誘惑/北原 亞以子
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この本は、江戸時代の商人の話と言ってもいいと思うのですが、最初のうちは、慣れない昔言葉で、読みも遅くなりましたが、慣れてこれば、すいすいと読める本でした。



京の暦売りで有名な大経師が藤の花見に出かけた時、一目惚れした女性、いいところのお譲さまで、我が儘いっぱいで育った人なのですが、この譲さんを妻に迎えます。しかし、この譲さんは、大経師のところで奉公している手代のことを好きになってしまいます。大経師は、暦のことばかりに頭がいき、妻は、手代のことで頭がいっぱい。


この時代、主人が女中に手を出すのは、しょうがないとされていたが、妻が奉公人とということになれば、二人とも磔(はりつけ)の処刑になっていました。しかし、磔になっても構わないと大経師の妻のとった行動は・・・、そして、その助けをしたもの、親戚などもすべて巻き添えにしてしまいます。



女は、13~15歳の間に、だいたい、嫁いでしまうというところからも、今からは考えられないことで、未熟だけれど、訳わからぬうちにというのも、またありなのかもしれません。


しかし、感想としては、いつの時代も、自分の思いだけは、何としても通すっと思って入る人が、いるものだということ、そして、それは、男よりも女の方が多いのかもしれないということです。



そうですね、面白さは、普通です。