チッチと子/石田 衣良
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最近思うんです。私は、別に石田さんの本が好きって訳ではないなあって。



石田さんが好きなんです。博愛を感じさせられる所が、とても好きなんです。


だからですね、私の石田さんの本に関する感想は、当てになりません。だって、どれを読んでも、石田さんっていいわあになってしまうのですから。



10年、売れない作家で生計をたてている耕平は、3年前に交通事故で妻を亡くして小学生の息子と2人暮らし。作家や編集者からは、売れると言われ続けるが、そんな日がなかなか来ない。そんな耕平がついに、直本賞の候補に上げられた。再婚話が出る中も、息子は「ママッチは、一人だけ」っと譲らない。耕平も再婚には、乗り気になれない。というのの一つに妻の事故は、本当に事故だったのだろうかという疑問も残っているからだった。



一人で、父母の二役をこなすことは、大変なことです。再婚をしてしまえば、母役の免除は被ることができますが、耕平の思いは、母役免除ではなく、息子も手が放れた時に、老いてしまった自分が一人で孤独に耐えられるかっというところでした。



まだ私には、一人の孤独が耐えられないという感覚がわからないんです。今は、一人の時間が欲しくてたまらないからかもしれません。



誰からも置いてきぼりをくうという、そんな寂しい状況を思い描くことが出来ないと言う私は、幸せなんですね。