私は、今ほとんど毎日、お話会の講演会のテープを一日30分だけ聴かせて頂いています。


もう結構、聴かせて頂いていて、聴かなくてもいいんじゃないかと思う時もあります。


でも、人間の持って生まれた根性というか気癖は、一生、直るものではないそうで、気を抜いていると我がすぐに出てきて、今まで築き上げたものを一瞬にして壊してしまうこともあるそうです。なので、特に何の問題もなくても、時間の許す限り、聴かせて頂こうと思っているのです。




月一回開かれるお隣の家での6月のお話会に、新しい方が一人、赤ちゃんを連れてみえてました。


この新しい方は、何歳なんだろうって思いました。随分、苦労をされてきたようなものを顔に滲ませていて、っていうか、あんたたちのように私はぼんやり生きてきていないわ、みたいな、あんたたちの何倍も苦労してて私はあんたたちとは違うのよ、みたいな雰囲気を漂わせているのです。



この新しい方は、お話会では、誰とも一言も言葉を交わしませんでした。一人ずつの個別相談で、自分の生い立ちを先生にだけ話されたようで、その内容は、かなり先生を驚かせたようでした。私は先生から詳しくは聞いていません。ただ、「力になってあげて。」とだけ言われました。




その新しい方が昨日、お隣の家にテープを聴きにみえたのでした。


昨日は、お隣の奥様と私と近所の奥様とその新しい方の4人でした。テープを聞き終えた後、子どもたちを遊ばせながら、4人で話しました。



隣の奥様が新しい方の悩みを話されました。歳は、26歳で、やたら交通事故に巻き込まれるとのことでした。


26歳かあ。見えないなって思いました。とっても突っ張って生きてるような、何かに逆らいながら生きてるようなひねた感じにさえ見えたのです。



「事故に巻き込まれるっていうのは、いつでも誰かと戦う気癖を持っているって先生は言われてましたよ。」

隣の奥様がにこにこしながら話されます。

「それってねぇ、けんか根性って言うのよ。」

私もにこにこしながら親しみ込めて言ってみます。


「あっでも、私の場合は、生まれつきというか、子どもの頃から宿命みたいなもので、年に2回くらいは、巻き込まれちゃうんです。だから、主人に車も運転させてもらえないんです。」

その新しい方も私たちにつられて、にこにこしながら話されました。




運命とか宿命とか、このお話を聴くようになってからは、因縁のことだなって思うようになりました。前世からの因縁、先祖からの因縁、つまり、自分ではどうにもならない、そうなってしまっていくこと。



では、この悪い因縁をどうやって切っていくのか?


戦うことをやめることです。いろんな人と喧嘩すること、いろんな人を腹の中で悪く思うこともその人と戦っていることになりますが、それら、全ての戦いに負けることなんです。


勝って優越感に浸るのでなく、負けて悪い因縁を切るんです。負けるが勝ちとはまさにこのことです。


「あのね、車を運転してて、入ってくるな、入れたらんとか思うでしょう?そうじゃなくて、どうぞどうぞの心って言うの?入りたそうにしてたら、どうぞって入れてあげるの。それは、とっても小さいことなんだけど、全然知らない人なんだけど、入れてもらった人は嬉しいよね。その小さな助けが小さな徳積みにもなるんじゃないかな。」




その新しい方は、いつのまにか、26歳のかわいい素直な顔で、にこにこして頷いていました。