また映画を観ました。と、言っても、映画館で観たのではなく、おまかせ録画でたまたま録画されていた映画を。意外に面白かったのでちょっと紹介したいと思います。

 

3年前くらいにやっていた『おいしい給食』というドラマをご存じでしょうか?私は全く知りませんでした。ドラマを観ていた方には今更?でしょうが一応簡単なあらすじを。

 

1984年、食育に力を入れた常節(とこぶし)中学校を舞台に、誰よりも給食を愛する給食マニアの教師、甘利田幸男(市原隼人)と、そのクラスの生徒の一人である、こちらも給食愛に溢れた神野ゴウ(佐藤大志)との「どちらがよりおいしく給食を食べるか」という給食時間に開始される静かなるバトルを描いたストーリー。

 

 

この劇場版が今回私が観た『劇場版 おいしい給食 FinalBattle』です。

 

まず、市原隼人の弾けた演技に注目です。路線変更しました?っていうくらいぶっ飛んだ演技です。そもそもイケメン俳優(であったと思う)としてよく出ていた頃は、その若干灰汁の強い演技がどうにも馴染めなかったのですが、逆にこの灰汁の強い役を演じることでいい感じに中和されて、今までの印象よりもかなりよい、と個人的に思いました。

 

ここからはちょっとしたストーリーの解説と感想を。

 

ーーーここからネタバレ有リーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

甘利田には何事にも常に確固とした信念がある。教師とは、大人とは、ハンサムとは…。

因みに甘利田曰く、ハンサムとは「アランドロンのことだと思っていた」そうです。そして、特にもみあげが重要なんだとか。真顔

 

毎日献立表をチェックする甘利田。給食の無い中間テスト開け一発目のメニューの中に『鯨のオーロラソース』という謎のメニューが。何だオーロラソースって!?気になって仕方のない甘利田は休み時間にさり気なく給食室へ。配缶された中身が気になってそわそわしているところを給食のおばさん牧野さん(いとうまい子)に見つかってしまいます。「先生も気になるんですね、今日の新メニュー。探りに来たんでしょ?」と言われ「何を馬鹿な」とその場を去ろうとするも「さっき1組のあの子も来ましたよ。神野くんでしたっけ?」の言葉にキリッと振り返り「奴には何と?」と牧野さんに迫る。「お昼までのお楽しみって追い返しましたけど。あ、でも先生には教えてあげますね。あのオーロラソースって…。」「いや結構。興味が無いんで。」と静止。自分だけ抜け駆けするのはフェアではない。そんなハンディはプライドが受け付けない。のだ。

 

ここで面白いのは、甘利田が教師という立場故、給食愛を誰にも知られてはいけない。教師が生徒以上に給食を楽しみにしているなどと知れたら威厳が失墜してしまう。と、給食愛を隠しているつもりであるのに、みんなに知られてしまっているところです。

 

 

 

食べる前の段階でこの様子。そりゃ、バレるよね。

 

至福の時、まずは謎の『オーロラソース』のみを一口。「あ、これは!ケチャップとマヨネーズ、そして、ソースかぁ。それもウスターだぁ。」あまりの美味しさに感動し『オーロラちゃん』と命名しガッツポーズ。謎のメニュー『鯨のオーロラソース』をいざ実食。心の中でその美味しさを解説。添えられた千切りキャベツと和えて「オーロラちゃん、恐るべき破壊力!」とその素晴らしさに改めて感動。そして何故このソースをオーロラと呼ぶのかを分析し始める。オーロラ、フランス語で曙、明け方を意味する。そして閃く。「そうか!夜空の発光現象ではなく、この赤みがかった色が夜明けの空をイメージさせるという事だったのか。」とちょっとした豆知識も。

次は、ソフト麺をけんちん汁に投入するスタイルのメニュー。ソフト麺を適当な分量にカットしていると、生徒達のざわめきに気づき目をやる。そこにはソフト麺をそのまま投入したがために麺が器からこぼれている生徒達が。なってないな、という面持ちで「ソフト麺はカットして少しずつ投入するというのが基本中の基本。その常識が身につかない様では大人になどなれない。」という持論を展開。その後ソフト麺や、大人の所作を解説。「私は大人。」とけんちん汁を一気飲みしたいところを残りのソフト麺のためにその衝動を抑え、瓶牛乳に取り掛かる。と蓋をあけたところ、薄い表示部分だけ取れてしまうというハプニング。「あ、またやってしまった!」焦る甘利田。「この手の失敗は絶対に生徒に見られるわけにはいかない。大人として、そう、教師としての威厳にかけて。」と周囲を気にしながら何とか残りの蓋を取ろうとした瞬間、開蓋とともにベチャっ。「あ!何をやってる。落ち着け、落ち着くんだ。」と自分に言いきかせながら何事もなかった様に牛乳を飲み、一服。ここからはもう怒涛の如く食す。全メニュー集中。手をあわせ「ごちそうさまでした。」とほっとしているところで、スープをすすり、ゴクリと飲む音が耳に入ってくる。

目をやるとそこにはライバル神野がけんちん汁を一気飲みしている姿が。ソフト麺も残したままだ。そしてネギだけの器。「奴はネギ嫌い?何たる幼さ。」とバカにしていたところ、神野はソフト麺をちぎり、オーロラソースにつけてそのまま食べるという荒技を繰り出す。「何だ、何だその食べ方!そんな食べ方が許されるのかっ!?」と注目していると、徐に赤白のチェック柄の紙ナプキンが敷かれた白い洋皿が机の上に。「何だその洒落た皿!」と前のめりになる甘利田。そこへ四角くちぎられたソフト麺が全部で6個きれいにならべられた。「何故、ソフト麺をちぎってならべたんだ!」スプーンを見つめニヤリとする神野。ちぎられた麺の上に適当な大きさにカットされた鯨肉をのせ、いつの間にか違う皿に取り分けていたけんちん汁の具ものせ、一番上に残したと思ったネギをのせ、最後にオーロラソースをかけた。「まさか!ひとりパーティー!」あんぐり

麺はすするものという常識に囚われ、けんちん汁を一気飲みしたいという衝動を抑えた自分に比べ、常識に囚われない荒技で、オーロラちゃんをマックスに生かし、できなかったけんちん汁一気飲みを果たした神野。正にオーロラの輝きに包まれる神野をもう眩しくて直視できない。「負けた。完敗だ。」不安

 

と、こんな感じでストーリーが進んでいくのですが、これだけではない。その後この学校にふりかかる危機や、生徒とのジーンとくる話、ちょっした恋話、などなど、約1時間40分飽きなく観られました。

給食もですが、個人的には、金八先生第2シリーズで「俺はミカンなんかじゃない。俺は人間だ。」でおなじみの加藤優役の直江喜一さんが、地元の教育委員長として出演されているのも懐かしさを感じさせてくれました。声は昔のまま、相変わらずの演技力でした。

 

 

ーーーネタバレ有り-----------------------------

この劇場版のあと、ドラマシーズン2が放送され、更には来る5月13日より『劇場版 おいしい給食 卒業』も公開されるということで、その人気はなかなかのものであると思われます。漫画を見ているような感覚で単純に笑いたいという方にはおすすめの映画です。最新劇場版も気になりますなぁ。