幼稚園の運動会がありました。



先週、途中から雨が降ってきたため、続きから延期ということで、今週は2回目の運動会っとなった訳で。

何が大変って、2回ものいろんなご馳走のお買い物、朝4時から起きてのお弁当作り。私の場合は、小学校もありましたから、今年は計3回、これをやった訳ですが、今回は、私の父母と弟夫婦とその子ども3人分もプラスされて11人分のお弁当だった訳で。



そしてそして、何より今回一番気が重かったのは、年長だけ行われる組別親子リレーでした。

年長の親子リレーは、幼稚園の運動会の目玉のようなもので、保護者から一人出て、自分の子どもから親へそして次の子どもへとバトンを渡していきます。毎年、お父様方が張り切って出られるのですが、運動不足の方がかなり多いらしく、かなりの確率で転ばれます。転ばなくても、足がもつれて、よろよろしてたりして、面白い園長の実況中継で、大爆笑だったりするんです。

子どもたちも大盛り上がりで、親子共々、叫び合って、それはそれは、拍手喝采で終わるんです。


先週だったら、主人がいたので、主人に走ってもらうはずだったのですが、今週は、仕事で欠席。自動的に私が出ないといけないことになりました。


先週、延期になった時から私の出場は決まってしまったので、この一週間、とにかく転ぶのだけは避けたいと、夕方から子どもたちと少々走り込みをしました。
「ママ、遅すぎ~。一ちゃんより遅いじゃない。二ちゃんは、ママに一番になってほしいの。」

っと私と一緒に出場する年長の二ちゃんは、プレッシャーを私にかけまくり、運動会がとても気の重いものになってきていました。



当日、年少の三ちゃんのお友だちの親御さんたちとおしゃべりしていて、
「主人がいないから、今日の親子リレー、私が出ないといけないの。」

っと言うと
「じゃあ、僕が代わりに出ましょうか?」

っと三ちゃんのお友だちのお父様がおっしゃってくださいました。一瞬、まあ、いいのかしらなんてにこにこしてしまいましたが、やっぱり、申し訳ないし、遅くても二ちゃんの親は私だしなあなんて思って、お断りさせて頂きました。



親子リレーに出場されるお母様方は、1割程度でしょうか。それも、お母様が出られるところは、元陸上部だったとか、何だか、足に自信のある方が多かったのです。

ちなみに私も元陸上部ですが、短距離ではありませんし、大昔の話で、今は、小3の息子にさえ負けてしまう遅さです。



入場門で待機していると、私の後ろに並ばれた30歳前後の男性のところに、40歳前後の女性が近付いてみえて、頭を下げてこう言われました。
「すみません。よろしくお願い致します。」
夫婦には見えませんでした。何?代走?


私の前に並ばれている方は、50歳前後の男性でした。この親子リレーの親の年齢には随分ひらきがあるなあっと、周りを見回していると、ところどころで、代走ではないかと思われる方がみえました。


それは、隣にいる子どもの態度でわかるのです。


親がどんなに歳をとっていようと、自分の親の場合は、子どもは目を輝かせて、興奮しながら親を見てにこにこして話しかけたりしています。

代走と思われる場合は、子どもはそっぽを向き、笑いません。例え、その代走の方と手を繋いでいてもです。



親子リレーが始まり、皆興奮して、立ち上がります。恒例のように、何人かの方が転ばれて、順位が入れ替わります。足がもつれる方、よろよろして走ってるとは思えない方っといろいろみえました。

お母様方は速くて、全然、男性に負けていませんでした。


で、私はというと、一位でバトンをもらって、それはそれは、この一週間の練習の成果を見てくれの勢いで、何とか、順位を守れました。しかし、真剣になりすぎて、足全部が痛くて、変な歩き方をしないといけないくらいでした。にしても、抜かれず転ばずでバトンを渡せて良かったあっとほっとしました。二ちゃんもとても喜んで、

「ママ、やったあ。」

とにこにこで抱きついてきました。



順位は関係ないなっと走った後に思いました。

時に転んだり抜かされたりといった姿を子どもに親として見せた方がいいんじゃないかと、それでも一生懸命走る親の姿が格好いいんじゃないかと思ったんです。


そして、親子で頑張ったねって笑い合う、そんな競技だったんじゃないのかなって思いました。


遅いこと、みっともないことを恐れずに、代走なんて頼まずに、頑張る親は、子どもの心にとってもいいものを残すんじゃないかと、そんな風に思う親子リレーでした。