それは、いろんなことを考えるようになったことから始まりました。
私の人生、このまま、楽ちんな人生でいいのかなって。人生の後半もこのまま
みたいな。
そんな時、お友達から、ヘルパーの資格を一緒に取りに行こうって誘われたのです。介護です。介護職の需要はすごいです。足りないです。3K(きつい、汚い、危険だと思っていたら、介護職では、きつい、給料安い、結婚できない・・らしい)で、お金のためだと割り切れないものがあるらしいです。
私の父母はまだすごく元気だし、介護とか考えられませんが、この先はどうなるかわかりません。それは、ある日突然にやってくるらしいのです。
で、私、思ったんです。私が介護の仕事をしていれば、私の両親は介護状態にはならないのではないかと。
いえね、何の根拠もないのですが、両親が介護状態にならないことを願って、私が介護士になろうかなって。
もし、介護状態になっても、そんなに驚くことなく、介護もできそうですしね。
それで、私も3ヶ月の間、資格を取りに行きました。通信ということで、週一回丸一日の講義と4日間の実習で取れるのです。
介護は、思っていた以上に奥の深いものでした。
ちょっと勤めてみたらいいなっと考えて、主人や両親に話したのですが、資格を取ることには何も反対しなかったのに、仕事にしようとしたら、反発きました。主人は、私が疲れ切って家のこと、子供のことをほったらかすことになるだろうからと反対し、うちの父には
「老人の肩をもんでるつもりか」
と嫌味を言われ、母には
「ケアマネージャーになるのに、今から何年かかるだろうね」
っとため息をつかれ、主人の母からも
「大変だからやめた方がいい」
っと連絡がきました。皆の反対を押し切ってまでやれる自信もなく、また、振り出しに戻ったような気持ちでした。
私の両親は、私に学校の先生になってもらいたかったのです。女の子だから、学校の先生がいいと思っていたのです。
もしかしたら、両親の憧れの職業だったのかもしれません。
でも、私はどうだったかというと、そんな両親の思いとは裏腹に、学校や先生というものに必要性を感じていませんでした。
勉強は、自分でするものなのにっとひねくれた考え方をしていました。そう、学校の先生が好きではなかったのです。
しかし、両親の強い要望により、教員免許状だけは、取ることになったのでした。教師を目指すつもりが全くなかったのにです。
そんな私が結婚して子供にも恵まれ、多くの子供たちと接するようになっていくと共に、自分の中の子供が大好きだという気持ちとその中で働く先生たちへの憧れのような気持ちに驚かされることになりました。
でも、それを考えないようにしていたのは、今更っという諦めの気持ちだったのか、それともそれは、なくなりかてたにも拘わらず、まだほんのちょっぴり残っていたプライドのせいだったのでしょうか。
何がきっかけだったのか、ヘルパーの資格をとったことからか、もしかしたら今までのすべてのことがきっかけだったのかもしれません。突然、思い立ったかのように、私は市役所の中にある教育委員会に教員免許状を持って立ち寄っていました。
そう、講師登録をしたのです。
一体、自分が何をしているのか、どうしてこんなことをしているのか、よくわからず、ただ、胸の高鳴りを感じているだけでした。そして、すぐに教育委員会から勤務できる学校があると連絡がきたときには、眠れなくなりました。
何てことをしたのだろう、本当に私にできるんだろうかって、自分で申し込んだくせに、悩みまくってしまったのです。
常勤にするのか非常勤にするのかと、教育委員会の方に聞かれました。テストでも何でもして、そんなことそっちで決めてほしいと思いました。
だって、私は私がやっていいものかどうかと悩んでいるのに私主体で進められる話がとてもおかしく思えたのです。
どうして、この方たちは、私は専業主婦しかやっていないというのに、簡単に"先生"にしてしまうことができるのだろうと変なところで、反発さえ感じてしまいました。
そして、話を聞いていくと、非常勤勤務なら、週2日ほどの勤務だということがわかり、私は非常勤でお願いしますと即答したのでした。週2日ならできるかもしれないと思ったからです。そうして、4月から、非常勤講師になることになってしまいました。
両親に報告すると、大騒ぎはしませんでしたが、とても喜んでいることが伝わってきました。
「就職祝いをしないと」
なんて言う母の言葉を聞きながら、何で私は、最初から先生を目指さなかったのかと、非常勤講師だなんて本当の先生でもないのに、そんなことでこんなに喜んでもらうことができたのに、いっぱいいっぱいお金を使わせて免許状も取らせてもらっていたのに、親不孝だった・・・っと後悔しきりでした。
でもでも、今だから、やってみようという気持ちになったのも事実なんです。自分の子供の頃からの環境、心の動きを考えてみても、こんなに何十年も経って、やっと今、その時になったのではないかと思えるのです。
講師は一年契約なので、この一年が勝負というか、やっぱり無理とか、次は常勤講師でとか、もしかしたら、いろんなことが変わるかもしれません。
随分、遅いスタートですが、少しずつ夢が膨らむような、本当の先生に成れる日がくるといいなって、始まる前から自分の中から、湧いてくるパワーを感じるようになっています。
本当におかしな話なんですけど、まだ私にもできることがあるかもしれない、努力してみたいって思ってるんです。
そう、今から、校長先生を目指すつもりで・・・、調子乗りすぎで怒られますね、はい。。。