愛するということ (幻冬舎文庫)/小池 真理子
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小池さんって、恋愛もの、得意ですね、きっと。



一人の人が好きで好きで、別れてからも、他の男に抱かれながらも忘れられない。他の男のいろんなところを好きだと思う気持ちもあるけれど、それは、自分の愛した男を想う気持ちとは、全く種類の違う、次元の違う気持ちである。そして、この情熱を忘れることはない、一生。


っという感じでしょうか。そこには、この男は、妻子持ちだったということも特に関係なく書かれ、他の女の元へ行ってしまうのですが、この女にひたすら、嫉妬しまくる。”愛する”というレベルにおいては、妻子がいるということよりも、その愛した男の心に占められる割合のものにだけ気が行くということなんでしょうね。



何ていうんでしょうか。現実的な私の見解でいきますと、”愛する気持ち”って、使えば使うほど、減っていくものなんじゃないかと思う訳です。



だから、若い頃に、あの人ほど愛せた人は、もう出ないとか聞いたりすると、「愛を使い果たしたのね。」みたいな風に思ってしまうんです。確かに、私も若い頃、「こんなに想える人は、後にも先にも、もういない。」なんて、思ったことがありましたけど、あんな気持ちには、もうなれないんです。それは、妥協や諦めを繰り返したことも原因かもしれませんが、何より、やっぱり、”愛する気持ち”が減ったんじゃないかなあ、なんて、ぼんやり思うんです。



だから、理想は、ただ一人の人と恋愛して結婚するってことでしょうか。


うーん、難しいかも。でも、きっと大昔は、こんな理想の人が多かったんでしょうね。