調査結果。 par 灰猫 | 明かしえぬ共同生活

調査結果。 par 灰猫

新のぞき屋04  長いことお待たせいたいたしました。長期休暇に入り時間に余裕ができたので、いくつか頂戴している質問の中から今回は『新・のぞき屋』について返答します。

 さて、件の質問は『新・のぞき屋』における「オナペットの名前ってなんでしたっけ」というものだったけれども、「あのザマスおばさんが愛用してる・・・」という貴君の補足から推察するに、念頭にあるのは「ペロンちゃん」かと思われます。よって、質問に対する答えは「ペロンちゃん」ということになります。

 しかしながら、この件に関して調査をする上で興味深い事実が発覚したのでそれもご報告します。なんとなれば、ペロンちゃんが『新・のぞき屋』に登場するのは合計5回で、コミックス第2巻収録のDATUM11「追跡」、同・DATUM12「追走」、第4巻・DATUM37「潜入」、第5巻・DATUM45「過去」、そして第10巻・DATUM96「用件」です。このことを踏まえた上でここで問題にしたいのは、第5巻・DATUM45「過去」における登場の仕方です。

新のぞき屋01  ペロンちゃんが登場するシーンのパターンは2通りあり、まずは飼い主のおばさん(このおばさんの名前は不明)がペロンちゃんの捜索依頼をする場合で、もうひとつはペロンちゃんが発見される場合です。そして問題にしている「過去」におけるペロンちゃんの登場の仕方は後者、つまり捜索依頼されていたペロンちゃんが発見されておばさんに返される場面なのだけれども、飼い犬に再会したおばさんが喜びと共に発する台詞が「ペロちゃんおかえりー どこいってたのー」です。『新・のぞき屋』において合計5回登場するペロンちゃんが、この「過去」においてのみその呼び名が「ペロちゃん」になっています。

新のぞき屋03  まあ、件の犬が登場する5回中4回が「ペロンちゃん」と呼ばれているので、犬の名前は「ペロンちゃん」で、「過去」における「ペロちゃん」という呼び名は単なる誤植なのではないかと結論付けるのが妥当かと思います。

 以上が『新・のぞき屋』における調査報告です。

 しかしあれだね、一気に読み返したのだけれども、やっぱり山本英夫作品は素晴らしいということを再確認しました。とりわけ『新・のぞき屋』においては「真実/現実」の関係を見事に描いていると思う。そして、この作品において秀逸であるのは、この「真実/現実」の関係を「見ているもの/言われていること」、「視覚/聴覚」の関係との差異において捉えていることです。重要な点は真実と現実との差異を描いているのではなく、真実と現実の関係を描いているということ。ともすればそれらは表裏一体のコインのようなもので、密接な共犯関係にあるとさえ言えます。ただひたすら「現実」と追い求める主人公の見(ケン)と「真実」を追い求める女子高生レイカの間に奔る亀裂は、まさしくそれらが密接に関係し合っているのだということを表しているように思います。

新のぞき屋02

 

 あ、他の質問については書ける気がしたときに返答するけれども、あまり期待しないでね。