「秘密」の秘密。あるいは、盗まれた意味についてのセミネール。 par 灰猫
「私は「秘密」を持っています」、こう云ったきり、話をそこで終える。
ここでの「秘密」の意義は明確だ。つまり、「私は何も云いません」という一言に尽きてしまう。
では、およそこう訊かずにはいられないであろう「この発言は何も意味しないのか?」という問いに対する答えも明確で 、もちろん「そう、何も意味するものはない」だ。しかしその背後にはこういった確信がある、「それで充分、私とあなたはこの意味の欠如をめぐって「秘密」の意義を見出しているから。あるいは、捉えられない欠如そのものが意味を織り成しているのだ」と。
隠されているかのように見えるその意味は、隠されているその限りにおいて、まさに私の、そしてあなたの眼の前にある。それは、中身が見えない限りにおいて「ビックリマン・チョコ」を買い求め続ける子どもたちのリビドー備給に近似する仕方で、そのようなものである。
言葉は意味の喪中?そんなバカな。