ストロベリー・フィールズ/小池 真理子
¥1,890
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ここんとこ、なんかぐっと読めない本ばかりだったような気がしていましたが、ぐっときました。ニコニコ


この本は、大人向けの本だと思います。若い方には、???な感じなのではないかと。


7年前に、妻を病気で亡くして一人娘のいる二代目社長と結婚した女医の夏子の話です。結婚生活や夏子に関わるすべての人に夏子は、芝居をしながら生きているような、いつも、空虚を感じながら生きています。その背景には、旦那さんが結婚したのは、娘のためだけであったのではないかとか、旦那の社長秘書をしていて家族同然のように家に出入りしている女性が実は、旦那さんの不倫相手だったりとか、その娘にいつも気を使いながら暮らしていることなど、いろんな要素があります。そんな時、その娘の友だちの兄、夏子とは親子ほど歳の離れた青年から、「僕が女を感じるのは、夏子先生だけです。」っとうち明けられ、おかしな気分になっていく訳ですが、この青年も自分のことを孤児だと感じるほどの孤独を持っていました。ストロベリーフィールズ、孤児院の名前です。


夏子の感情やその他の登場人物の感情を読者に想像させるような、そんな文章なんです。この人は、こんな感情で・・じゃないんですね。


その中で、夏子が考えているところが印象に残りました。


「若い頃は、ただ自由が欲しかっただけだったけれど、今は、自由がなくても孤独になるよりはいい。」


何となく、私もだんだんこっちに近付いてきたなあなんて、思ったのでした。